目次
🏃♂️ マラソンに強い遺伝子が判明!
ACE遺伝子I型の驚異的な持久力の秘密
なぜ一部の人はマラソンが得意なのか?科学的根拠で解明された持久力の遺伝子の秘密を初心者にもわかりやすく解説
「マラソンが得意な人と苦手な人がいるのはなぜだろう?」そんな疑問を抱いたことはありませんか?実は、持久力にはACE遺伝子という遺伝子が深く関わっていることが、最新の科学研究で明らかになっています。
ACE遺伝子には「I型(挿入型)」と「D型(欠失型)」の2つのタイプがあり、特にI型を持つ人はマラソンなどの持久系運動で優れたパフォーマンスを発揮することが分かっています。
この記事では、ACE遺伝子が持久力に与える影響、I型とD型の違い、そしてあなたの遺伝子型に合った最適なトレーニング法を、初心者にもわかりやすく科学的根拠に基づいて解説します。
この記事のポイント
- ACE遺伝子のI型は血管拡張能力が高く、持久力に優れている
- D型は瞬発力に優れ、短距離走や筋力トレーニングに適している
- 日本人の約50%はバランス型のID型で、様々な運動に適応できる
- 遺伝子型に合わせたトレーニングで効果が最大化される
- 遺伝子は「向き不向き」を示すだけで、努力で能力は向上する
目次
ACE遺伝子とは?持久力との関係を初心者向けに解説
ACE遺伝子(アンジオテンシン変換酵素遺伝子)は、私たちの体の中で血圧調節や血管の拡張・収縮に関わる重要な酵素を作り出す遺伝子です。
ACE遺伝子の役割
ACE(アンジオテンシン変換酵素)は、血管を収縮させるアンジオテンシンⅡという物質を生成します。この酵素の活性が高いか低いかによって、血管の拡張能力や血流の状態が大きく変わります。
そして、この酵素の活性を決めるのが遺伝子の型なのです。
なぜ持久力に影響するの?
持久系の運動(マラソン、長距離走、サイクリングなど)では、筋肉に長時間にわたって酸素と栄養を供給し続ける能力が非常に重要です。
血管が拡張しやすい人は、筋肉への血流が増え、酸素や栄養素が効率よく届けられるため、疲労しにくく、長時間のパフォーマンスを維持できます。これがまさにI型遺伝子の持つ特性なのです。
I型とD型の決定的な違い:なぜマラソン選手にI型が多いのか
ACE遺伝子には、遺伝子配列の一部に「287塩基対の挿入(Insertion)」があるかないかで、2つのタイプに分かれます。
| 遺伝子型 | 特徴 | 得意な運動 | 血管の特性 |
|---|---|---|---|
| I/I型 | ACE酵素の活性が低い 血管拡張能力が高い |
マラソン、長距離走、トライアスロン、サイクリング | 血管が拡張しやすく、筋肉への酸素・栄養供給が優れている |
| I/D型 | 中間型 バランスが取れている |
サッカー、バスケットボール、テニス、総合格闘技 | 持久力と瞬発力の両方に対応できる万能型 |
| D/D型 | ACE酵素の活性が高い 血管収縮能力が高い |
短距離走、ウエイトリフティング、ボディビル、パワー系競技 | 瞬間的な血流増加に優れ、筋力発揮に有利 |
科学的発見:なぜI型がマラソンに強いのか
イギリスの研究者Montgomery博士らの研究(1998年)では、8,000メートル級の高地登山に成功した登山家の遺伝子を調査した結果、以下のことが判明しました:
- I/I型の登山家は、無酸素での高地登山に成功する確率が圧倒的に高い
- D/D型は高地での持久的パフォーマンスが低下しやすい
- I型は低酸素環境でも効率的に酸素を利用できる
この研究は、ACE遺伝子が持久力パフォーマンスに直接影響することを示した画期的な発見でした。
なぜI型は持久力に優れているのか?
I型の持久力メカニズム
- 血管拡張能力が高い:ACE酵素活性が低いため、血管収縮物質(アンジオテンシンⅡ)の生成が少なく、血管が拡張しやすい
- 筋肉への酸素供給が効率的:拡張した血管により、運動中も筋肉に十分な酸素が届く
- 疲労物質の除去が速い:血流が良いため、乳酸などの疲労物質が効率的に排出される
- 心肺機能の適応力が高い:持久系トレーニングによる心肺機能の向上が顕著
科学的エビデンス:Montgomery研究が明らかにした事実
ACE遺伝子と持久力の関係は、多数の科学研究によって裏付けられています。特に重要なのが、1998年にイギリスのMontgomery博士らが発表した研究です。
Montgomery研究(1998年)の主要な発見
研究対象:8,000メートル級の高地登山家64名
研究結果:
- 無酸素で登頂に成功した登山家にはD/D型が一人もいなかった
- I/I型とI/D型の登山家が圧倒的多数を占めた
- I型アレルの保有者は、低酸素環境での運動能力が有意に高い
この研究は、ACE遺伝子が極限状態での持久力パフォーマンスを決定づける重要な要因であることを世界で初めて実証しました。
その他の重要な研究成果
陸上長距離選手の遺伝子研究
日本の研究(日本体育大学リポジトリ、2019年)では、以下のことが明らかになりました:
- 国際級の長距離選手では、I型アレルの保有率が一般人より有意に高い
- I/I型の選手は、持久系トレーニングによるVO2max(最大酸素摂取量)の向上率が高い
- D/D型の選手でも、適切なトレーニングにより高いパフォーマンスを発揮できる
ボート選手・自転車競技選手の研究
欧州のスポーツ科学研究によると:
- オリンピックレベルのボート選手では、I/I型が一般人の約2.5倍
- ツール・ド・フランスなどの自転車競技でも、トップ選手にI型が多い
- 持久系スポーツのエリート選手では、I型の保有率が統計的に有意に高い
日本人のACE遺伝子型分布:あなたはどのタイプ?
日本人のACE遺伝子型の分布は、欧米人とは若干異なることが研究で明らかになっています。
約5人に1人
約2人に1人
約4人に1人
日本人の特徴
日本人の約半数がI/D型(バランス型)であることは、非常に興味深い特徴です。これは、日本人が様々なスポーツに適応できる遺伝的素質を持っていることを示しています。
また、I/I型の割合が欧米人より若干少ないものの、適切なトレーニングによって持久力を十分に向上させることが可能です。
遺伝子検査で自分の型を知る方法
現在では、遺伝子検査キットを使用することで、自宅で簡単に自分のACE遺伝子型を調べることができます。検査方法は以下の通りです:
- 遺伝子検査キットを購入(オンラインまたは薬局で入手可能)
- 唾液または口腔粘膜を採取
- 検体を郵送
- 約2-4週間で結果が届く
THE FITNESSでは、遺伝子検査結果に基づいた科学的なトレーニングプログラムを提供しています。
遺伝子型別の最適トレーニング法
自分の遺伝子型を知ることで、最も効果的なトレーニング方法を選択できます。ここでは、各遺伝子型に最適なトレーニングプログラムを紹介します。
I/I型(持久力型)のトレーニング法
得意分野:マラソン、長距離走、トライアスロン、サイクリング、水泳
推奨トレーニングメニュー
- 有酸素運動中心:週4-5回、60分以上の中強度有酸素運動
- LSD(Long Slow Distance):ゆっくりしたペースで長距離を走る
- インターバルトレーニング:高強度と低強度を繰り返し、心肺機能を強化
- テンポ走:やや速いペースで20-40分走り、乳酸性作業閾値を向上
- 筋力トレーニング:週1-2回、低負荷・高回数(15-20回×3セット)
栄養戦略
- 炭水化物を十分に摂取(総カロリーの55-65%)
- オメガ3脂肪酸(魚、亜麻仁油)で炎症を抑制
- 鉄分・ビタミンB群で酸素運搬能力を向上
D/D型(パワー型)のトレーニング法
得意分野:短距離走、ウエイトリフティング、ボディビル、格闘技、パワー系競技
推奨トレーニングメニュー
- 高負荷筋力トレーニング:週3-4回、高重量・低回数(3-8回×4-5セット)
- スプリント・ダッシュ:短距離全力疾走を繰り返す
- プライオメトリクス:ジャンプトレーニングで瞬発力強化
- HIIT(高強度インターバル):短時間の高強度運動で代謝向上
- 持久力トレーニング:週1-2回、30-45分の有酸素運動で心肺機能を補強
栄養戦略
- 高タンパク質食(体重1kgあたり1.6-2.2g)
- クレアチン・BCAA(分岐鎖アミノ酸)サプリメント
- 亜鉛・マグネシウムで筋合成をサポート
I/D型(バランス型)のトレーニング法
得意分野:サッカー、バスケットボール、テニス、総合格闘技、トライアスロン
推奨トレーニングメニュー
- バランス重視:持久力と筋力を均等に鍛える
- 中強度トレーニング:週3-4回、中負荷・中回数(8-12回×3-4セット)
- サーキットトレーニング:有酸素と筋トレを組み合わせる
- スピード持久力:400m-800mの中距離走で両方の能力を向上
- 競技特化トレーニング:目標とするスポーツの動きを反復
栄養戦略
- 炭水化物・タンパク質・脂質をバランスよく摂取
- マグネシウム・カルシウムで筋収縮をサポート
- 抗酸化物質(ビタミンC・E)で回復力を高める
持久力を最大化するミトコンドリアと筋グリコーゲンの関係
ACE遺伝子による持久力の差は、細胞レベルのミトコンドリアや筋グリコーゲンの働きとも深く関連しています。
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持久力をさらに向上させるために、以下の記事も合わせてお読みください:
ミトコンドリアとACE遺伝子
I型遺伝子の持つ血管拡張能力は、筋肉細胞内のミトコンドリアに豊富な酸素を供給します。ミトコンドリアは酸素を使ってATP(エネルギー)を効率的に産生するため、I型保有者は長時間のエネルギー供給に優れているのです。
筋グリコーゲンと持久力
マラソンなどの長時間運動では、筋肉に蓄えられたグリコーゲン(糖の貯蔵形態)が主要なエネルギー源となります。I型遺伝子により血流が良好な状態では、グリコーゲンの補給と利用が効率化され、持久力パフォーマンスが向上します。
よくある質問(FAQ)
参考文献
- ヒロクリニック「遺伝子検査でわかる運動適性と最適なトレーニング法」
https://www.hiro-clinic.or.jp/gene/genetic-fitness-training-optimization/ - 日本武道学会「男子大学柔道トップアスリートにおけるミドルパワーとACTN3及びACE遺伝子多型との関連」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/budo/49/1/49_29/_pdf - 日本臨床スポーツ医学会「スポーツと遺伝」
https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/28-2/250-251.pdf - 厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト「身体能力と遺伝(遺伝子多型)」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-03-003 - 日本体育大学リポジトリ「博士論文:運動能力を規定する遺伝子多型の研究」
https://nittaidai.repo.nii.ac.jp/record/1879/files/ETD-A0107.pdf
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