目次
40〜50代女性の更年期と筋トレ
何から始めるか・種目選択と8週間プログラム
01 FOUR EFFECTS更年期のエストロゲン低下が運動に与える4つの影響
González-Gálvez et al.(2024)のメタ分析では、閉経後女性でも筋トレが筋肉量・筋力・体組成を有意に改善することが確認されています。ただし更年期固有の配慮が必要です。
①関節靭帯の弛緩リスク:エストロゲンは靭帯を安定させる役割を持ち、低下により膝ACL損傷・手首腱鞘炎リスクが上昇。→関節へのせん断力が少ない多関節種目を最初に選ぶ。
②骨密度の急速低下:閉経後5〜7年が最も速い低下期。荷重運動は必須だが高衝撃種目は骨折リスク。→「荷重あり・衝撃なし」の種目に限定する。
③体温調節の不安定化(ほてり):高強度インターバル・換気不良はホットフラッシュを誘発。→インターバルを長く取れる・途中で強度を下げられる設計にする。
④筋タンパク合成効率の低下:エストロゲンが合成を補助していたため、同じ量でも刺激が伝わりにくい。→スロートレーニング+タンパク質増量(体重×1.6g/日)で補完。
更年期ボディメイク全体ガイド 骨粗鬆症を予防する食事と運動02 EXERCISE MAP種目×更年期対応マップ
| 種目 | ゾーン | 更年期での理由 |
|---|---|---|
| ゴブレットスクワット | 推奨 | 低衝撃・荷重あり・体幹安定・調整容易 |
| グルートブリッジ | 推奨 | 関節負担最小・骨盤底筋強化も同時 |
| ルーマニアンデッドリフト | 推奨 | ヒンジ習得・ハムストリングへの荷重 |
| 膝つき腕立て伏せ | 推奨 | 手首負担小・段階調整容易 |
| ダンベルロウ | 推奨 | 巻き肩改善・肩関節への負担小 |
| バーベルスクワット | 調整 | フォーム習得・可動域が前提 |
| スタティックランジ | 調整 | 片足荷重・バランス要求あり |
| レッグエクステンション | 回避 | 膝靭帯へのせん断力が高い |
| ジャンプスクワット / バーピー | 回避 | 骨折リスク・ホットフラッシュ誘発 |
03 START FLOW自分のスタート種目を決める4問YES/NOフロー
Q1. 膝・股関節に現在痛みがありますか?
→ YES+腰にも痛みあり → グルートブリッジから開始(膝・腰ともに最も負担が少ない)
→ YES+膝の痛みのみ → ルーマニアンデッドリフト(軽重量)から(膝を深く曲げないヒンジ動作)
→ NO → Q3へ
Q3. ホットフラッシュが週3回以上ありますか?
→ YES → ゴブレットスクワット+グルートブリッジの2種目から。インターバル120秒・換気確保。症状発症から60分以内は避ける
→ NO → Q4へ
Q4. 過去1年間に定期的な運動習慣がありましたか?
→ YES → 3種目同時スタート。フェーズ1を3週間に短縮しフェーズ2へ移行可
→ NO → 1種目漸増方式(グルートブリッジ→ゴブレットスクワット→膝つき腕立ての順に1週ごとに追加)
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無料カウンセリングを予約する →04 SYMPTOM RULES更年期症状別・スタート判断ルール
| 体調レベル | 判断基準 | 対応 |
|---|---|---|
| A(良好) | 普通に動ける・やる気がある | 通常プログラム実施(3セット) |
| B(普通〜やや疲れ) | 疲れはあるが起き上がれる | 2セットに削減・重量20%減 |
| C(だるくて辛い) | 横になっていたい | ストレッチ+散歩10分のみ |
関節痛(膝・腰・手首)がある日の代替種目
膝痛の代替:グルートブリッジ・ヒップヒンジ・椅子を使ったチェアスクワット。腰痛の代替:バードドッグ・クラムシェル・仰向けデッドバグ。手首痛の代替:プッシュアップバー使用・チューブロウ・下半身種目のみ。VAS(0〜10段階)で3以上を感じる動作は即中止してください。
睡眠障害で前日よく眠れなかった日
睡眠不足時はコルチゾールが高値→高強度筋トレはさらにコルチゾールを上昇させます。前日の睡眠が5時間未満の場合はレベルBまたはCに下げてください。
更年期の不眠と運動の関係04b SESSION FLOW1回のトレーニングの実際の流れ(フェーズ1・35分版)
ウォームアップ(5分):更年期向け関節モビリティ3種
更年期のウォームアップは「体温をゆっくり上げる」ことが最重要です。急激な体温上昇はホットフラッシュを誘発します。
| 動作 | 回数 | ポイント |
|---|---|---|
| 股関節サークル(仰向け・膝を胸に引き寄せて円を描く) | 各方向10回×両脚 | 股関節の前後・左右の詰まりを解放 |
| 胸椎回旋(四つん這い・片手を頭の後ろに置いて肘を天井へ) | 10回×両側 | 猫背・巻き肩改善の胸椎可動域確保 |
| 足首ポンプ(椅子に座って足首を上下にゆっくり動かす) | 20回 | 足首の血行促進・カーフへの準備 |
クールダウン(5分):体温を徐々に下げる
大腿四頭筋ストレッチ(各30秒×両脚)→ 股関節屈筋ストレッチ(各30秒×両脚)→ 胸椎伸展ロールアップ(5回)→ 腹式呼吸(鼻から4秒吸って口から8秒吐く・1分)で副交感神経へ切り替え。
40代女性のボディメイクロードマップ05 8-WEEK PROGRAM8週間入門プログラム
| 種目 | 回数×セット | インターバル | スロー設定 |
|---|---|---|---|
| グルートブリッジ | 15回×3 | 90秒 | 上げ2秒・保持1秒・下げ3秒 |
| ゴブレットスクワット(自重〜4kg) | 10〜12回×3 | 90秒 | 下げ3秒・上げ2秒 |
| 膝つき腕立て伏せ | 8〜10回×3 | 90秒 | 下げ3秒・上げ2秒 |
| プランク | 20〜30秒×2 | 60秒 | 腰が落ちない範囲でのみ |
移行基準:グルートブリッジ15回3セットを「痛みなく」2週間連続→フェーズ2のRDL導入可。
月曜(下半身):ゴブレットスクワット4〜8kg 12回×3 → RDL 4〜8kg 10回×3 → グルートブリッジ(バンド)15回×3 → カーフレイズ20回×2
水曜(上半身):膝つき腕立て10回×3 → ダンベルロウ4〜6kg 10回×3 → サイドレイズ2〜4kg 12回×2 → バードドッグ各10回×3
金曜(全身+ウォーキング):ゴブレットスクワット12回×3 → RDL 10回×3 → 膝つき腕立て10回×3 → グルートブリッジ15回×2 → 筋トレ後ウォーキング20分
全種目スロートレーニング(下げ3秒・上げ2秒)を適用。インターバル90秒。
フェーズ1の食事設計(トレ日・非トレ日共通)
| タイミング | タンパク質 | 推奨食材 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 朝食 | 20〜25g | 卵2個+豆腐・ヨーグルト | インスリン感受性が高い朝に集中 |
| 昼食 | 20〜25g | 鶏胸肉・魚・納豆 | 大豆食品でイソフラボンも同時摂取 |
| トレ後30分以内 | 20〜25g | ホエイまたは大豆プロテイン | アナボリック抵抗性の補完 |
| 夕食 | 20〜25g | 魚(サバ・サーモン)・豆腐 | 炭水化物は最小限に |
| 就寝前30分 | 15〜20g | カゼインまたは無糖ヨーグルト | 夜間の筋分解抑制 |
フェーズ2の食事設計(トレ日と非トレ日で変える)
| タイミング | トレ日(月・水・金) | 非トレ日 | ||
|---|---|---|---|---|
| タンパク質 | 炭水化物 | タンパク質 | 炭水化物 | |
| 朝食 | 25〜30g | 40〜60g | 25〜30g | 30〜40g |
| 昼食 | 25〜30g | 50〜60g | 25〜30g | 40〜50g |
| トレ後 / 補食 | 25〜30g | 30〜40g | — | — |
| 夕食 | 25〜30g | 20〜30g | 25〜30g | 15〜20g |
| 就寝前 | 20g | 5g以下 | 20g | 5g以下 |
次の種目に進む判断基準(フェーズ移行チェック)
RDL導入前:ゴブレットスクワット10回3セットを「腰・膝に痛みなく」2週間連続で実施できているか。通常腕立てへの移行:膝つきで10回3セットを「体幹一直線のまま」安定してできているか。ダンベルロウの重量増加:最終セットで「まだ2〜3回できる」感覚(RPE 7以下)なら翌週に2kg増。フェーズ2から先(9週目以降):金曜の全身セッションを「症状なし・インターバル90秒で3セット完遂」が2週以上連続したか。
06 STAGNATION更年期×筋トレ継続を妨げる「3つの停滞パターン」と対処
パターン①:症状の波で「やめ癖」がつく。更年期症状がトリガーで「今日は無理」が続き空白が2〜3週間に。対処:レベルCの日も「ストレッチ+散歩10分」をプログラムの一部として事前に計画に組み込む。完全にやめない設計が継続の鍵です。
パターン②:体重が変わらずモチベーションが低下する。更年期の筋トレ効果は「体組成変化(脂肪減・筋肉増)」として現れるため体重計だけでは見えません。対処:ウエスト周囲径・握力・階段の息切れ・睡眠の質の4点を週次で記録する。
パターン③:関節痛を我慢してやり続けて悪化する。「少し痛いけど続ける」を繰り返して慢性化。対処:VAS 3以上の痛みは即中止→代替種目。「痛みは中止・不快感は許容範囲」の区別基準を事前に決めておく。
更年期のうつと体重増加を改善する方法 50代女性の筋トレ&ダイエット入門・12週間プログラム 食事タイミングと体脂肪率 月経周期に合わせた女性の筋トレ科学 40代女性のボディメイクロードマップよくある質問
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更年期の40〜50代女性が筋トレを始めるとき、一般的なビギナープログラムをそのまま使わないことが最初のポイントです。
- 関節靭帯の弛緩・骨密度低下・ホットフラッシュの3条件を踏まえた種目選択から始める
- 推奨種目:ゴブレットスクワット・グルートブリッジ・RDL・膝つき腕立て
- 4問YES/NOフローで自分のスタート種目を決める
- 症状の波に合わせてA/B/Cの3段階で強度を調整しながら継続する
- 8週間プログラム:フェーズ1(週2回35分)→フェーズ2(週3回・分割導入)
- スロートレーニング+タンパク質体重×1.6g/日で筋合成効率の低下を補完
THE FITNESS|調布市のパーソナルジム
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|---|---|
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参考文献・科学的根拠
- 1González-Gálvez N, Moreno-Torres JM, Vaquero-Cristóbal R. “Resistance training effects on healthy postmenopausal women: a systematic review with meta-analysis.” Climacteric. 2024 Jun;27(3):296-304. 閉経後女性における筋トレの筋肉量・筋力・体組成への効果を確認したメタ分析。更年期筋トレの有効性の根拠として参照。 PMID:38353251
- 2Jäger R, Kerksick CM, Campbell BI, et al. “International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise.” J Int Soc Sports Nutr. 2017 Jun;14:20. タンパク質の質・量・タイミングの包括的レビュー。更年期のアナボリック抵抗性補完の根拠として参照。 PMID:28642676
- 3Westcott WL. “Resistance training is medicine: effects of strength training on health.” Curr Sports Med Rep. 2012 Jul-Aug;11(4):209-16. レジスタンストレーニングの骨密度・代謝・筋量への効果の包括レビュー。更年期の荷重運動の根拠として参照。 PMID:22777332
- 4厚生労働省.「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」. 厚生労働省; 2023年. 日本人女性向けの身体活動推奨量の根拠として参照。 厚生労働省
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