QUICK ANSWER
  • 疲労回復に関わる5大栄養素はタンパク質・ビタミンB群・ビタミンC・クエン酸・マグネシウム
  • 「休んでも疲れが取れない」原因の多くは睡眠不足ではなく栄養素不足
  • 摂取するタイミングによって、栄養素の働き方が変わる
  • 食事だけで補いきれない場合は、サプリメントで栄養素を補完する方法もある
1.4〜2.0g/kg
運動習慣がある人の
タンパク質摂取目安/日
300種以上
マグネシウムが関わる
体内酵素反応の数
1,000〜2,000mg
ビタミンCの疲労回復
目的での摂取目安幅/日

体を動かした後や忙しい日が続いた後に、なかなか疲れが抜けないと感じることはありませんか。睡眠時間を確保しているつもりでも、体力の戻りが鈍いと感じる場合、日々の食事から摂れている栄養素に偏りがあるかもしれません。この記事では、→ 疲労回復と栄養素の関係を科学的に整理した内容を踏まえながら、特に摂取しておきたい5つの栄養素と、それぞれの食べ物・飲み物、摂取タイミングについて解説します。

SEC01 5 NUTRIENTS疲労回復に効く5大栄養素

栄養素主な働き代表的な食材
タンパク質筋繊維の修復鶏むね肉・卵・大豆製品・乳製品
ビタミンB群糖質・脂質のエネルギー変換豚肉・うなぎ・玄米・レバー
ビタミンC抗酸化・鉄分吸収サポート柑橘類・キウイ・パプリカ
クエン酸エネルギー産生経路の補助梅干し・レモン・お酢
マグネシウム筋肉の弛緩・神経伝達海藻類・ナッツ類・大豆製品・玄米

タンパク質

筋肉や体組織の材料となるタンパク質は、運動による筋繊維の損傷からの回復に欠かせない栄養素です。運動習慣がある人の場合、体重1kgあたり1.4〜2.0gを目安に摂取すると、疲労からの回復をサポートしやすくなるとされています。鶏むね肉や卵、大豆製品、乳製品など、動物性・植物性の両方からバランスよく摂ることがポイントです。

トレーニング後のタンパク質摂取タイミングについては、→ 運動後の栄養補給に関する記事でも詳しく取り上げていますので、あわせて参考にしてください。日々の食事だけでタンパク質量を確保しづらいと感じる場合は、プロテインサプリメントを取り入れる方法もあります。年代に応じた摂取量の考え方は→ 60代のプロテイン・サプリ活用ガイドでまとめています。

【根拠】上記の通り、運動習慣がある方は体重1kgあたり1.4〜2.0g/日のタンパク質が目安とされていますが、体重60kgの方なら84〜120g/日を毎食の食事だけで安定して確保するのは簡単ではありません。国産原料のプロテインを常備しておくと、食事で不足した分をトレーニング後や朝食時にすぐ補えます。
【デメリット】 あくまで食事の補助であり、まずは食事からの摂取を基本にしてください。摂りすぎるとカロリー過多になることもあるため、目安量を守ることをおすすめします。
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ビタミンB群

ビタミンB1・B2・B6・B12などのビタミンB群は、糖質やタンパク質、脂質をエネルギーに変換する代謝の過程で働く栄養素です。特にビタミンB1は糖質代謝に深く関わっており、不足すると疲労感やだるさにつながりやすいといわれています。豚肉やうなぎ、玄米、レバーなどに多く含まれています。B群は水溶性で体内に蓄積されにくいため、毎日の食事で継続的に摂取することが重要です。

ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用を持ち、運動や日常のストレスによって生じる体内の酸化ストレスを軽減する働きが報告されています。疲労回復を目的とした研究では、1日あたり1,000〜2,000mg程度の摂取が検討されるケースもありますが、通常の食事からはまず果物や野菜を中心に、こまめに摂取することを意識するとよいでしょう。柑橘類やキウイ、赤・黄パプリカなどに豊富です。

クエン酸

梅干しやレモン、お酢などに含まれるクエン酸は、体内でエネルギーを作り出す仕組みの一部に関わる成分です。運動後の疲労感に対する働きが注目されており、クエン酸と相性のよい食材の組み合わせ方については、→ クエン酸×フィットネスガイドで詳しく紹介しています。

【根拠】クエン酸やビタミンCは、植物性食品に多い非ヘム鉄の吸収を高める相性のよい組み合わせとして知られています。逆に言えば、これらを意識して摂っていても土台となる鉄分そのものの摂取が不安定だと、酸素運搬や疲労回復の効率が上がりにくくなります。食事からの鉄分摂取が不安定になりがちな方は、ビタミンCと一緒に摂れるタイプの鉄分サプリメントで補うという選択肢もあります。
【デメリット】 鉄分は摂りすぎると胃腸への負担になることがあります。持病がある方・服薬中の方は医師にご相談の上ご使用ください。
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マグネシウム

マグネシウムは体内の300種以上の酵素反応に関わるミネラルで、エネルギー代謝や筋肉の収縮・弛緩、神経伝達など幅広い場面で働いています。不足すると疲労感やこむら返りなどにつながりやすいとされ、海藻類やナッツ類、大豆製品、玄米などに多く含まれます。

【根拠】マグネシウムは筋肉の弛緩や神経伝達など300種類以上の酵素反応に関わりますが、加工度の低い食品(海藻・ナッツ・大豆製品)を毎日continuousに摂り続けるのは、忙しい日が続くと難しくなりがちです。就寝前など食事だけで摂り切れないタイミングの補助として、サプリメントで補う方法もあります。
【デメリット】 摂りすぎるとお腹が緩くなることがあります。パッケージに記載の目安量を守って使用してください。
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SEC02 TYPE MATCH症状・目的別に選ぶ栄養素

疲労といっても、感じ方や原因は人によって異なります。ここでは症状別に、優先して意識したい栄養素の組み合わせを整理します。

症状優先して補いたい栄養素
体が重だるい・だるさが続くタンパク質+ビタミンB群を中心に、糖質代謝を意識した食事を
運動後に足がつりやすいマグネシウム+カリウムを含む食材(バナナ、海藻類など)を意識
頭がぼんやりして集中力が続かないビタミンB群+良質な睡眠
運動後の筋肉痛が長引くタンパク質+ビタミンC+クエン酸の組み合わせ

集中力に関わる栄養素については→ 食後の眠気と血糖値の関係でも解説しています。

SEC03 TIMING摂取タイミングの基本

栄養素は摂る量だけでなく、タイミングによっても働き方が変わってきます。

タイミング意識したいこと
運動後30分〜1時間以内体がエネルギーや栄養素を取り込みやすい時間帯。タンパク質とビタミンB群を一緒に摂ると回復をサポートしやすい
就寝前消化に負担をかけすぎない範囲でマグネシウムを含む食品を。リラックスした状態で眠りにつきやすくなる
💡 タイミングより大切なこと:ISSN(Jäger et al., 2017)では、運動後の厳密なタイミングよりも1日を通じた総タンパク質摂取量の方が重要であることが示されています。タイミングは「意識できればなお良い」程度に捉え、まずは1日の総量を確保することを優先しましょう。

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SEC04 BEST FOODS疲労回復におすすめの食べ物

疲労回復に効果的な果物

果物は手軽にビタミンCや糖質を補給できる点で、疲労回復の食事に取り入れやすい食品です。

🍉 すいか
水分補給と同時に、体を冷やしすぎない程度に糖質も補給できます。
🍒 さくらんぼ
薬膳の分野でも取り上げられることがあり、手軽に食べられる果物です。
🍎 りんご
食物繊維とともに糖質を補給でき、小腹が空いたときにも適しています。
🫐 ラズベリー
ビタミンCと食物繊維を含み、ヨーグルトなどと組み合わせやすい果物です。

今すぐ疲れを取りたいときは

⚡ 即効性を求める場合:糖質とビタミンCを同時に摂れる果物や、クエン酸を含む飲み物が手軽な選択肢です。梅干し入りのおにぎりや、はちみつレモンドリンクなどは準備の手間が少なく取り入れやすい方法です。ただし即効性のある食べ物はあくまで一時的なエネルギー補給であり、根本的な疲労回復には5大栄養素をバランスよく継続的に摂ることが欠かせません。

夜ご飯の疲労回復レシピ例

献立例補える栄養素
鶏むね肉と玄米、パプリカのマリネタンパク質・ビタミンB群・ビタミンC
豚肉と玉ねぎ、にんにくの炒め物+レモンビタミンB群・クエン酸
大豆製品と海藻類の具だくさん汁物タンパク質・マグネシウム

SEC05 TIPS効果を高める工夫

栄養素は単体で摂るよりも、組み合わせによって働きが高まることがあります。例えば、ビタミンB1は糖質と一緒に、ビタミンCは鉄分の吸収を助ける形で摂ると、それぞれの働きを引き出しやすくなります。また、極端な糖質制限や単品の食事に偏ると、必要な栄養素が不足しやすくなるため、主食・主菜・副菜をそろえることを基本にするとよいでしょう。抗酸化に関わる栄養素と疲労回復の関係については→ 抗酸化物質と疲労回復でも詳しく解説しています。

🍱 忙しい日のコンビニ活用例:サラダチキン+ゆで卵+ミックスナッツ+バナナ=タンパク質・ビタミンB群・マグネシウムが揃います。厳密な献立を目指す必要はなく「今の食事に1品足す」意識で十分です。

SEC06 LIFESTYLE体力が戻らないときに見直したい生活習慣

栄養素の摂取に気を配っていても、なかなか体力が戻らないと感じる場合は、生活習慣全体を見直すことも大切です。

水分摂取と飲み物

水分不足は疲労感を強める要因のひとつです。こまめな水分補給に加えて、カフェインの摂りすぎを避けつつ、麦茶やスポーツドリンクなど電解質を含む飲み物を状況に応じて取り入れることで、疲労感の軽減につながりやすくなります。

軽い運動を取り入れる

疲れているときほど体を動かしたくないと感じるものですが、軽いウォーキングやストレッチなど負荷の少ない運動は血流を促し、かえって疲労回復を後押しすることがあります。慢性的な疲労が続く場合の考え方については→ 慢性疲労の原因と科学的対策で取り上げています。

睡眠と食事のタイミングを整える

就寝直前の食事は消化に負担をかけ、睡眠の質を下げる原因になることがあります。夕食は就寝の2〜3時間前までに済ませ、睡眠時間そのものを確保することも、栄養素の働きを十分に生かすうえで欠かせません。年代別の疲労回復の考え方は→ 60代の疲労回復・リカバリーガイドにまとめています。

🔑 生活習慣3つのチェックポイント:①水分はこまめに・カフェインは夕方以降控えめに②疲れているときこそ10〜15分の軽い散歩を③夕食は就寝2〜3時間前までに。栄養素の働きは、これらの土台があってこそ発揮されます。

よくある質問(FAQ)

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疲労回復に効く食べ物・果物は何ですか?
食べ物では鶏むね肉・豚肉・納豆・アーモンド・海藻類が代表的です。果物ではバナナ(ビタミンB6)、キウイ・柑橘類(ビタミンC)、りんご・すいか・さくらんぼ・ラズベリーも疲労回復の食事に取り入れやすい食品です。1つの食材に頼るのではなく、複数の栄養素をバランスよく摂ることが根本的な疲労回復につながります。
疲労回復に効果的な飲み物はありますか?
水分補給を基本としつつ、クエン酸を含む飲み物や、電解質を含むスポーツドリンクなどが状況に応じた選択肢になります。カフェインを含む飲み物は、摂りすぎると睡眠の質に影響することがあるため、量や時間帯に注意するとよいでしょう。
疲労回復にサプリメントと食事はどちらが効果的ですか?
まず食事から必要な栄養素を摂ることが基本です。食材には複数の栄養素が含まれており、吸収率を高める食べ合わせ効果も得られます。サプリメントは食事で補えない場合の補助手段として活用してください。
運動後の疲労回復に最適な食事タイミングはいつですか?
運動後30分〜1時間以内は、体がエネルギーや栄養素を取り込みやすい時間帯とされ、タンパク質とビタミンB群を一緒に摂ることで回復をサポートしやすくなります。ただしISSN(Jäger et al., 2017)では厳密なタイミングよりも1日を通じた総タンパク質摂取量の方が重要であることが示されています。
疲労回復のために毎日の食事で最低限意識すべきことは?
最低限意識したい3点は、①毎食タンパク質を含める(肉・魚・卵・大豆のいずれか)、②野菜や果物を毎食1品以上追加する(ビタミンB群・ビタミンC・マグネシウムの確保)、③主食・主菜・副菜をそろえることです。極端な糖質制限や単品の食事は栄養素が偏りやすくなります。
栄養素を摂ってもすぐに疲れが取れない場合はどうすればよいですか?
睡眠の質の低下、運動不足、ストレスなど栄養以外の要因も関わっている可能性があります。栄養改善を2〜3週間続けても変化が見られない場合は、生活習慣全体の見直しや医療機関での相談も検討してください。
忙しくて自炊できません。コンビニで買える疲労回復食は?
サラダチキン(タンパク質)、ゆで卵(タンパク質+ビタミンB群)、ミックスナッツ(マグネシウム)、バナナ・キウイ(ビタミンB6・ビタミンC)の組み合わせが手軽で効果的です。
私はTHE FITNESSでトレーナーとして指導にあたっており、日々の指導現場でも、食事内容を見直すことで体調管理がしやすくなったというお声を多くいただいています。この記事は調布市のパーソナルジムTHE FITNESSのYukkey(NESTA-PFT/SFT・NABBA GPF 2025優勝)が執筆しています。ロサンゼルス15年+日本3年・計18年指導経験 ・ NABBA 2025 GPF優勝 ・ LA Championship 2位

食事だけでなく、運動習慣全体から体力づくりを見直したい方は→ 調布のパーソナルジムTHE FITNESSの詳細もあわせてご覧ください。

まとめ疲労回復は5大栄養素のバランスから

疲労回復には、タンパク質・ビタミンB群・ビタミンC・クエン酸・マグネシウムという5つの栄養素をバランスよく摂ることが土台になります。それぞれの栄養素が持つ働きを理解し、摂取するタイミングや組み合わせを工夫することで、日々の体力の戻りやすさに違いが出てくるはずです。まずは今日の食事から、意識して取り入れられる栄養素をひとつずつ増やしてみてください。

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参考文献

  1. 1Jäger R, Kerksick CM, Campbell BI, et al. “International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise.” J Int Soc Sports Nutr. 2017 Jun 20;14:20. 運動を行う人のタンパク質摂取量・タイミングに関するISSNの公式見解。本記事のタンパク質摂取目安・タイミングの根拠として参照。 PMID:28642676
  2. 2Kennedy DO. “B Vitamins and the Brain: Mechanisms, Dose and Efficacy.” Nutrients. 2016 Jan 27;8(2):68. ビタミンB群がエネルギー産生・神経伝達物質合成に関与することを整理したレビュー。本記事のビタミンB群の解説の根拠として参照。 PMID:26828517
  3. 3Calder PC. “Omega-3 fatty acids and inflammatory processes: from molecules to man.” Biochem Soc Trans. 2017 Oct 15;45(5):1105-1115. 栄養素と炎症・回復プロセスの関係を整理した文献。本記事の疲労回復メカニズムの背景として参照。 PMID:28900017