最近は、生活習慣病の低年齢化が気になっています。
その原因に、肉類や脂肪、糖質の摂り過ぎの反面、野菜や魚・海藻類の摂取不足という欧米化した食習慣にあります。
食べ物の嗜好は幼児期の食生活が大きく関係します。
生活習慣病の増加や低年齢化もさることながら、近頃増え続けているのがアレルギー性の疾患です。
特に、アトピーは食生活と関係が深いと考えられています。
これは、幼児期だけでなく成人になって起こりうる場合もあり、原因もさまざまですが、根本的な問題は免疫機能が正常に働かなくなったために起こるわけですね。
この免疫機能が正常に働かない現代人に必要なのは何でしょうか?
それは、ズバリ!日本の伝統食なんですね。
目次
長寿国日本を支えてきた四季折々の食材パワー
かつての日本人は、野菜を中心に海藻や穀物、魚など菜食を主とした食生活をしていました。
それぞれの土地でとれる食材を基本に、自然に逆らわず、季節に応じた旬の素材を食べてきたのです。
本来は、季節によって変わる体調に応じて、食事内容も変えることが自然な食べ方であると考えるべきではないのでしょうか。
野菜をたっぷりと食べることが、なかなか難しくなってしまった現代ですが、「食は命の源」であることは今も昔も変わりません。
かつての伝統的な日本の食生活が、長寿国日本に大きく貢献しているのも事実であります。
野菜の栄養素を知るために
野菜というのは、種類により栄養素が違うので、分かりやすいように4つに分けて考えてみましょう
ホウレンソウ草やニンジン、ブロッコリーなど
緑黄色野菜で、緑やオレンジ色など色の濃い野菜です。
これらには、β-カロチンが豊富に含まれていて、これが体内でビタミンAに変化します。
このβ-カロチンは、脂と一緒に摂取すると、吸収率が上がります。
また、緑黄色野菜には、ビタミンC、カルシウムや鉄分も豊富なのも特徴になっています。
この緑黄色野菜を体内に摂取することで、身体のそれぞれの器官の機能がスムーズになります。
大根やキャベツ、セロリなどの淡色野菜
これらの野菜は、毛細血管をを丈夫にするビタミンCや、便秘予防に良い食物繊維を豊富な野菜です。
さつまいも、ジャガイモや長いもなど
デンプン質を含むエネルギー源になる野菜です。
加熱してもなかなか壊れにくいビタミンCが豊富なことも特徴です。
エノキダケ、シイタケなど
ノンカロリー食品として、ダイエット食品として欠かせません。
肥満防止効果もある食物繊維が多く、体内の調子を整えるビタミンB群も含まれています。
以上のような4つの区分の中からバランス良く多くの種類を食べることが大切となります。
しかし、多忙な現代人にとって調理時間をも含めてバランス性を考えるのは、なかなか大変なことです。
そこで、1つのメニューで4つの種類の野菜を使用出来るようなメニューを考えてみましょう。
たくさんの種類の野菜を使う筑前煮などの煮物、寄せ鍋、すき焼き、しゃぶしゃぶなどの鍋物は野菜料理として優等生と言えます。
それに、みそ汁などの汁物は、色とりどりの野菜を刻んで具たくさんにしてしまえば、野菜の種類と量を多くなるばかりでなく、減塩につながって健康的ですね。
栄養素の働きを知って良い食べ方は
野菜はビタミンとミネラルが豊富に含まれていますが、その他の主な栄養素についてみてみましょう。
緑黄色野菜に多いのがカロチンです。
カロチンにはβ-カロチンとγ-カロチンがあります。
脂に溶けるビタミンで水には溶けにくく、熱にも強く酸化もしにくいので、調理の際に損失もなく、食べたらその分体内に摂取するという効率性の高いビタミンであるわけです。
グリーンピースやそら豆に含むビタミンB1は、疲労回復に良く、糖質をエネルギーに変える時に必要なため、体力消耗しやすいスポーツ選手には必要不可欠です。
また、夏バテ予防にきく栄養素です。。
緑黄色野菜や芋類に多いビタミンCは、空気や熱に触れただけで破壊されてしまうビタミンですが、ストレスにも新陳代謝にも
鉄吸収にも良く、欠かせません。
あまり長く水に浸けず、茹でる際にもサッと加熱するなど細心の注意を!
鉄分は、ホウレンソウ草や小松菜に豊富に含まれて、貧血を予防し、新陳代謝を活発にします。
血液中の赤血球は鉄とタンパク質を材料としているため、緑黄色野菜を食べる際にはタンパク質源の卵や肉類と組み合わせるとより効果的です。
カルシウムの場合は、緑黄色野菜や小魚などとの組み合わせて摂ると、他の栄養素も同時に摂れて合理的です。
カルシウムは、アルギニンやリジンと一緒に摂ると吸収が早くなります。
これらは、タンパク質を構成するアミノ酸の一種で、卵や小魚に多く含まれています。
そして、キノコ類や野菜に多く含まれる食物繊維には不溶性と水溶性があります。
不溶性の食物繊維は、胃の中で水を吸ってゲル化して膨らんで腸壁を刺激し、それにより腸のぜん動運動が促進して、便秘予防効果になります。
一方、水溶性の食物繊維は、胃の中で粘度の高いゲル化、そのため食べ物が胃から小腸に達する時間が遅れ、消化吸収が遅れます。
結果的には、血糖値の上昇が緩やかになり糖尿病の予防になるわけです。
野菜の1日量の目安は?
1日に摂りたい野菜の量は400gです。
これを緑黄色野菜100g、淡色野菜200g、芋類100gの割合で食べるのが理想的です。
数字だけではちょっとと言う方に、100gではきゅうり中1本、キャベツなら2枚程度です。
生よりも煮たり茹でたりすると量的にたくさん食べられます。
キノコ類は野菜とは別に摂ることを考えて下さい。
旬の野菜は栄養価が違う?
最近の野菜は、計画栽培から流通的にも向上してほとんどが通年食べられるようになりました。
例えば、トマトは夏が旬です。
8月がビタミンCが高い傾向にあり、畑の中で完熟したものは甘み成分のブドウ糖や果糖が増えて、味的にも濃くなって美味しく、栄養価も高くなります。
冬野菜のホウレンソウ草も、冬場のグリーンが濃く、β-カロチンの含有量も多く、ビタミンCでは夏場の3倍と言われていることから、旬の野菜の方が良い結果になります。
皮に付いた農薬は問題ない?
皮や外葉には農薬が付いていて心配になると言う方がいます。
農薬は、土から根に吸い上げられる浸透性と直接散布する接触性の2種類があります。
浸透性は、栽培の初期に使用されて、一度は葉に溜まりますが、収穫期になると分散されてしまうことから、それほどの問題はないようです
また、接触性のものは、表面につくだけで水で洗えば落ちると言われています。
野菜のアクは抜いた方がいい?
アクは、料理の味がアクにより落ちるのを防ぐのに、また、アクによって材料が変色するのを防ぐために行います。
ホウレンソウ草のシュウ酸のようにカルシウムと結合して(結石)の原因になるため、しっかりアク抜きをおすすめします。
まとめ
野菜は健康的で、昔ながらの日本伝統食としてのメニューも多くあります。
野菜は特に、季節の旬のものがおすすめです。
自然に逆らうことなく育った野菜は、味が濃い、栄養価が高いとも言われています。