肝臓・腎臓・心臓は、痛みなどの自覚症状が出にくい臓器です。日々の食事が少しずつ負担をかけていても、健康診断の数値や検査で指摘されるまで気づきにくいという特徴があります。この記事では、日常の食習慣が3つの臓器にどう影響するかを整理し、無理なく続けられる対策を紹介します。

QUICK ANSWER
  • 塩分:「量」より「積み重ね」が内臓への負担を決める。特定の食品を完全に断つ必要はなく、頻度の調整が現実的
  • 塩分の摂りすぎ:腎臓・心臓の両方に影響。最新の全国データ(平均9.6g)でも、健康日本21(第三次)の目標値7gを上回ったまま
  • アルコール:肝臓への負担が最も分かりやすい要因。適量の目安を知ることでコントロールしやすくなる
  • 加工食品:「ゼロにする」より「選び方を変える」ほうが長続きする
塩分摂取量(令和6年・成人平均)節度ある飲酒の目安(純アルコール)清涼飲料水500mlの糖分目安
平均9.6g(男性10.5g/女性8.9g)・目標値7gを超過1日20g程度(ビール中瓶1本相当)角砂糖14〜17個相当

SEC01 LIVER肝臓への負担(概要)

肝臓はアルコールや脂質の代謝を担う臓器で、食習慣の影響を最も受けやすい臓器のひとつです。特に非アルコール性脂肪肝は、飲酒習慣がない方でも糖質・脂質の摂りすぎで進行することがあり、近年増加が指摘されています。

非アルコール性脂肪肝とは
お酒を飲まない方でも、糖質・脂質の摂りすぎが続くと肝臓に脂肪が蓄積することがあります。体重管理と運動習慣が肝臓の健康にも直結します。

肝臓については、原因別・対策別により詳しい記事を用意していますので、気になる項目がある方はあわせてご覧ください。

SEC02 KIDNEY腎臓への負担と、運動指導の現場でお伝えしていること

腎臓は塩分・水分・老廃物の排出を担う臓器です。持病がある方の食事管理は医療機関の指導が前提になりますが、健常な方が日常でできる工夫として、指導現場でよくお伝えしているのは次の3点です。

POINT 1

塩分と水分のバランス

塩分を摂りすぎた状態で水分補給が不足すると、腎臓が濃縮された尿を作る負担が増えます。特に運動時は発汗で水分が失われるため、塩分量が変わらなくても相対的に濃度が上がりやすい点に注意が必要です。

POINT 2

タンパク質摂取と腎臓の関係

筋トレをしている方の中には、プロテインの摂りすぎが腎臓に悪いという情報を耳にして不安になる方がいます。健康な腎機能を持つ方であれば、一般的な範囲のタンパク質摂取が腎臓に悪影響を及ぼすという明確な根拠は確立されていません。ただし、もともと腎機能の低下を指摘されている方は、自己判断せず主治医に相談したうえで摂取量を決めることが前提になります。

POINT 3

運動強度と塩分排出

高強度の運動を続けると発汗による塩分喪失が増えるため、運動習慣がある方ほど塩分の摂り方と水分補給のバランスを意識する価値があります。

運動と血圧の関係については、高血圧と筋トレの関係を解説した記事もあわせてご覧ください。

体調に不安がある方や、健康診断で腎機能の数値を指摘されている方は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
【根拠】運動時の発汗により、体内のナトリウム・カリウムをはじめとしたミネラルバランスが崩れやすくなります。特に減塩を意識している方や運動習慣がある方は、発汗で失われるミネラルを食品から補うことが、日々のコンディション管理の観点でも有効です。本商品はカリウムをはじめ、ビタミンB群も配合された栄養機能食品で、水分・ミネラル補給を手軽にサポートします。
【デメリット】 本商品は医薬品ではなく栄養機能食品です。効果には個人差があります。腎機能に不安がある方・降圧剤やカリウム保持性利尿薬等を服用中の方は、カリウム摂取量について事前に医師にご相談ください。
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SEC03 HEART心臓への負担と付き合い方

心臓への負担は、主に血管に蓄積するコレステロールと血圧の2つの経路で語られることが多いです。

要因心臓・血管への影響対策
LDLコレステロール高い状態が続くと血管に負担が蓄積食事に加え運動習慣も改善に寄与
血圧高い状態が続くと心臓への負担が増加減塩と有酸素運動・筋トレの併用
トランス脂肪酸過剰摂取で心臓への負担が指摘される日本人の平均摂取量は国際基準内

コレステロールとの付き合い方

LDLコレステロールが高い状態が続くと血管に負担がかかりますが、食事だけでなく運動習慣も改善に関わることが分かっています。詳しい対策はLDLコレステロールと運動の関係を解説した記事で紹介しています。

血圧との付き合い方

塩分の摂りすぎは血圧上昇の一因になり、血圧の高い状態が続くと心臓への負担も増えます。運動による血圧管理については、先述の高血圧と筋トレの関係を解説した記事もご参照ください。

加工食品由来の脂質について

一部の加工食品に含まれるトランス脂肪酸は心臓への負担が指摘されることがありますが、日本人の平均的な摂取量は国際的な目安を下回っており、通常の食生活を送っている方であれば過度に心配する必要はないとされています。特定の食品を完全に避けるより、揚げ物や菓子パン類の頻度を意識する程度で十分です。
【根拠】血圧やコレステロールなどの数値管理には、体重・体脂肪率など体の変化を継続的に把握することが有効です。日々のデータを可視化することで、食習慣の改善効果を実感しやすくなり、モチベーション維持にもつながります。
【デメリット】 家庭用の測定機器はあくまで目安を測定するものであり、医療機器ではありません。数値の変動には日内変動や食事・水分摂取の影響もあるため、一喜一憂せず長期的な傾向で捉えることをおすすめします。
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SEC04 DAILY HABITS塩分・アルコール・加工食品との日常的な付き合い方

項目現状の目安意識したいポイント
塩分平均9.6g/男性10.5g・女性8.9g(令和6年)健康日本21(第三次)の目標値は7g未満
アルコール純アルコール1日20g程度ビール中瓶1本相当・休肝日の確保
加工食品・清涼飲料水500mlに角砂糖14〜17個相当頻度と選び方の見直しが現実的

塩分

最新の全国調査(令和6年)では、成人の塩分摂取量は平均9.6g(男性10.5g・女性8.9g)と、健康日本21(第三次)の目標値7g未満を上回っています。この12年間で見ると最も低い値ではあるものの、依然として目標には届いていません。減塩を意識するだけでなく、外食・加工食品由来の「見えない塩分」を把握することが対策の第一歩になります。

アルコール

厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」の目安は、純アルコール換算で1日20g程度(ビール中瓶1本相当)です。この目安を大きく超える飲酒が習慣化すると、肝臓への負担が蓄積しやすくなります。

加工食品・清涼飲料水

清涼飲料水500mlあたりの糖分は、角砂糖にして14〜17個相当になる商品も珍しくありません。加工食品全般との付き合い方については、加工食品の選び方を詳しく解説した記事食習慣の整え方を紹介した記事糖質と甘味料の違いを解説した記事もあわせてご覧ください。

SEC05 IMPROVE内臓への負担を減らすための改善アプローチ

内臓への負担は、特定の食品を完全に断つことよりも、日々の選択の積み重ねを見直すことで改善が期待できます。

改善アプローチ4つのポイント
  • 塩分は「調味料を減らす」だけでなく、加工食品・外食の頻度を見直す
  • アルコールは休肝日を設け、習慣的な摂取量を目安の範囲に収める
  • 加工食品は「置き換え」を意識し、頻度と量の両方を調整する
  • 運動習慣を取り入れることで、代謝面から複数の臓器への負担軽減が期待できる

年代を問わず(30〜60代を中心に)、内臓機能は加齢とともに徐々に低下していきます。年齢的な変化を踏まえた代謝の見直しについては、中年期の代謝変化を解説した記事中年期のトレーニングの考え方を紹介した記事も参考にしてください。

SEC06 EXERCISE運動を組み合わせた内臓ケア

食事の改善だけでなく、運動習慣を組み合わせることで、肝臓・腎臓・心臓それぞれへの負担軽減効果がより高まることが指導現場でも実感されています。特に有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせは、脂質代謝の改善や血圧の安定に寄与しやすい傾向があります。

AEROBIC | 有酸素運動
🏃 脂質代謝・血圧の安定に
週150分程度の中強度有酸素運動は中性脂肪の代謝を促し、血圧の安定にも寄与します。食後の軽いウォーキングなど、日常に組み込みやすい形から始めることが継続のコツです。
RESISTANCE | 筋力トレーニング
💪 代謝を底上げし内臓の負担を軽減
週2〜3回の筋力トレーニングは筋肉量を増やして基礎代謝を底上げし、内臓脂肪の蓄積を抑制する方向に働きます。運動強度や頻度の目安は、これまで紹介した各記事もあわせてご参照ください。

よくある質問(FAQ)

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お酒を飲まなければ肝臓は安全ですか?
飲酒習慣がなくても、糖質や脂質の摂りすぎによる非アルコール性脂肪肝は起こり得ます。体重管理や運動習慣も肝臓の健康に関わります。
プロテインを多く摂ると腎臓に悪いですか?
健康な腎機能を持つ方であれば、一般的な摂取量の範囲でプロテインが腎臓に悪影響を及ぼすという明確な根拠は確立されていません。ただし腎機能の低下を指摘されている方は、主治医に相談のうえで摂取量を判断してください。
加工食品は完全にやめたほうがいいですか?
完全に避ける必要はありません。頻度と量を意識し、選び方を見直すことが現実的な対策です。
塩分を減らすと血圧はすぐ下がりますか?
個人差がありますが、減塩の効果は数週間〜数ヶ月かけて緩やかに現れることが多いです。即効性を求めるより、継続を優先することをおすすめします。
肝臓・腎臓・心臓の負担は健康診断のどの数値でわかりますか?
肝臓はAST・ALT・γ-GTP、腎臓はクレアチニン・eGFR、心臓はLDLコレステロールや血圧が目安になります。数値の変化を毎年の健康診断で追うことが早期発見につながります。
内臓に負担がかかっているサインはありますか?
初期段階では自覚症状がほとんどないのが特徴です。だるさやむくみを感じる頃には進行しているケースもあるため、自覚症状の有無にかかわらず定期的な検査が重要です。
食事と運動、どちらを先に見直すべきですか?
どちらか一方ではなく、並行して見直すのが効果的です。特に塩分・アルコールの摂取量調整と、有酸素運動の習慣化を同時に始めると、内臓への負担軽減効果を実感しやすくなります。
この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。パーソナルトレーナーとして18年間、のべ多くの会員様の食事・トレーニング指導に携わってきました。指導現場では、健康診断の数値改善を目的とした食習慣の相談を数多く受けており、本記事の内容もそうした実際のご相談内容をもとに構成しています。ロサンゼルス15年+日本3年・計18年指導経験 ・ NABBA 2025 GPF優勝 ・ LA Championship 2位

まとめ特定の食品を断つより、付き合い方を少しずつ見直す

肝臓・腎臓・心臓への負担は、特定の食品を一つ減らせば解決するものではなく、塩分・アルコール・加工食品との付き合い方全体を少しずつ見直すことで軽減が期待できます。まずは今日の食事から、塩分の摂り方かアルコールの頻度、どちらか一つだけでも意識してみることから始めてみてください。数値としての変化を実感したい方は、体重や血圧などのデータを記録しながら取り組むと、改善の手応えを掴みやすくなります。

完璧を目指す必要はありません。「今日から一つだけ変える」という小さな選択の積み重ねが、数ヶ月後の健診結果につながります。

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参考文献

  1. 1厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査結果の概要」(2025年12月2日公表)。成人の塩分摂取量(平均9.6g・男性10.5g/女性8.9g)および健康日本21(第三次)目標値との比較データの根拠として参照。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66279.html
  2. 2厚生労働省「節度ある適度な飲酒について」。純アルコール換算1日20g程度という飲酒の目安の根拠として参照。 https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html
  3. 3内閣府食品安全委員会「食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価について」。日本人の平均的なトランス脂肪酸摂取量がWHO目標基準を下回っているという見解の根拠として参照。 https://www.fsc.go.jp/osirase/trans_fat.html