QUICK ANSWER
  • 代謝の変化:40代以降、基礎代謝は年0.5〜1%低下し筋肉量も減少するため、中年太り・内臓脂肪の蓄積が起こりやすくなります
  • ホルモンの影響:男性はテストステロン低下、女性は更年期のエストロゲン低下が内臓脂肪の蓄積に直結します
  • 運動の効果:有酸素運動と筋トレの組み合わせが内臓脂肪減少に最も効果的です(単独実施より効果大)
  • 食事の基本:タンパク質体重×1.6g/日+低GI食材+食物繊維25g/日が食事対策の基本です
内臓脂肪−36%
有酸素運動+筋トレ併用時
(単独実施との比較)
1.6g/kg
1日に目安となる
タンパク質摂取量
週150分
推奨される
中強度有酸素運動の時間

「若い頃と同じ生活をしているのに、お腹まわりだけ変わってきた」「以前ダイエットや筋トレに挑戦したけれど、途中で続かなくなってしまった」——THE FITNESSでもよく聞くお悩みです。これらは意志の弱さではなく、加齢に伴う代謝・ホルモン・筋肉量の変化という生理的な現象が背景にあります。この記事では中年太り・内臓脂肪増加の原因を深く掘り下げ、30〜60代の体に合った現実的な対策を解説します。

01 WHY中年太りで内臓脂肪が増えやすくなる理由

20〜30代と同じ生活を続けているのに体型が変わっていく——この現象には明確な生理学的メカニズムがあります。基礎代謝の低下・ホルモンバランスの変化・生活習慣の固定化という3つの要因が重なることで、40代以降は内臓脂肪が蓄積しやすい体の状態へと変化していきます。内臓脂肪は皮下脂肪と異なり、代謝異常・心疾患・糖尿病との関連が強く、30〜60代の健康管理において特に重要なテーマです。

🔬 内臓脂肪と中高年のリスク

内臓脂肪(腹腔内脂肪)は単なるエネルギー貯蔵組織ではなく、アディポネクチン(脂肪細胞から分泌され、インスリン感受性を高める善玉ホルモン)の分泌を低下させる一方で、TNF-α・IL-6といった炎症性サイトカインの分泌を増加させる「内分泌器官」として機能します。アディポネクチンの低下はインスリン抵抗性を悪化させ、炎症性サイトカインの増加は血管内皮の機能低下を通じて動脈硬化のリスクを高めます。この二重の作用により、中高年における内臓脂肪の蓄積は心疾患・2型糖尿病・メタボリックシンドロームのリスクを独立して高めることが多くの研究で確認されています。日本のメタボリックシンドローム診断基準でウエスト周囲径(男性85cm以上・女性90cm以上)が採用されているのも、この内臓脂肪と疾患リスクの強い関連性が背景にあります。

02 CAUSES内臓脂肪が増える3つの主な原因

中高年の内臓脂肪が増える背景には、①基礎代謝・筋肉量の低下、②ホルモンバランスの変化、③生活習慣の固定化という3つの要因が重なっています。①と③の代謝メカニズムについては40代・中高年の代謝が落ちる仕組みで詳しく解説していますので、ここでは②のホルモン変化が内臓脂肪の蓄積にどう直結するかを中心に解説します。

1
CAUSE 01 | 代謝・筋肉量(概要)
基礎代謝・筋肉量の低下

人間の基礎代謝は30代以降、年間約0.5〜1%の割合で低下し、加齢に伴うサルコペニア(筋肉量の減少)がこれを加速させます。筋肉は安静時にも多くのエネルギーを消費するため、筋肉量が減ると同じ食事量でも太りやすい体になります。詳しい仕組みと対策は上記リンク先をご覧ください。

2
CAUSE 02 | ホルモン変化
ホルモンバランスの変化(テストステロン・エストロゲン低下)

男性:テストステロンの加齢性低下。Allan et al.(2008)の55歳以上の非肥満・低テストステロン男性60名を対象にした52週間のRCTでは、テストステロン補充療法群がプラセボ群と比較して内臓脂肪蓄積を有意に抑制し(P=0.001)、骨格筋量の減少も防いだことが確認されています(PMID:17940111)。テストステロン変化量と内臓脂肪変化量には有意な相関(r²=0.36)が見られ、テストステロンは筋肉量の維持・内臓脂肪の分解促進・インスリン感受性の調整に関与するため、その低下は内臓脂肪蓄積を直接促進します。

女性:更年期のエストロゲン低下。Lovejoy et al.(2008)の156名の閉経前女性を4年間追跡した縦断研究では、更年期(閉経)そのものが加齢とは独立して全体の体脂肪量と内臓脂肪の増加に関連することが確認されました(PMID:18332882)。エストロゲンは脂肪を臀部・太もも(皮下脂肪として)に蓄積させる作用がありますが、その低下により脂肪の蓄積部位がお腹まわり(内臓脂肪)にシフトします。

3
CAUSE 03 | 生活習慣(概要)
生活習慣の固定化・活動量の低下

30〜60代になると仕事・家庭の責任が増え、意図せず運動習慣が失われるケースが多くなります。「NEAT(非運動性熱産生)」の低下や睡眠の質の低下も内臓脂肪蓄積の隠れた要因です。生活習慣面の詳しい対策は後述の07 LIFESTYLEでも解説しています。

【根拠】体重の増減だけでは「内臓脂肪が本当に減っているか」を客観的に確認できません。体組成計で内臓脂肪レベル・ウエスト周囲径を定期的に記録することで、上記の原因への対策が正しく効いているかを見える化できます。
【デメリット】 家庭用体組成計は測定条件(時間帯・食事・水分量)によって数値が変動しやすく、医療機関の測定ほどの精度はありません。同じ時間帯・条件で継続的に測定し、単発の数値より推移で判断することをおすすめします。
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03 SIGNS内臓脂肪が増えているサインとセルフチェック方法

内臓脂肪は皮下脂肪と違って外見だけでは気づきにくく、気づいた時にはかなり蓄積しているケースも珍しくありません。以下のサインに複数当てはまる場合は、内臓脂肪が増えている可能性を疑いましょう。

ベルトの穴の位置が以前より1〜2個内側に変わった
体重はさほど変わっていないのに、ズボンのウエストがきつくなった
立ち上がる・靴下を履くなど、お腹まわりの動作がしづらくなった
健康診断で血糖値・中性脂肪・血圧のいずれかが基準値を上回った

簡易的にはウエスト周囲径(へそ周り)で評価でき、日本のメタボリックシンドロームの診断基準では男性85cm以上・女性90cm以上でリスクありとされています。ただしウエスト周囲径が基準以下でも内臓脂肪が多い「隠れ肥満」のケースもあるため、体重の変化が少なくても上記のサインが当てはまる場合は注意が必要です。

04 VISCERAL VS SUBCUTANEOUS内臓脂肪と皮下脂肪の違い、皮下脂肪を落とす具体的な方法

VISCERAL FAT | 内臓脂肪(要注意)
🔴 内臓脂肪の特徴とリスク
  • 腹腔内・内臓の周囲に蓄積
  • 代謝が活発で脂肪酸・炎症性物質を放出
  • インスリン抵抗性・2型糖尿病リスク上昇
  • 心疾患・脳卒中との直接的な関連
  • 食事・運動で比較的落としやすい(代謝が活発なため)
SUBCUTANEOUS FAT | 皮下脂肪
🔵 皮下脂肪の特徴
  • 皮膚の直下(お腹・太もも・臀部)に蓄積
  • 代謝は内臓脂肪より不活発
  • エストロゲン低下まで臀部・太ももに集まりやすい
  • 見た目に影響するが代謝への影響は限定的
  • 内臓脂肪と比べて落としにくい傾向

内臓脂肪は代謝が活発なため、適切な食事管理と運動を継続すると2〜4週間程度でウエスト周囲径の変化を感じやすい一方、皮下脂肪は代謝が不活発なため同じ努力でも変化を感じるまでに6〜12週間以上かかることが一般的です。皮下脂肪はピンポイントで落とす(部分痩せする)ことができないため、内臓脂肪と同様に有酸素運動・筋トレ・食事管理を継続し、体全体の体脂肪を長期的に減らしていくアプローチが必要です。筋トレで筋肉量を守りながら緩やかなカロリー収支のマイナスを維持することが、皮下脂肪を落とす上で最も現実的な方法です。「内臓脂肪だけ先に変化を感じ、皮下脂肪はゆっくりついてくる」という順序を理解しておくと、途中で挫折しにくくなります。

05 EXERCISE内臓脂肪を落とす運動の進め方

内臓脂肪減少に最も効果的な運動は「有酸素運動+筋トレの組み合わせ」です。Waters et al.(2022)の160名の肥満高齢者を対象にしたRCTでは、有酸素+筋トレの組み合わせ群が内臓脂肪−36%と、有酸素単独(−19%)・筋トレ単独(−21%)を大きく上回ることが示されています(PMID:33839788)。

内臓脂肪を減らす運動種類の科学的な比較はこちら

有酸素運動:30〜60代が安全に実践できる強度と時間の目安

強度目安 心拍数の目安(最大心拍数比) 感覚的な目安 推奨時間 内臓脂肪効果
低強度 最大心拍数の50〜60% 会話が楽にできる 30〜60分 脂肪酸利用率が高い・安全性高
中強度(推奨) 最大心拍数の60〜70% 会話がやや難しい程度 20〜40分 脂肪燃焼と心肺機能向上のバランス点
やや高強度 最大心拍数の70〜80% 話しづらい・息が上がる 15〜25分 EPOC効果高・関節への負担も増

30〜60代向けには最大心拍数の60〜70%の中強度での有酸素運動を週150分以上(1回20〜40分×週3〜5回)が基本的な目安です。最大心拍数の簡易計算式は「220−年齢」。ウォーキング・速歩き・水泳・自転車などが関節への負担が少なく継続しやすい選択肢です。

筋トレ:筋肉量を維持・増やすことが内臓脂肪減少につながる理由

筋肉量が1kg増えると基礎代謝は約13〜20kcal/日上昇するとされています。30〜60代での筋トレの基本原則は「漸進的な負荷増加」と「十分なタンパク質補給の組み合わせ」です。初心者は自体重トレーニング(スクワット・プッシュアップ・ヒップリフト)から始め、4〜6週ごとに負荷を増加させていきます。週2〜3回・全身または上下半身分割で、セット間休憩は60〜90秒が基本設定です。

HIIT:中高年への適用と注意点・変法の紹介

HIITは短時間で高い内臓脂肪燃焼効果が期待できますが、中高年には関節・心臓への負担が大きくなるため、「変法HIIT(Low-Impact HIIT)」から始めることを推奨します。具体的には「ウォーキング(2分)→速歩き(1分)」の繰り返しなど衝撃の少ない方法が適しています。高強度HIITを希望する場合は、まず医師の診察と数週間の有酸素運動習慣の確立を優先してください。

運動の順番と週間スケジュールの組み方

脂肪燃焼目的では「筋トレ→有酸素運動」の順番が基本です。筋トレ後はホルモン環境(成長ホルモン・アドレナリン)が高まり、後続の有酸素運動での脂肪酸動員が促進されます。

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06 NUTRITION内臓脂肪を落とす食事の進め方

たんぱく質を増やして筋肉量を守る食事設計

中高年の食事改善で最も重要な変数はタンパク質摂取量です。体重×1.6g/日以上のタンパク質確保が筋肉量維持に有効であることがNunes et al.(2022)のSR・メタ分析で示されています(PMID:35187864)。60kgなら1日96g以上が目安。鶏胸肉・ギリシャヨーグルト・豆腐・卵・魚をメインに、3食均等に30〜35g/食のタンパク質を摂ることを意識しましょう。

PROTEIN | タンパク質
💪 体重×1.6g/日が目安
鶏胸肉・卵・ギリシャヨーグルト・豆腐・サバ・鮭。1食あたり30〜35gを目標に3食均等配分。
CARBS | 糖質の質
🌾 低GI食材を選ぶ
白米→玄米・雑穀米・オーツ麦に置き換え。血糖値の急上昇を抑えインスリン分泌を最小化。精製糖質・甘い飲み物を削減。
FAT | 脂質の質
🐟 オメガ3・良質な脂質
青魚(サバ・イワシ)・アボカド・ナッツ類・オリーブオイル。飽和脂肪酸・トランス脂肪酸(加工食品・揚げ物)は削減。
AVOID | 避けるべき
⚠️ 中高年に多い落とし穴
×アルコール過多(内臓脂肪蓄積を直接促進)×夜遅い高糖質食 ×朝食抜き(筋肉の分解促進)×野菜不足(食物繊維・抗酸化物質の欠如)

糖質・脂質の質と量:中高年に適した摂り方

中高年での糖質制限は「量の削減」より「質の改善」を優先することが重要です。極端な糖質制限はトレーニングパフォーマンスの低下・筋肉量の減少・疲労増大のリスクがあります。白米・パン・麺類を完全にやめるのではなく、玄米・雑穀米・全粒粉パスタなどの低GI食材に置き換え、一食あたりの量を適切にコントロールするアプローチが中高年には適しています。

食事タイミング:代謝が落ちた中高年が意識すべきポイント

中高年における食事タイミングの基本は「朝食を抜かない・夜遅い高カロリー食を避ける・トレーニング後30〜60分以内にタンパク質と炭水化物を補給する」の3点です。Kerksick et al.(2017)が示すように、運動後の栄養補給タイミングは筋グリコーゲン回復と筋タンパク合成をしっかり後押しします(PMID:28919842)。特に中高年では筋タンパク合成の刺激への感受性が低下(アナボリック抵抗性)するため、1回あたり30〜40gのタンパク質を確保することが推奨されます。

ダイエットの仕組みを基礎から理解したい方はこちら

内臓脂肪を蓄積させやすい食習慣の見直し

アルコールの過剰摂取:アルコールは肝臓での脂肪代謝を妨げ、内臓脂肪の蓄積を直接促進します。週あたりの純アルコール量を150g以下(ビール中瓶で週5〜6本相当)に抑えることが推奨されています。
夜遅い高糖質・高脂質食:就寝前3時間以内の高カロリー食は、睡眠中のインスリン分泌を高め内臓脂肪合成を促進します。夕食は就寝2〜3時間前に、炭水化物を少なめ・タンパク質と野菜中心に設定しましょう。
朝食でタンパク質を確保:朝食を抜くと午前中に筋タンパクの分解(異化作用)が進みます。卵2個+ギリシャヨーグルト+果物程度の軽い朝食でも、タンパク質20g以上を確保することが重要です。
食物繊維を毎食確保:食物繊維(野菜・海藻・豆類・オーツ麦)は血糖値の急上昇を抑え、腸内環境を整え、インスリン感受性を改善します。1日25g以上を目安に毎食の野菜量を意識してください。
【根拠】本文の通り、体重×1.6g/日以上のタンパク質を鶏胸肉・卵・魚といった食事だけで毎食均等に確保するのは、忙しい中高年にとって現実的なハードルがあります。プロテインパウダーを1〜2食の補助として活用すると、筋肉量を守りながらタンパク質目標を無理なく達成しやすくなります。
【デメリット】 製品によっては糖質・添加物が多く含まれる場合があります。原材料表示を確認し、あくまで食事の補助として活用してください。
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07 LIFESTYLE生活習慣の改善:運動・食事以外で内臓脂肪に影響する要素

睡眠の質と内臓脂肪蓄積の関係

睡眠不足(7時間未満)はグレリン(食欲促進ホルモン)を増加させ、レプチン(満腹ホルモン)を低下させるため、過食・高カロリー食への欲求が高まります。さらに睡眠不足はコルチゾールを慢性的に上昇させ、腹部への脂肪蓄積を直接促進します。中高年では睡眠の質が低下しやすく(深睡眠の減少)、この問題が内臓脂肪蓄積の隠れた要因になっているケースが多く見られます。毎日7〜8時間の睡眠確保と、就寝前1時間のスマートフォン使用制限が基本的な改善策です。

睡眠が体脂肪に与える影響を科学的に解説

ストレス・コルチゾールが中高年の腹部脂肪を増やすメカニズム

慢性的なストレスはHPA軸(視床下部−下垂体−副腎軸)を介してコルチゾールの慢性的な上昇をもたらします。コルチゾールは内臓脂肪の脂肪細胞に発現するコルチゾール受容体に直接作用し、腹部への脂肪蓄積を促進するとともに、筋タンパクの分解(異化作用)を加速します。30〜60代の仕事・家庭のストレスは内臓脂肪問題と切り離せません。週に1〜2回の「副交感神経を優位にする時間」(ウォーキング・入浴・読書・瞑想など)を意識的に確保することが、内臓脂肪対策としても重要です。

ストレスホルモンと体脂肪蓄積の関係を詳しく知る

座りすぎ習慣(NEAT低下)の改善策

NEAT(非運動性熱産生)は総消費カロリーの15〜30%を占めるとされ、ジムでのトレーニング以上に日常生活の活動量が体重管理に影響します。デスクワーカーの1日の座位時間は平均9〜11時間に及び、これを減らすだけで内臓脂肪量の改善が期待できます。実践的な改善策として「60分に1回・5分間の立位歩行」「エレベーターから階段への切り替え」「通勤で1〜2駅歩く」などが有効です。特別な時間を作らなくても、日常動作の積み上げが重要な内臓脂肪対策になります。

08 PROGRAM30〜60代向け6週間実践プログラム

W1
W2
PHASE 01 | 土台づくり
第1〜2週:現状把握と生活習慣の土台づくり
  • 【運動】ウォーキング30分×週3〜4回(最大心拍数60%以下・会話できる強度)
  • 【運動】自体重筋トレ(スクワット・プッシュアップ・ヒップリフト 各2セット×10回)×週2回
  • 【食事】毎食のタンパク質量を記録・目標:体重×1.4〜1.6g/日
  • 【食事】朝食を必ず摂る習慣を確立・夜21時以降の食事を減らす
  • 【睡眠】就寝時間を固定(±30分以内)・就寝前のスマホ制限
  • 【NEAT】1時間に1回は立ち上がって5分以上歩く習慣を開始
W3
W4
PHASE 02 | 本格的な軌道修正
第3〜4週:運動・食事の本格的な強化
  • 【運動】筋トレ→ウォーキング(20〜30分)の順番で同日実施・週2〜3回
  • 【運動】筋トレのセット数を3セットへ増加・種目を5〜6種目に拡充
  • 【運動】ウォーキング日を単独で1日追加(合計週4〜5回のウォーキング)
  • 【食事】白米・パンを玄米・雑穀米・全粒粉に置き換え(1〜2食から開始)
  • 【食事】食物繊維25g/日を意識(野菜・海藻・豆類)
  • 【生活】アルコールを週3日以内・1日2ドリンク以内に制限
W5
W6
PHASE 03 | 強度アップと習慣定着
第5〜6週:強度アップと習慣の定着
  • 【運動】筋トレの負荷を増加(ダンベル・チューブ・スロートレーニングの導入)
  • 【運動】ウォーキングの速度・距離を段階的に延長(最大心拍数65〜70%に)
  • 【運動】余裕があればLow-Impact HIITを週1回導入(速歩き3分→通常歩き2分×4〜6セット)
  • 【食事】タンパク質目標を体重×1.6g/日に引き上げ
  • 【生活】5週間の変化(ウエスト周囲径・体重・疲労感)を記録・振り返り
  • 【継続】6週間後にプログラムを見直し・目的別に次の3ヶ月計画を立てる

ウォーキングを無理なく続けたい方はこちらも参照してください。

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よくある質問(FAQ)

中年太りは年齢のせいで仕方ないですか?
年齢による代謝低下・ホルモン変化は避けられませんが、「仕方がない」とは言い切れません。週2〜3回の筋トレで筋肉量を維持すれば代謝の低下幅を抑えられます。「年齢のせい」とあきらめる前に、原因を正確に理解して対処することが重要です。
内臓脂肪が増えているサインには何がありますか?
ベルトの穴の変化・ズボンのきつさ・健診数値の悪化などが代表的なサインです。ウエスト周囲径(男性85cm以上・女性90cm以上)も一つの目安になります。
55歳や60代でも内臓脂肪は増えますか?
はい、増えます。むしろ女性は更年期以降、男性はテストステロン低下が進む55歳以降に内臓脂肪が蓄積しやすくなることが研究で示されています。年齢を重ねてからでも、運動と食事の見直しで改善が期待できます。
内臓脂肪を落とすのに最も効果的な運動は?
有酸素運動と筋トレの組み合わせが最も効果的です。Waters et al.(2022)では組み合わせ群が内臓脂肪−36%と単独実施を大きく上回りました。
食事制限だけで内臓脂肪は落ちますか?
体重は落ちますが、中高年では筋肉量も同時に減少するリスクが高く、基礎代謝がさらに低下する悪循環に陥りやすいです。週2〜3回の筋トレを併用することを推奨します。
効果を感じるまでにどのくらいかかりますか?
内臓脂肪は代謝が活発なため2〜4週間でウエスト周囲径の変化を感じ始めるケースが多いですが、皮下脂肪は6〜12週間以上かかることが一般的です。3ヶ月を一つの目安に継続的な取り組みを推奨します。

まとめ|中高年の内臓脂肪は原因を理解して継続できる方法で対策する

中年太りによる内臓脂肪の増加は「意志の弱さ」ではなく、加齢に伴う代謝・ホルモン・筋肉量の変化という生理的な現象が背景にあります。原因を正しく理解した上で、中高年に適した方法で取り組むことが遠回りをしない最短の道です。

  • 基礎代謝は40代以降に年約0.5〜1%低下・筋肉量の維持が代謝の鍵
  • 男性:テストステロン低下が内臓脂肪蓄積に直結(Allan et al., 2008)
  • 女性:更年期のエストロゲン低下が脂肪分布をお腹まわりへシフト(Lovejoy et al., 2008)
  • 有酸素+筋トレの組み合わせが内臓脂肪減少に最も有効(Waters et al., 2022:−36%)
  • タンパク質体重×1.6g/日以上+低GI食材+食物繊維25g/日が食事の基本
  • 睡眠7〜8時間・ストレス管理・NEAT向上が内臓脂肪の「隠れた要因」を取り除く
  • 内臓脂肪は2〜4週間、皮下脂肪は6〜12週間が変化を感じる目安。焦らず継続することが遠回りをしない最短の道

まずは「毎食タンパク質を意識する」「週3回のウォーキングを始める」という小さな一歩から取り組んでください。以前に途中でやめてしまった経験がある方も、原因を正しく理解した上で取り組めば、同じ結果になるとは限りません。

内臓脂肪が引き起こす脂肪肝リスクについてはこちら

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参考文献・科学的根拠

  1. 1Allan CA, Strauss BJG, Burger HG, Forbes EA, McLachlan RI. “Testosterone therapy prevents gain in visceral adipose tissue and loss of skeletal muscle in nonobese aging men.” J Clin Endocrinol Metab. 2008 Jan;93(1):139-46. doi:10.1210/jc.2007-1291. 55歳以上の非肥満・低テストステロン男性60名を対象にした52週間のRCT(経皮テストステロンパッチ対プラセボ)。テストステロン療法群はプラセボ群と比較して内臓脂肪蓄積が有意に抑制(P=0.001)され、骨格筋量の減少も防いだ。テストステロン変化量と内臓脂肪変化量に有意な相関(r²=0.36、P=0.014)。加齢男性のテストステロン低下と内臓脂肪蓄積の因果的関係の根拠として参照。 PubMedで確認 →
  2. 2Lovejoy JC, Champagne CM, de Jonge L, Xie H, Smith SR. “Increased visceral fat and decreased energy expenditure during the menopausal transition.” Int J Obes (Lond). 2008 Jun;32(6):949-58. doi:10.1038/ijo.2008.25. 156名の閉経前女性を4年間追跡した縦断研究。閉経そのものが加齢・BMIから独立して全体の体脂肪量と内臓脂肪の有意な増加に関連し、閉経移行期に安静時エネルギー消費量と脂肪酸化が低下することを確認。更年期のエストロゲン低下と内臓脂肪蓄積の根拠として参照。 PubMedで確認 →
  3. 3Waters DL, Aguirre L, Gurney B, et al. “Effect of Aerobic or Resistance Exercise, or Both, on Intermuscular and Visceral Fat and Physical and Metabolic Function in Older Adults With Obesity While Dieting.” J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2022;77(1):131-139. doi:10.1093/gerona/glab111. 160名の肥満高齢者RCT。有酸素単独・筋トレ単独・有酸素+筋トレの3条件を直接比較。組み合わせ群が内臓脂肪−36%(有酸素−19%・筋トレ−21%を有意に上回る)を達成。中高年の内臓脂肪対策における有酸素+筋トレ組み合わせの優位性の根拠として参照。 PubMedで確認 →
  4. 4Kerksick CM, Arent S, Schoenfeld BJ, et al. “International society of sports nutrition position stand: nutrient timing.” J Int Soc Sports Nutr. 2017 Aug 29;14:33. doi:10.1186/s12970-017-0189-4. ISSNニュートリエントタイミングポジションスタンド。運動後30〜60分以内のタンパク質+炭水化物摂取が筋グリコーゲン回復・筋タンパク合成を後押しすることを示す。中高年の運動後の栄養補給タイミング設計の根拠として参照。 PubMedで確認 →