QUICK ANSWER

下半身の自重種目から始めてください。腹筋でもダンベルでもありません。

更年期はエストロゲンが減ることで腱と靱帯がゆるみやすくなります。この時期に重い重量や関節を大きく動かす種目から入ると、肩や膝を痛めて中断につながります。

一方で筋肉は年に1〜2%のペースで減っていきます。何もしない期間が長いほど戻すのに時間がかかるため、負荷は軽くても始めること自体に意味があります。

症状が重い日は種目を変えるのではなく、回数と強度だけ落とします。ホットフラッシュやだるさのある日に完全に休むと、再開のハードルが上がります。

01 WHY更年期のエストロゲン低下が運動に与える4つの影響

González-Gálvez et al.(2024)のメタ分析では、閉経後女性でも筋トレが筋肉量・筋力・体組成を有意に改善することが確認されています。ただし更年期固有の配慮が必要です。

①関節靭帯の弛緩リスク:エストロゲンは靭帯を安定させる役割を持ち、低下により膝ACL損傷・手首腱鞘炎リスクが上昇。→関節へのせん断力が少ない多関節種目を最初に選ぶ。

②骨密度の急速低下:閉経後5〜7年が最も速い低下期。荷重運動は必須だが高衝撃種目は骨折リスク。→「荷重あり・衝撃なし」の種目に限定する。

③体温調節の不安定化(ほてり):高強度インターバル・換気不良はホットフラッシュを誘発。→インターバルを長く取れる・途中で強度を下げられる設計にする。

④筋タンパク合成効率の低下:エストロゲンが合成を補助していたため、同じ量でも刺激が伝わりにくい。→スロートレーニング+タンパク質増量(体重×1.6g/日)で補完。

更年期のダイエットガイド|体が変わる理由と対策 骨粗鬆症を予防する食事と運動

02 MAP種目×更年期対応マップ

種目 ゾーン 更年期での理由
ゴブレットスクワット 推奨 低衝撃・荷重あり・体幹安定・調整容易
グルートブリッジ 推奨 関節負担最小・骨盤底筋強化も同時
ルーマニアンデッドリフト 推奨 ヒンジ習得・ハムストリングへの荷重
膝つき腕立て伏せ 推奨 手首負担小・段階調整容易
ダンベルロウ 推奨 巻き肩改善・肩関節への負担小
バーベルスクワット 調整 フォーム習得・可動域が前提
スタティックランジ 調整 片足荷重・バランス要求あり
レッグエクステンション 回避 膝靭帯へのせん断力が高い
ジャンプスクワット / バーピー 回避 骨折リスク・ホットフラッシュ誘発
50代女性の基礎代謝と痩せにくさの正体

03 START自分のスタート種目を決める4問YES/NOフロー

Q1. 膝・股関節に現在痛みがありますか?

→ YES+腰にも痛みあり → グルートブリッジから開始(膝・腰ともに最も負担が少ない)
→ YES+膝の痛みのみ → ルーマニアンデッドリフト(軽重量)から(膝を深く曲げないヒンジ動作)
→ NO → Q3へ

Q3. ホットフラッシュが週3回以上ありますか?

→ YES → ゴブレットスクワット+グルートブリッジの2種目から。インターバル120秒・換気確保。症状発症から60分以内は避ける
→ NO → Q4へ

Q4. 過去1年間に定期的な運動習慣がありましたか?

→ YES → 3種目同時スタート。フェーズ1を3週間に短縮しフェーズ2へ移行可
→ NO → 1種目漸増方式(グルートブリッジ→ゴブレットスクワット→膝つき腕立ての順に1週ごとに追加)

「更年期でも安心して始められるプログラムが欲しい」
あなたの症状・体力に合わせた個別設計を行います

THE FITNESSでは遺伝子検査に基づき、更年期症状・関節の状態・骨密度を考慮した安全なプログラムを提供。18年の指導経験を持つNABBAチャンピオンのトレーナーが完全個室・マンツーマンで対応。国領駅徒歩8分・オンライン対応。

無料カウンセリングを予約する →

04 RULES更年期症状別・スタート判断ルール

体調レベル 判断基準 対応
A(良好) 普通に動ける・やる気がある 通常プログラム実施(3セット)
B(普通〜やや疲れ) 疲れはあるが起き上がれる 2セットに削減・重量20%減
C(だるくて辛い) 横になっていたい ストレッチ+散歩10分のみ
ホットフラッシュがある日:軽い症状→強度70%・インターバル120秒。強い症状(顔面紅潮)→筋トレ中止・ウォーキング15〜20分に切り替え。発症から60分以内の筋トレは避けてください。

関節痛(膝・腰・手首)がある日の代替種目

膝痛の代替:グルートブリッジ・ヒップヒンジ・椅子を使ったチェアスクワット。腰痛の代替:バードドッグ・クラムシェル・仰向けデッドバグ。手首痛の代替:プッシュアップバー使用・チューブロウ・下半身種目のみ。VAS(0〜10段階)で3以上を感じる動作は即中止してください。

睡眠障害で前日よく眠れなかった日

睡眠不足時はコルチゾールが高値→高強度筋トレはさらにコルチゾールを上昇させます。前日の睡眠が5時間未満の場合はレベルBまたはCに下げてください。

更年期の不眠と運動の関係
【根拠】更年期は寝つきと中途覚醒が崩れやすく、睡眠が足りない日は強度を落とすしかなくなります。トレーニングの前提として整えておきたい部分です。
【デメリット】効果の感じ方には個人差があり、即効性を期待しすぎないことが大切です。就寝前など決まったタイミングでの継続摂取が前提になるため、飲み忘れが続くと実感しにくくなります。持病がある方・他の薬を服用中の方は事前に医師にご相談ください。
😴
TRAINER’S PICKPR
眠れない日が続くと種目選びの前に詰まる
CMで話題!質の良い休息で毎日をサポート【アラプラス 深い眠り】

05 DAY1回のトレーニングの実際の流れ(フェーズ1・35分版)

ウォームアップ(5分):更年期向け関節モビリティ3種

更年期のウォームアップは「体温をゆっくり上げる」ことが最重要です。急激な体温上昇はホットフラッシュを誘発します。

動作 回数 ポイント
股関節サークル 各方向10回×両脚 股関節の前後・左右の詰まりを解放
胸椎回旋 10回×両側 猫背・巻き肩改善の胸椎可動域確保
足首ポンプ 20回 足首の血行促進・カーフへの準備

股関節サークルは仰向けで膝を胸に引き寄せて円を描きます。胸椎回旋は四つん這いで片手を頭の後ろに置き、肘を天井に向けて開きます。足首ポンプは椅子に座って足首を上下にゆっくり動かします。

クールダウン(5分):体温を徐々に下げる

大腿四頭筋ストレッチ(各30秒×両脚)→ 股関節屈筋ストレッチ(各30秒×両脚)→ 胸椎伸展ロールアップ(5回)→ 腹式呼吸(鼻から4秒吸って口から8秒吐く・1分)で副交感神経へ切り替え。

40代女性のボディメイクロードマップ

06 PLAN8週間入門プログラム

フェーズ1(1〜4週):動作習得と体感づくり(週2回・35分)
🟢 更年期対応の3種目でヒンジ・スクワット・プッシュを体に刻む
種目 回数×セット インターバル スロー設定
グルートブリッジ 15回×3 90秒 上げ2秒・保持1秒・下げ3秒
ゴブレットスクワット(自重〜4kg) 10〜12回×3 90秒 下げ3秒・上げ2秒
膝つき腕立て伏せ 8〜10回×3 90秒 下げ3秒・上げ2秒
プランク 20〜30秒×2 60秒 腰が落ちない範囲でのみ

移行基準:グルートブリッジ15回3セットを「痛みなく」2週間連続→フェーズ2のRDL導入可。

フェーズ2(5〜8週):負荷増加と週3回への移行
⚡ 下半身・上半身・全身の分割構造を導入

月曜(下半身):ゴブレットスクワット4〜8kg 12回×3 → RDL 4〜8kg 10回×3 → グルートブリッジ(バンド)15回×3 → カーフレイズ20回×2

水曜(上半身):膝つき腕立て10回×3 → ダンベルロウ4〜6kg 10回×3 → サイドレイズ2〜4kg 12回×2 → バードドッグ各10回×3

金曜(全身+ウォーキング):ゴブレットスクワット12回×3 → RDL 10回×3 → 膝つき腕立て10回×3 → グルートブリッジ15回×2 → 筋トレ後ウォーキング20分

全種目スロートレーニング(下げ3秒・上げ2秒)を適用。インターバル90秒。

フェーズ1の食事設計(トレ日・非トレ日共通)

タイミング タンパク質 推奨食材 備考
朝食 20〜25g 卵2個+豆腐・ヨーグルト インスリン感受性が高い朝に集中
昼食 20〜25g 鶏胸肉・魚・納豆 大豆食品でイソフラボンも同時摂取
トレ後30分以内 20〜25g ホエイまたは大豆プロテイン アナボリック抵抗性の補完
夕食 20〜25g 魚(サバ・サーモン)・豆腐 炭水化物は最小限に
就寝前30分 15〜20g カゼインまたは無糖ヨーグルト 夜間の筋分解抑制

フェーズ2の食事設計(トレ日と非トレ日で変える)

タイミング トレ日(月・水・金) 非トレ日
タンパク質 炭水化物 タンパク質 炭水化物
朝食 25〜30g 40〜60g 25〜30g 30〜40g
昼食 25〜30g 50〜60g 25〜30g 40〜50g
トレ後 / 補食 25〜30g 30〜40g — —
夕食 25〜30g 20〜30g 25〜30g 15〜20g
就寝前 20g 5g以下 20g 5g以下
1日の合計目標:体重×1.6g/日(体重55kgなら88g)。大豆食品を1日1品以上でイソフラボンも確保。非トレ日の夕食は19時台に終えてください。

次の種目に進む判断基準(フェーズ移行チェック)

RDL導入前:ゴブレットスクワット10回3セットを「腰・膝に痛みなく」2週間連続で実施できているか。通常腕立てへの移行:膝つきで10回3セットを「体幹一直線のまま」安定してできているか。ダンベルロウの重量増加:最終セットで「まだ2〜3回できる」感覚(RPE 7以下)なら翌週に2kg増。フェーズ2から先(9週目以降):金曜の全身セッションを「症状なし・インターバル90秒で3セット完遂」が2週以上連続したか。

【根拠】更年期は体重が動かなくても筋肉と脂肪の比率が変わります。体組成計があると、続ける意味が数字で見えるので途中でやめにくくなります。
【デメリット】家庭用の体組成計はあくまで目安で、医療機関での測定ほど精密ではありません。同じ時間帯・条件で継続測定しないと数値がぶれやすい点にも注意してください。
⚖️
TRAINER’S PICKPR
8週間の変化は体重より筋肉量で見る
体脂肪計タニタの【公式】ショッピングサイト

07 WALL更年期×筋トレ継続を妨げる「3つの停滞パターン」と対処

パターン①:症状の波で「やめ癖」がつく。更年期症状がトリガーで「今日は無理」が続き空白が2〜3週間に。対処:レベルCの日も「ストレッチ+散歩10分」をプログラムの一部として事前に計画に組み込む。完全にやめない設計が継続の鍵です。

パターン②:体重が変わらずモチベーションが低下する。更年期の筋トレ効果は「体組成変化(脂肪減・筋肉増)」として現れるため体重計だけでは見えません。対処:ウエスト周囲径・握力・階段の息切れ・睡眠の質の4点を週次で記録する。

パターン③:関節痛を我慢してやり続けて悪化する。「少し痛いけど続ける」を繰り返して慢性化。対処:VAS 3以上の痛みは即中止→代替種目。「痛みは中止・不快感は許容範囲」の区別基準を事前に決めておく。

月経周期に合わせた筋トレの組み方 50代女性の筋トレ&ダイエット入門・12週間プログラム 食事タイミングと体脂肪率 40代女性のボディメイクロードマップ
📖 もっと具体的に実践したい方へ

【月2回更新・第1土曜と第3土曜】理想の体と健康を最短で手に入れる実践ノウハウをお届けする月額限定マガジンです。900記事以上の執筆実績とデータに基づき、ネットの一般論では成果が出なかった方へ「今日からマネできる具体的な食事・筋トレプラン」を配信。

よくある質問

更年期症状がひどい時期は筋トレを完全に休んだほうがいいですか?
完全に休むより「できる範囲でやり続ける」ことを推奨します。症状が強い日はストレッチ・散歩・グルートブリッジだけでも「継続している」という身体への信号として機能します。完全休止が2週間以上続くと習慣の再開が困難になります。
ホットフラッシュが毎日ある場合でも筋トレはできますか?
できます。発症から60分後の落ち着いた時間帯を狙い、換気が良い環境でインターバルを120秒に設定してください。ウォームアップを丁寧に行い体温を段階的に上げることも重要です。
骨密度検査で「骨量減少」と言われました。スクワットは危険ですか?
骨量減少の段階では低衝撃の荷重種目(ゴブレットスクワット・RDL・ウォーキング)は骨密度改善に有効です。「骨粗鬆症」と診断されている場合は必ず主治医に相談のうえ開始してください。
更年期中にプロテインを飲んだほうがいいですか?
食事で体重×1.6g/日を確保できない場合はプロテインを補助的に活用してください。大豆プロテインはイソフラボンも同時摂取できるため更年期女性に適しています。
8週間プログラムが終わったら次は何をすればいいですか?
症状の安定・体力の回復に合わせて移行を検討します。症状が不安定な場合はフェーズ2を繰り返しながら重量・セット数を段階的に増やしてください。

「更年期でも、体は変えられる」
その最初の一歩をサポートします

THE FITNESSでは遺伝子検査に基づき、更年期症状・関節状態・骨密度を考慮した安全なプログラムを個別設計。完全個室・マンツーマンで対応。国領駅徒歩8分・オンライン対応。

無料カウンセリングを予約する →
この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。
THE FITNESS(調布)の口コミ・料金・通う流れ

まとめ

更年期を迎える女性が筋トレを始めるとき、一般的なビギナープログラムをそのまま使わないことが最初のポイントです。

  • 関節靭帯の弛緩・骨密度低下・ホットフラッシュの3条件を踏まえた種目選択から始める
  • 推奨種目:ゴブレットスクワット・グルートブリッジ・RDL・膝つき腕立て
  • 4問YES/NOフローで自分のスタート種目を決める
  • 症状の波に合わせてA/B/Cの3段階で強度を調整しながら継続する
  • 8週間プログラム:フェーズ1(週2回35分)→フェーズ2(週3回・分割導入)
  • スロートレーニング+タンパク質体重×1.6g/日で筋合成効率の低下を補完

THE FITNESS|調布市のパーソナルジム

所在地 〒182-0022 東京都調布市国領町4-51-6 アムール国領 B1F
最寄り駅 京王線 国領駅 徒歩8分
営業時間 AM 9:00 ~ PM 23:00(不定休)
電話 070-1460-0990
公式サイト https://thefitness-personal.jp/
Instagram @thefitness.chofu
ご予約 無料カウンセリングのご予約はこちら
料金 料金プランはこちら

関連記事

参考文献・科学的根拠

  1. 1González-Gálvez N, Moreno-Torres JM, Vaquero-Cristóbal R. “Resistance training effects on healthy postmenopausal women: a systematic review with meta-analysis.” Climacteric. 2024 Jun;27(3):296-304. 閉経後女性における筋トレの筋肉量・筋力・体組成への効果を確認したメタ分析。更年期筋トレの有効性の根拠として参照。 PMID:38353251
  2. 2Jäger R, Kerksick CM, Campbell BI, et al. “International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise.” J Int Soc Sports Nutr. 2017 Jun;14:20. タンパク質の質・量・タイミングの包括的レビュー。更年期のアナボリック抵抗性補完の根拠として参照。 PMID:28642676
  3. 3Westcott WL. “Resistance training is medicine: effects of strength training on health.” Curr Sports Med Rep. 2012 Jul-Aug;11(4):209-16. レジスタンストレーニングの骨密度・代謝・筋量への効果の包括レビュー。更年期の荷重運動の根拠として参照。 PMID:22777332
  4. 4厚生労働省.「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」. 厚生労働省; 2023年. 日本人女性向けの身体活動推奨量の根拠として参照。 厚生労働省