目次
バターとマーガリンの違いとは?
トランス脂肪酸のリスクと健康的な脂質の選び方を解説
「バターとマーガリン、体にいいのはどっち?」「マーガリンのトランス脂肪酸はどれほど危険なのか?」——スーパーで毎日目にしながら実際のところよくわからないまま選んでいる方は多くいます。この記事では、根本的な違いを栄養成分レベルで整理したうえで、トランス脂肪酸の実際のリスクとスーパーでの具体的な選び方まで解説します。
01 ORIGINSバターとマーガリンの根本的な違い:原料と製造方法
見た目・カロリーがほぼ同じでも「何からどうやって作られているか」が栄養成分と健康影響を決定的に変えます。
- 原料:牛乳から分離した生クリーム
- 製造方法:生クリームを撹拌(チャーニング)して乳脂肪分を固める。加工工程がシンプル
- トランス脂肪酸の由来:天然(バクセン酸・CLA)。工業的なものとは分子構造が異なりリスクが低い
- ビタミン:天然のA・D・E・K2を含む
- 高温調理:飽和脂肪酸が多く酸化しにくいため◎
- 原料:植物油(大豆油・菜種油・コーン油など)
- 製造方法:常温で固形にするために「水素添加(硬化)」という化学工程を経る
- トランス脂肪酸の由来:水素添加工程で生成(工業的)。硬いスティックタイプほど多い
- 現在の主流:「ソフトタイプ・ファットスプレッド」——水素添加を大幅に減らした製法に切り替わっている
- 高温調理:多価不飽和脂肪酸が多く酸化しやすいため✕
1970〜90年代のスティック型マーガリンはトランス脂肪酸が7g/100g以上含まれるものもありました。現在の日本市場の主流は「ソフトタイプ・ファットスプレッド」であり、製法改善によりトランス脂肪酸量は0.3〜2g/100g程度に大幅削減されています。ただし「部分水素添加油脂」を使用した製品は今も存在するため、ラベルの確認が不可欠です。
02 NUTRITION栄養成分の比較:脂肪酸の種類と体への影響
カロリーはバター約745kcal・マーガリン約758kcal(100gあたり)でほぼ同等です。1日の使用量は10〜20g程度なので実際のカロリー差は1〜2kcal以下。重要なのはカロリーではなく「どんな脂肪酸が何g入っているか」です。
脂肪酸の種類と比率の比較(100gあたり)
| 成分 | バター | マーガリン(ソフト型) | 体への主な影響 |
|---|---|---|---|
| 飽和脂肪酸 | 約50.5g | 約25.2g | LDLを上げるが酸化しにくく高温調理に強い |
| 一価不飽和脂肪酸 | 約21.0g | 約37.4g | LDLを下げ心血管に有益とされる |
| 多価不飽和脂肪酸 | 約3.0g | 約15.7g | LDLを下げるが酸化しやすく高温加熱に不向き |
| トランス脂肪酸 | 約1.8g(天然由来) | 0.3〜7.0g(製品による大差) | 工業的なものはLDL上昇・HDL低下の二重リスク |
| ビタミンK2 | 約15μg(天然) | ほぼ0 | 骨のカルシウム代謝・動脈石灰化の抑制 |
| ビタミンA | 約520μg(天然) | 0〜1800μg(添加) | バターは天然由来で体内利用効率が高い |
※日本食品標準成分表2020年版をもとに作成。マーガリンは製品により大幅に異なります。
03 TRANS FAT RISKトランス脂肪酸とは何か:リスクの実態と「自分への当てはめ方」
工業的トランス脂肪酸の健康リスク
Mozaffarian et al.(N Engl J Med, 2006)は、工業的トランス脂肪酸がLDLコレステロール(悪玉)を上げながら同時にHDLコレステロール(善玉)を下げる二重の作用があり、飽和脂肪酸より心血管疾患リスクへの影響が大きいことを示しました(PMID:16611951)。WHO(2023)はトランス脂肪酸の摂取を1日のエネルギー摂取量の1%未満(2000kcalの食事で約2.2g未満)に抑えることを推奨しています。
自分の摂取量を把握する:具体的な試算
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無料カウンセリングを予約する →04 HOW TO CHOOSEスーパーで今日から実践できる選び方:商品タイプ別の整理
商品タイプ別の特徴と向き不向き
| 商品タイプ | 特徴 | 向いている用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 有塩バター | 最も一般的。風味豊か | パンに塗る・炒め物の仕上げ | 塩分あり。製菓には無塩を使う |
| 無塩バター | 塩分なし | 製菓・料理全般 | 傷みやすいため早めに使い切る |
| 発酵バター | 乳酸菌発酵で風味が強い | パンに塗る・料理の風味づけ | 価格が高め。少量で満足感あり |
| グラスフェッドバター | 牧草飼育牛の乳由来。K2・CLA高め | パンに塗る・低温調理 | 一般バターの1.5〜3倍の価格 |
| ソフトマーガリン(低トランス型) | 塗りやすい。低トランス化済み | パンに塗る・非加熱用途 | 加熱調理不可。「部分水素添加油脂不使用」を確認 |
| ファットスプレッド | 脂質80%未満・カロリー低め | パンに塗るだけ | 水分多く調理不可。量が増えやすい |
| オリーブオイルスプレッド | オリーブ油配合・一価不飽和脂肪酸多め | パンに塗る・低温調理 | 風味が独特。製品によりトランス脂肪酸確認要 |
マーガリン・スプレッドのラベルで必ず確認する2点
バターのラベルで確認するポイント
・理想:原材料が「生乳(または乳脂肪)のみ」。「乳化剤」「増粘剤」が入るものは加工度が高い
・食塩不使用:製菓・塩分管理が必要な方向け
・有塩:食卓用・パンに塗る用途向き
・グラスフェッド表示:牧草(グラス)100%飼育牛の乳由来でK2・CLAが高め
05 PRACTICAL USEダイエット・体組成改善中の具体的な使い方
1日10〜15gとはどの程度の量か
目的別の推奨
よくある質問
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無料カウンセリングを予約する →まとめ
バターとマーガリンの選択は「どちらが絶対に良い」ではなく、「何をどれくらい使うか」の管理が健康影響を最も左右します。製造工程の違いを理解して選ぶことが、日々の食事の質を上げる第一歩です。
- バターは天然の乳製品で数千年の食用歴史。マーガリンは植物油の加工品で水素添加工程でトランス脂肪酸が生成される
- 工業的トランス脂肪酸はLDL上昇・HDL低下の二重リスク(Mozaffarian et al., N Engl J Med, 2006)。WHOは1日エネルギーの1%未満を目標値に設定(2023)
- バターのトランス脂肪酸は天然由来(バクセン酸・CLA)でリスクが低く、天然ビタミンK2・A・Dが含まれる
- マーガリンを選ぶ場合は「部分水素添加油脂不使用」のソフトタイプに限定し加熱調理には使わない
- 「トランス脂肪酸:0g」表示は100gあたり0.5g未満の意味——完全ゼロではない
- 1日の使用量10〜15g(大さじ1杯)が過剰摂取を防ぐ目安。調理にはオリーブオイルを主体にしてバターは風味づけに限定する方法が管理しやすい
- トランス脂肪酸の主要摂取源は自宅のバター・マーガリンより揚げ物・洋菓子・スナック菓子のほうが大きいケースが多い
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参考文献・科学的根拠
- 1Mozaffarian D, Katan MB, Ascherio A, Stampfer MJ, Willett WC. “Trans fatty acids and cardiovascular disease.” N Engl J Med. 2006;354(15):1601-1613. doi:10.1056/NEJMra054035. ハーバード大学。工業的トランス脂肪酸がLDLコレステロールを上げHDLコレステロールを下げる二重の心血管リスクを持つことを示した包括的レビュー。トランス脂肪酸のリスク評価の根拠として参照。 PMID:16611951
- 2World Health Organization. Saturated fatty acid and trans-fatty acid intake for adults and children: WHO guideline. Geneva: WHO; 2023. ISBN:9789240073630. 飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の1日摂取目標(トランス脂肪酸:総エネルギーの1%未満)の根拠として参照。 WHO公式ページ
- 3厚生労働省.「トランス脂肪酸に関するQ&A」. 厚生労働省; 2016年(参照2026年). 日本人のトランス脂肪酸平均摂取量(総エネルギーの約0.3〜0.6%)・「0g表示」ルールの解説・食品中のトランス脂肪酸含有量の根拠として参照。 厚生労働省(トランス脂肪酸Q&A)
- 4文部科学省.「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」. 文部科学省; 2020年. バター・マーガリン・ファットスプレッドの脂肪酸組成・ビタミン含有量・カロリーの根拠として参照。 文部科学省(食品成分表)
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