「何の種目をやればいいかわからない」——この悩みの正体は情報が多すぎることと、種目を増やすほど続かなくなるという現実にあります。この記事では「まず1種目から始めて、慣れたら追加していく」入口設計を前提に、部位別の最優先種目をその根拠とともに解説します。

QUICK ANSWER

  • 📌 1種目だけなら:胸=ベンチプレス/プッシュアップ、背中=デッドリフト/チューブロウ、脚=スクワット、肩=ショルダープレス、体幹=プランク
  • 🔬 単関節種目を足すと変わるか:未経験者29名・10週でも(Gentil et al., 2013)、経験者20名・8週でも(de França et al., 2015)、筋肥大・筋力の伸びに群間差なし。後者は「多関節種目のみが時間効率のよいアプローチ」と結論づけています
  • 📅 推奨頻度:週2〜3回・大筋群を使う多関節種目を優先(ACSM Guidelines 11th ed., 2022)
  • 🚩 最初の2種目:スクワット+プランク。4〜6週間フォームが安定してから1種目ずつ追加

01 BASIS1種目集中の根拠と種目を選ぶ3つの基準

RESEARCH BASIS

Gentil et al.(Appl Physiol Nutr Metab, 2013)は、多関節種目のみのグループ(ラットプルダウン+ベンチプレス)と、そこに単関節種目(肘屈曲・肘伸展)を追加したグループを比較し、上腕の筋厚・筋力の向上に有意差がないことを示しました(未経験の若年男性29名・10週間/PMID:23537028)。de França et al.(2015)はトレーニング歴2年以上の男性20名・8週間で同じ比較を行い、やはり群間差を認めず、多関節種目のみのプログラムは時間効率のよいアプローチであると結論づけています(PMID:26244600)。ただしどちらも対象は20〜30代で、30〜60代を直接調べたものではありません。時間が限られているなら多関節種目から固める——という優先順位の根拠として読んでください。

種目を選ぶ3つの基準:
多関節を動かすか(コンパウンド種目か):1種目で複数の筋肉・関節を動かすほど時間対効果が高い
日常動作との連動性があるか:鍛えた筋肉が「階段・荷物・立ち座り」に活きるか
30〜60代が安全に長期継続できるか:フォームの習熟しやすさ・怪我リスクの低さを優先

まず「目的」を決めると種目の優先順位が変わる

目的 最優先種目 理由
体重・体脂肪を減らしたい スクワット 全身の筋肉量の約70%を占める脚を鍛えると基礎代謝への影響が最大
腰痛・姿勢を改善したい プランク+デッドリフト(軽重量) 体幹安定→脊柱支持力向上の順で取り組む
上半身の体型を引き締めたい ベンチプレス/プッシュアップ 大胸筋・三角筋・上腕三頭筋を一度に刺激
猫背・肩こりを改善したい チューブロウ/デッドリフト 背中・肩甲骨周りの弱化した筋肉を優先的に鍛える
まず何でもいいから始めたい スクワット+プランク 道具不要・リスク低・効果範囲が最も広い

02 CHEST胸:ベンチプレス(ジム)/プッシュアップ(自宅)

CHEST / 大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋
ベンチプレス(ジム)/プッシュアップ(自宅)
日常動作:押す・床からの起き上がり・荷物の移動
  • 大胸筋上部・中部・下部を同時に刺激。三角筋前部・上腕三頭筋も強化
  • プログレッシブオーバーロード(段階的な重量増加)を適用しやすい
  • プッシュアップは器具不要で自宅で完結できる
⚠️ 30〜60代の注意点:
・手幅は肩幅の1.2〜1.5倍を目安。広げすぎると肩前面に負荷が集中
・ショルダーサークル10回のウォームアップを入れる(腱板の老化対策)
・重量より可動域を優先:胸の下まで下げる動作を省略しない

プッシュアップの強度段階設定

レベル 種目 目安 対象
入門 壁プッシュアップ ×15回 肩・手首に不安がある方
初級 膝つき腕立て伏せ ×10〜12回 筋トレ未経験者
中級 通常プッシュアップ ×10回 4〜8週継続後
上級 足上げプッシュアップ ×8〜10回 フォーム習熟後

03 BACK背中:デッドリフト(ジム)/チューブロウ(自宅)

BACK / 広背筋・脊柱起立筋・臀筋・ハムストリングス
デッドリフト(ジム)/チューブロウ(自宅)
日常動作:床のものを持ち上げる・姿勢維持・腰痛予防
  • 脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋・臀筋・ハムストリングスという全身後面を一度に動かす
  • 腰痛予防・姿勢改善への直接効果
  • 「床のものを持ち上げる」という最も日常的な動作パターンに直結
⚠️ 30〜60代の注意点:
・背中の丸まりが最大のリスク。「胸を張る」「お尻を引く」を声に出して確認
・最初の3週間は軽重量でフォーム習熟に専念(バーのみ・または軽いダンベルから)
・既存の腰痛がある場合はチューブロウから開始
🪑 自宅代替:チューブロウの実践:ドアや固定した家具にチューブを引っ掛けて座位で引く。「腕で引く」のではなく「肘を体の後ろに引く」意識が背中への効きを決める。タオルロウ(ドアノブにタオルを引っ掛けて引く)も可。
💡 チンニング(懸垂)の位置づけ:チンニングは「腕の種目」ではなく広背筋・上腕二頭筋の背中種目。デッドリフトの補助として週2回中の2種目目に追加する候補として有効。

背中を自宅で1種目だけ確保する

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ロウ動作ができるトレーニングチューブ

背中は自重だけでは引く動作をつくりにくい部位です。チューブが1本あれば、ドアや柱に引っかけてチューブロウができ、デッドリフトに行く前の入口として機能します。強度は張力の違うバンドを使い分けるか、立ち位置を変えるだけで調整できます。
デメリット:ダンベルのように重量を数値で管理できないため、進捗が把握しにくくなります。ゴムなので数年で劣化します。

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背中の筋トレが姿勢・腰痛に効く理由と種目——デッドリフト・チューブロウの詳細ガイド
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04 LEGS脚・下半身:スクワット

LEGS / 大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋
スクワット(ジム・自宅共通)
日常動作:立つ・座る・歩く・階段・転倒予防
  • 大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋という人体最大の筋肉群を一度に刺激
  • 基礎代謝への影響が最も大きい(脚の筋肉量は全身の約70%)
  • 「立つ・座る・歩く・階段」という生活動作の根幹
⚠️ 30〜60代の注意点(膝の痛みが出る2パターン):
・膝がつま先より前に出る→お尻を引いて座るイメージ
・膝が内側に入る(ニーイン)→膝をつま先と同じ方向に保つ
・股関節の硬さへの対応:かかとの下に板・本・折り畳んだタオルを置くと可動域が補える

スクワットの強度段階設定

レベル 種目 目安 対象
入門 椅子スクワット 自重×15回 膝・股関節に不安がある方
初級 ノーマルスクワット 自重×12〜15回 始めて1〜4週間
中級 ゴブレットスクワット 5〜15kg×10回 1〜2ヶ月継続後
上級 バーベルスクワット 体重の50〜80%×8回 フォーム習熟後
ヒップアップのための臀筋トレーニング——スクワットと組み合わせる臀筋種目

05 DELTS肩:ショルダープレス(ジム・自宅共通)

SHOULDER / 三角筋・僧帽筋・上腕三頭筋
ショルダープレス(ジム・自宅共通)
日常動作:頭上に物を持ち上げる・荷物を棚に乗せる
  • 三角筋前部・中部・後部を均等に刺激できる
  • 上腕三頭筋・僧帽筋も同時に動員
  • 「頭上への持ち上げ」という日常動作に直結
⚠️ 30〜60代の注意点:
・肩インピンジメント症候群のリスク:肘を肩より前に出さない・グリップは肩幅で
・首への負担:背もたれのある椅子から始めるとフォームが安定しやすい
・重量設定:最初は1kgから確認してから増やす(肩は怪我しやすい部位)
💡 自宅でのダンベル代替:ペットボトル(500ml〜2L)でも動作習得可能。フォームが定まってからダンベルを購入する判断でよい。

肩を1種目だけにするなら、なぜサイドレイズではないのか

肩を1種目に絞るとき、多くの方がサイドレイズを選びます。三角筋中部に効いている感覚が分かりやすいからです。ただし1種目しかやらないなら、ショルダープレスのほうが合理的です。サイドレイズは三角筋中部のみの単関節種目ですが、ショルダープレスは三角筋の前部・中部に加えて上腕三頭筋と僧帽筋まで同時に動員する多関節種目だからです。単関節種目の追加に上乗せ効果が見られなかったという先の2つの研究は、そのまま「1種目なら多関節種目を選ぶ」という判断を支持します。

逆に、肩を2種目に増やせるならサイドレイズを足すのが順番です。ショルダープレスでは三角筋後部への刺激が弱いため、3種目目にはリアレイズが候補になります。

ショルダープレスの強度段階設定

レベル 種目 目安 対象
入門 チューブショルダープレス(座位) ×15回 肩に不安がある方
初級 ペットボトル500ml×2 ×12〜15回 筋トレ未経験者
中級 ダンベル2〜5kg ×10〜12回 4〜8週継続後
上級 ダンベル6kg以上またはバーベル ×8〜10回 フォーム習熟後
💡 座位から始める理由:立位のショルダープレスは腰の反りで代償しやすく、30〜60代では腰に負担が出やすい動作です。背もたれのある椅子に座って行うと、腰を固定したまま肩だけを使えます。立位に移るのはフォームが安定してからで構いません。

肩は「軽いところから」が必須条件

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重量を細かく変えられるダンベル1組

肩は怪我をしやすい部位で、いきなり重い固定式ダンベルを買うと1段階目が重すぎて使えません。可変式なら2kgから始めて刻んで上げられます。ショルダープレスだけでなく、ここで挙げた6種目のうち胸・背中・脚・腕にもそのまま使えます。
デメリット:固定式単体より価格は高めで、重量を大きく切り替える際はダイヤル操作に数秒かかります。

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ショルダープレスとミリタリープレスの違いと選び方——30〜60代に適したフォームと種目設計

06 CORE体幹:プランク(クランチではなくプランクを選ぶ理由)

CORE / 腹直筋・腹斜筋・脊柱起立筋
プランク(ジム・自宅共通)
全動作の安定基盤・腰痛予防・インナーマッスル強化
  • 腹直筋・外腹斜筋・脊柱起立筋を等尺性収縮で同時に動員→背骨を曲げ伸ばしせずに鍛えられる
  • クランチは背骨を繰り返し曲げる動作を伴うため、腰に不安がある方には向かないことがある
  • 「コアの安定性」は他の4種目すべてのフォームの土台になる
  • 時間が短くて済む(20〜60秒×2セットで十分)
⚠️ 「時間より姿勢の質」を優先する理由:
腰が落ちた状態のプランクは腰椎に圧縮負荷がかかります。秒数を伸ばすより、まっすぐな姿勢を保てる範囲でやめるほうが安全です。Calatayud et al.(Am J Phys Med Rehabil, 2017)は8種類のプランクを表面筋電図で比較し、バリエーションを変えることで筋活動を段階的に上げられること、腹筋には不安定面を使ったプランク、腰部の筋にはサイドプランクが効率的であることを示しています(大学生20名/PMID:28157133)。秒数ではなく種類で強度を上げるほうが理にかなっています。
📱 セルフチェック方法:スマホを横に置いて横から動画撮影。頭・腰・かかとが一直線かを確認する。
📊 強度の段階設定:
入門:膝つきプランク×20秒 → 初級:通常プランク×30秒 → 中級:通常プランク×60秒 → 上級:片脚プランク・サイドプランク追加

07 ARMS腕:カール(上腕二頭筋)/トライセプスエクステンション(上腕三頭筋)

💡 先に結論:二頭筋を1種目だけ選ぶならダンベルカール、三頭筋を1種目だけ選ぶならトライセプスエクステンション(肘に不安がなければディップス)。ただし腕は、胸・背中・肩の多関節種目をやっていれば副次的に使われる部位です。時間が限られているなら、腕の単関節種目は5〜6種目目の位置づけになります。
ARMS / 上腕二頭筋・上腕三頭筋
ダンベルカール+トライセプスエクステンション(ジム・自宅共通)
日常動作:荷物を持つ・引く動作。腕の引き締め・筋肥大目的の場合に追加
💡 「腕は他の種目で鍛えられている」は本当か?
ベンチプレス(プッシュアップ)で上腕三頭筋が、チューブロウ・デッドリフトで上腕二頭筋が補助的に動員されるのは事実です。ただし「補助」であり「メイン刺激」ではないため、腕の引き締めや太さを求める場合は専用種目が必要になります。

目的別の判断基準

目的 腕の専用種目が必要か
体脂肪を減らしたい・健康維持 不要(スクワット・デッドリフト・プレスで十分)
腕の引き締め(振袖・二の腕) 必要(特に上腕三頭筋)
腕を太くしたい(筋肥大目的) 必要
腰痛・姿勢改善が優先 不要(体幹・背中を先に)

上腕二頭筋:ダンベルカール(ジム・自宅共通)

  • 動作がシンプルで習熟しやすい。荷物を持ち上げる「引く動作」に直結
  • 自宅代替:チューブカール・タオルカール(ドアノブを活用)
⚠️ 30〜60代の注意点:肘を固定したまま肩甲骨を動かさない。反動を使うと肘関節への負担が増す。

上腕三頭筋:トライセプスエクステンションまたはディップス(ジム・自宅共通)

  • 上腕の体積の約2/3を占めるのが三頭筋。「腕の引き締め」に最も効果的
  • 自宅代替:ナロープッシュアップ(手を肩幅より狭くする腕立て伏せ)
⚠️ 30〜60代の注意点:肘関節への負担がかかりやすい。最初は軽重量・可動域を優先する。
📋 週2回プログラムへの組み込み方:
・「腕の引き締め」が目的の場合:ショルダープレスの後に各1種目追加(+約10分)
・35分以内に収めたい場合:ショルダープレスの代わりにカール+トライセプスで「肩は他種目の補助で賄う」選択も可
懸垂とラットプルダウンの違いと選び方——上腕二頭筋・広背筋への刺激の違い

08 LIST6種目まとめ:選定根拠一覧

部位 ジム推奨 自宅代替 主な筋肉 日常動作 最重要注意点
ベンチプレス プッシュアップ 大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋 押す・起き上がり 肩幅1.2〜1.5倍・ウォームアップ必須
背中 デッドリフト チューブロウ 広背筋・脊柱起立筋・臀筋 持ち上げる・姿勢維持 背中の丸まり防止・軽重量でフォーム習熟
スクワット 椅子スクワット 大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋 立つ・座る・階段 膝のニーイン・かかとの高さ調整
ショルダープレス ダンベルプレス 三角筋・僧帽筋・上腕三頭筋 頭上への持ち上げ 肘の位置・インピンジメント予防
ダンベルカール+トライセプスエクステンション チューブカール+ナロープッシュアップ 上腕二頭筋・上腕三頭筋 荷物を持つ・引く動作 肘の固定・反動を使わない
体幹 プランク プランク(膝つき可) 腹直筋・腹斜筋・脊柱起立筋 全動作の安定基盤 正しい姿勢×短時間を優先・動画で確認

09 PLANこの6種目を使った週2回プログラム例(30〜60代向け)

パターンA:腕の引き締めを優先(約45分)

種目 セット×回数/時間 備考
プランク 2×20〜30秒 ウォームアップ兼用・体幹を先に起動
スクワット 3×10〜12回 メイン種目(最も基礎代謝に影響)
プッシュアップまたはベンチプレス 3×10〜12回 上半身押す系
チューブロウまたはデッドリフト 3×10〜12回 上半身引く系・腰痛予防
ショルダープレス 2×10回 肩・姿勢補強
ダンベルカール 2×12回 腕の引き締め目的で追加
トライセプスエクステンション 2×12回 二の腕・振袖対策に特に有効
クールダウン 5分 ストレッチ

パターンB:35分以内に収める場合(ショルダープレスを腕種目に置き換え)

種目 セット×回数/時間 備考
プランク 2×20〜30秒 ウォームアップ兼用
スクワット 3×10〜12回 メイン種目
プッシュアップまたはベンチプレス 3×10〜12回 上半身押す系(三頭筋も補助で動員)
チューブロウまたはデッドリフト 3×10〜12回 上半身引く系(二頭筋も補助で動員)
ダンベルカール 2×12回 二頭筋の専用刺激
ナロープッシュアップまたはトライセプスエクステンション 2×12回 三頭筋の専用刺激・肩は他種目の補助で賄う
クールダウン 5分 ストレッチ

種目追加の優先順位と根拠

追加順 種目 追加する根拠
1番目 ヒップリフト(臀筋) 臀筋は30〜60代で最も衰えやすく腰痛・膝痛・転倒リスクと直結。スクワットと組み合わせると臀筋への刺激が補完される
2番目 チンニングまたはラットプルダウン デッドリフトで主に鍛える脊柱起立筋に対し、広背筋の「引く動作」を補強。猫背・巻き肩改善に有効
3番目 インクラインプレス ベンチプレスで不足しがちな胸の上部(鎖骨下)を補強。上半身シルエットの改善に寄与
週2〜3回の分割プログラム設計——種目追加後の全体設計 短時間で効かせる筋トレの方法——30〜35分で完結するメニュー設計

10 CHECKフォームが崩れる前に気づく:部位別セルフチェック

種目 よくある崩れ方 セルフチェック方法 修正ポイント
スクワット 膝が内側に入る(ニーイン) 正面から動画撮影 膝をつま先と同じ方向に向け続ける
プッシュアップ 腰が落ちる・頭が前に出る 横から動画撮影 足〜頭を一直線に保つ・腹筋に力を入れる
デッドリフト 背中が丸まる 横から動画撮影 胸を張る・お尻を引いてから引き上げる
ショルダープレス 首が前に出る・肘が開く 正面・横から動画撮影 背もたれに寄りかかる・肘を肩の真上に保つ
プランク 腰が落ちる・お尻が上がる 横から動画撮影 頭〜かかとが一直線になる位置を確認

フォームは自分の目では見えない

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横から撮れるスマホスタンド

セルフチェックで挙げた項目は、どれも自分の感覚では判断できないものです。スマホを床から60〜80cmの高さに横向きで置いて1セット撮るだけで、膝の向き・腰の反り・肩の位置がその場で分かります。ジムでも自宅でも、これが最も安く確実なフォーム修正の手段です。
デメリット:ジムによっては撮影が禁止されています。事前に確認してください。

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よくある質問

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6種目すべてを毎回やる必要がありますか?
必須ではありません。「まず1種目から始める」が正解です。スクワット+プランクの2種目だけで週2回始めて、フォームが安定してから1種目ずつ追加する設計が、30〜60代の継続率が最も高い方法です。
ジムがなくても自宅だけで同じ効果が得られますか?
胸(プッシュアップ)・脚(スクワット)・体幹(プランク)・背中(チューブロウ)の4種目は自宅で代替可能です。重量の段階的増加がジムより制限されるため、同等の筋肥大を求める場合はジムの方が有利ですが、継続を優先するなら自宅代替で十分です。
腰痛・膝痛がある場合はどの種目から始めればいいですか?
腰痛がある場合はプランク(体幹の安定)→チューブロウ(軽重量)の順から始めることを推奨します。膝痛がある場合は椅子スクワット(浅い可動域)から始め、段階的に可動域を広げます。強い痛みが出る場合は運動を中止してください。
女性がベンチプレスやデッドリフトをやると体型が崩れますか?
崩れません。女性はテストステロンの分泌量が男性の10〜20分の1程度であるため、これらの種目をやっても「体がゴツくなる」ことはほとんどありません。むしろ大胸筋を鍛えると胸の位置が上がりシルエットが改善され、デッドリフトはヒップアップ・姿勢改善に直結します。
どのくらいで種目を追加すればいいですか?
4〜6週間で現在の種目のフォームが安定し、最終セットが余裕をもってこなせるようになったら1種目だけ追加してください。一度に2種目以上追加しないことが重要です。フォームの習熟と負荷の管理が同時にできなくなり、怪我のリスクが高まります。
「一種目目」「一部位」とはどういう意味ですか?
「一種目目」はそのトレーニングで最初に行う種目のことです。疲労がない状態で行うため、最も重い重量を扱える種目をここに置くのが基本で、通常はスクワットやベンチプレスのような多関節種目を選びます。「一部位」は胸・背中・脚といった体の区分のことで、「一部位あたり何種目やるか」という形で使われます。この記事の答えは「まず一部位あたり1種目、慣れたら2〜3種目」です。
この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。

まとめ

まず今日できること:スクワット10回とプランク20秒を試す。それだけで十分です。

  • 多関節種目に単関節種目を追加しても、筋肥大・筋力の伸びに上乗せは見られない(Gentil et al., 2013/de França et al., 2015)
  • 種目を選ぶ3基準:①多関節を動かすか ②日常動作との連動性 ③30〜60代が安全に継続できるか
  • 脚(スクワット)は基礎代謝への影響が最も大きく、どの目的でも優先度が高い
  • プランクは背骨を曲げずに体幹を鍛えられ、他4種目すべてのフォームの土台になる
  • 最初はスクワット+プランクの2種目から。4〜6週間フォームが安定したら1種目ずつ追加する
  • フォームは動画で確認する——スマホを横に置いて撮影するだけでよい
筋トレ初心者が3ヶ月で見た目を変えるプログラム——この6種目を使った3ヶ月設計 筋トレが続かない人の継続設計——種目を決めた後に必要なこと

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参考文献・科学的根拠

  1. 1Gentil P, Soares SR, Pereira MC, da Cunha RR, Martorelli SS, Martorelli AS, Bottaro M. “Effect of adding single-joint exercises to a multi-joint exercise resistance-training program on strength and hypertrophy in untrained subjects.” Appl Physiol Nutr Metab. 2013;38(3):341-344. doi:10.1139/apnm-2012-0176. ブラジリア大学。29名の未経験男性を対象に、マルチジョイント種目のみのグループ(ラットプルダウン+ベンチプレス)とシングルジョイント種目(肘屈曲・肘伸展)を追加したグループを比較。上腕筋厚・筋力向上に有意差なし。種目の絞り込み根拠として参照。 PMID:23537028
  2. 2de França HS, Branco PAN, Guedes Junior DP, Gentil P, Steele J, Teixeira CV. “The effects of adding single-joint exercises to a multi-joint exercise resistance training program on upper body muscle strength and size in trained men.” Appl Physiol Nutr Metab. 2015;40(8):822-826. doi:10.1139/apnm-2015-0109. トレーニング経験者を対象に同様の比較を実施。経験者においても、シングルジョイント種目の追加は筋肥大・筋力向上に有意な追加効果をもたらさないことを示した。コンパウンド種目優先設計の追加根拠として参照。 PMID:26244600
  3. 3American College of Sports Medicine. ACSM’s Guidelines for Exercise Testing and Prescription. 11th ed. Philadelphia: Wolters Kluwer; 2022. 週2〜3回・大筋群を使ったコンパウンド種目優先の処方推奨・段階的過負荷の原則・30〜60代のウォームアップ・フォーム指導の重要性の根拠として参照。
  4. 4Calatayud J, Casaña J, Martín F, Jakobsen MD, Colado JC, Andersen LL. “Progression of core stability exercises based on the extent of muscle activity.” Am J Phys Med Rehabil. 2017;96(10):694-699. doi:10.1097/PHM.0000000000000713. バレンシア大学(スペイン)・コペンハーゲン労働環境研究センター(デンマーク)。大学生20名を対象に、8種類のプランクバリエーションで上部腹直筋・下部腹直筋・外腹斜筋・腰部脊柱起立筋の表面筋電図を比較。腹筋には不安定面を使ったプランク、腰部の筋にはサイドプランクが効率的で、バリエーションによって筋活動を段階的に進行できることを示した。プランクの強度の上げ方の根拠として参照。 PMID:28157133