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肩が痛いベンチプレスの典型パターン|代替種目と改善ドリル
「ベンチプレスをすると肩が痛い…」「重量が伸びないのは肩の痛みのせい?」
そんな悩みを抱えているあなたへ。ベンチプレスで肩が痛くなるのは、決して珍しいことではありません。実は、ベンチプレスでの肩の痛みの約80%はフォームの問題が原因です。
調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで17年間の指導経験を持つプロトレーナーYukkeyが、肩を痛めない正しいフォーム、安全な代替種目、そして肩の機能を改善するドリルを徹底解説します。
肩が痛くなる5つの典型パターン
ベンチプレスで肩が痛くなるのには、明確なパターンがあります。以下の5つのうち、あなたはいくつ当てはまりますか?
パターン①: 肩甲骨の固定不足
症状:バーを下ろすときに肩が前に出てしまい、肩の前面に鋭い痛みを感じる。
原因:肩甲骨を寄せて下げる(リトラクション&デプレッション)ができていないため、肩関節が不安定になり、肩峰下スペースが狭くなって腱板が挟まれてしまいます。
要注意
このパターンはインピンジメント症候群(肩峰下インピンジメント)の最大の原因です。放置すると慢性的な肩痛につながります。
パターン②: グリップ幅が広すぎる
症状:肩の前面から側面にかけて痛みが出る。特にバーを胸に下ろした最下点で痛みが強くなる。
原因:肩幅の2倍以上の広いグリップは、肩関節を過度に外転(横に開く)させ、肩峰と上腕骨頭の間で腱板を圧迫します。また、肩関節への負担が大胸筋への負荷よりも大きくなってしまいます。
最適なグリップ幅
研究によると、肩幅の1.5倍が肩関節への負担を最小化し、大胸筋への刺激を最大化する最適なグリップ幅です。
パターン③: バーの軌道が顔や首に近い
症状:肩の前面に詰まるような感覚があり、動作中に肩がロックする感じがする。
原因:バーを顔や首の近くに下ろすと、肩関節が内旋(内側に回る)しすぎて、肩峰下スペースがさらに狭くなります。これは肩のインピンジメントリスクを著しく高めます。
正しい軌道
バーは胸の下部(みぞおち付近、乳首より少し下)に向かって緩やかなアーチを描いて下ろすのが理想的です。
パターン④: 肘を90度に開きすぎている
症状:肩の外側から後ろにかけて痛みが走る。特に高重量を扱うと痛みが増す。
原因:肘を体から90度に開く「Tポジション」は、肩関節に過度なストレスをかけます。この姿勢では肩峰下スペースが最も狭くなり、腱板損傷のリスクが最大化します。
理想的な肘の角度
肘は体から45度程度の角度(「矢印型」または「Aポジション」)が理想的です。これにより肩関節を保護しながら大胸筋に適切な刺激を与えられます。
パターン⑤: 肩が前方に出ている(巻き肩)
症状:日常生活でも肩が重だるく、ベンチプレスでは動作開始時から肩の前面に違和感がある。
原因:デスクワークやスマホ使用による巻き肩(肩甲骨の前傾)がある状態でベンチプレスを行うと、肩峰下スペースが構造的に狭くなっており、腱板が常に圧迫されやすい状態になっています。
根本的な改善が必要
このパターンは、ベンチプレスのフォーム改善だけでなく、肩甲骨周辺の筋力バランスを整えることが必須です。後ほど紹介する改善ドリルが効果的です。
肩を守る正しいベンチプレスフォーム
肩の痛みを予防し、安全かつ効果的にベンチプレスを行うための7つのステップを解説します。
-
ベンチに仰向けになり、5点接地を確認
頭、両肩、お尻、両足の5点がベンチと床にしっかり接触していることを確認します。この「5ポイントコンタクト」が安定性の基盤です。
-
肩甲骨を寄せて下げる(リトラクション&デプレッション)
左右の肩甲骨を背骨に向かって引き寄せ(リトラクション)、同時に肩を耳から遠ざけるように下げます(デプレッション)。この固定を動作中は絶対に解除しないでください。
コツ:「肩甲骨でベンチを押す」イメージを持つと固定しやすくなります。
-
適切なアーチを作る
腰の下に手のひら1枚分のスペースができる程度の自然なアーチを作ります。過度なアーチは腰痛の原因になるので注意してください。
-
グリップ幅を設定する(肩幅の1.5倍)
バーを握る位置は、手を下ろしたときに前腕が床に対して垂直になる位置が理想的です。標準的なバーベルのラインマーク(81cm幅)に人差し指または中指を合わせるのが目安です。
-
バーをラックから外し、目の真上で安定させる
肘を完全に伸ばした状態(ロックアウト)で、バーを目の真上にセットします。この時点で肩甲骨の固定が崩れていないか再確認してください。
-
胸の下部に向かって緩やかなアーチで下ろす
2〜3秒かけてゆっくりと、胸の下部(みぞおち付近)に向かって緩やかなアーチを描きながらバーを下ろします。肘は体から45度程度の角度をキープします。バーが胸に軽く触れたら一瞬静止します。
-
同じアーチ軌道で目の真上に押し上げる
胸の下部から目の真上に向かって、同じアーチ軌道で爆発的に押し上げます。この時、力強く息を吐きながら動作すると、より大きな力を発揮できます。
絶対にやってはいけないこと
- 肩甲骨の固定を解除する:動作中に肩が前に出ると、肩関節が不安定になり痛みの原因になります
- バーを胸でバウンドさせる:反動を使うと肩や胸に過度な衝撃が加わります
- お尻をベンチから浮かせる:腰痛の原因になるだけでなく、フォームが不安定になります
- 息を止め続ける:血圧が急上昇し、めまいや失神のリスクがあります
肩に優しい代替種目5選
肩に痛みがある時や、ベンチプレスからの一時的な休養が必要な場合、以下の代替種目で安全に胸筋を鍛えることができます。
① フロアプレス
可動域が制限され肩への負担が最小
床に寝て行うプレス種目。肘が床に着くことで可動域が制限され、肩関節の過度な伸展を防ぎます。
- 肩の痛みリスク: 低
- 推奨頻度: 週2-3回
- セット数: 3-4セット × 8-12回
② インクラインダンベルプレス
肩関節の角度が自然で痛みが出にくい
ベンチを30-45度に傾けて行うダンベルプレス。肩関節の角度がより自然で、可動域も個別に調整できます。
- 肩の痛みリスク: 低
- 推奨頻度: 週2-3回
- セット数: 3-4セット × 10-15回
③ ダンベルフライ
肩甲骨を安定させやすい
軽めのダンベルで弧を描くように動かす種目。肩甲骨を固定しやすく、胸筋のストレッチ刺激を重視できます。
- 肩の痛みリスク: 中
- 推奨頻度: 週2回
- セット数: 3セット × 12-15回
④ プッシュアップ(腕立て伏せ)
自重で負荷調整が容易
基本的な自重トレーニング。肩甲骨の動きを意識しやすく、負荷も膝をついたり、高さを変えることで調整できます。
- 肩の痛みリスク: 低
- 推奨頻度: 毎日可能
- セット数: 3-5セット × 限界まで
⑤ ケーブルチェストプレス
常時テンションで安定した負荷
ケーブルマシンを使用したプレス種目。常に一定のテンションがかかり、肩関節の角度も自由に調整できます。
- 肩の痛みリスク: 低
- 推奨頻度: 週2-3回
- セット数: 3-4セット × 12-15回
| 種目 | 肩痛リスク | 胸筋刺激 | 初心者向け | 必要な器具 |
|---|---|---|---|---|
| フロアプレス | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ◎ | バーベル/ダンベル |
| インクラインDB | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ◎ | ダンベル、ベンチ |
| ダンベルフライ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ○ | ダンベル、ベンチ |
| プッシュアップ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ◎ | なし |
| ケーブルプレス | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ◎ | ケーブルマシン |
肩の機能を改善する5つのドリル
肩の痛みを根本から改善するには、ローテーターカフ(回旋筋腱板)と肩甲骨周辺の筋肉を強化することが不可欠です。以下の5つのドリルを週2-3回実践しましょう。
ドリル① バンド・エクスターナルローテーション
目的:ローテーターカフ(特に棘下筋と小円筋)を強化し、肩関節の安定性を高める
やり方:
- 軽いレジスタンスバンドをドアノブなどに固定し、横向きに立つ
- 肘を90度に曲げ、体側にしっかり固定する
- 肘の位置を変えずに、前腕だけを外側に回転させる(外旋)
- 2秒かけて戻し、再び外側に回転させる
- 各側15-20回 × 3セット
ポイント:肘が体から離れないように注意。軽い負荷でゆっくり丁寧に動かすことが重要です。
ドリル② フェイスプル
目的:後部三角筋、僧帽筋、ローテーターカフを同時に強化し、巻き肩を改善
やり方:
- ケーブルマシンまたはバンドを顔の高さに設定
- ロープアタッチメントを両手で握り、少し後ろに下がる
- 肘を外側に開きながら、ロープを顔に向かって引く
- 肩甲骨を寄せることを意識し、1秒キープ
- ゆっくりと戻す
- 15-20回 × 3-4セット
効果:このドリルは肩甲骨のリトラクションを習得するのに最も効果的です。
ドリル③ YTWエクササイズ
目的:肩甲骨周辺の筋群を総合的に強化し、肩の安定性を向上
やり方:
- ベンチにうつ伏せになり、両腕を下に垂らす
- Y字:両腕を斜め前上方に挙げる(親指を上に向ける)
- T字:両腕を真横に挙げる(親指を上に向ける)
- W字:肘を90度に曲げ、肩甲骨を寄せながら肘を後ろに引く
- 各姿勢を2秒キープし、ゆっくり下ろす
- 各10回 × 2-3セット
バリエーション:軽いダンベル(1-2kg)を持って行うとさらに効果的です。
ドリル④ サイドライイング・エクスターナルローテーション
目的:棘下筋を集中的に強化し、肩の外旋力を向上
やり方:
- 横向きに寝て、上側の手に軽いダンベル(2-5kg)を持つ
- 肘を90度に曲げ、体側にタオルを挟んで固定
- 肘の位置を変えずに、前腕だけを天井に向かって回転させる
- 2秒かけてゆっくり下ろす
- 各側15-20回 × 3セット
ドリル⑤ スキャプラー・プッシュアップ
目的:前鋸筋を強化し、肩甲骨の動的安定性を向上
やり方:
- プランクの姿勢を取る(肘を伸ばした状態)
- 肘を曲げずに、肩甲骨だけを寄せたり離したりする
- 肩甲骨を寄せる:背中が少し盛り上がる
- 肩甲骨を離す:背中が平らになり、少し丸まる
- ゆっくりとしたテンポで15-20回 × 3セット
注意:腰を反らせたり、お尻が上がったりしないように体幹をしっかり固定してください。
肩痛改善のための週間プログラム
以下は、肩の痛みを改善しながら安全に胸筋を鍛えるための4週間プログラムです。
| 曜日 | トレーニング内容 | セット×回数 |
|---|---|---|
| 月曜日 |
改善ドリル+胸トレ • YTWエクササイズ • フェイスプル • フロアプレス • インクラインDBプレス • プッシュアップ |
各10回×2 15回×3 8-10回×3 10-12回×3 限界×3 |
| 火曜日 | 休息日(軽いストレッチ可) | – |
| 水曜日 |
ローテーターカフ強化 • バンド・エクスターナルローテーション • サイドライイング外旋 • スキャプラー・プッシュアップ • フェイスプル |
15回×3(両側) 15回×3(両側) 15回×3 20回×3 |
| 木曜日 | 休息日(軽いストレッチ可) | – |
| 金曜日 |
改善ドリル+胸トレ • YTWエクササイズ • バンド・エクスターナルローテーション • インクラインDBプレス • ケーブルチェストプレス • ダンベルフライ |
各10回×2 15回×3(両側) 10-12回×3 12-15回×3 12-15回×3 |
| 土曜日 |
軽めのリカバリートレーニング • フェイスプル • スキャプラー・プッシュアップ • ストレッチ(20分) |
20回×2 20回×2 – |
| 日曜日 | 完全休息日 | – |
プログラムの進め方
- 第1-2週:軽めの重量で正しいフォームの習得に集中
- 第3-4週:痛みがなければ徐々に重量を5-10%増やす
- 第5週以降:痛みが完全になくなれば、慎重にベンチプレスに復帰可能
重要:痛みが2週間以上続く場合や、痛みが悪化する場合は、必ず整形外科医やスポーツ医の診察を受けてください。
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正しいフォームは、文章や動画だけでは習得が難しいものです。調布市のTHE FITNESSでは、肩の痛みを予防する科学的なフォーム指導を提供しています。
無料カウンセリング予約よくある質問(FAQ)
A. ベンチプレスで肩が痛くなる主な原因は、①肩甲骨の固定不足、②グリップ幅が広すぎる、③バーの軌道が顔や首に近い、④肘を90度に開きすぎている、⑤肩が前方に出ている(巻き肩)という5つの典型的なフォームの問題です。
特に肩甲骨を寄せて下げる動作ができていないと、肩関節が不安定になり、インピンジメント症候群(肩峰下インピンジメント)を引き起こしやすくなります。正しいフォームを習得することで、これらの痛みは大幅に軽減できます。
A. 正しいフォームのポイントは以下の通りです:
- ①肩甲骨を寄せて下げた状態をキープ(リトラクション&デプレッション)
- ②グリップ幅は肩幅の1.5倍程度
- ③バーは胸の下部(みぞおち付近)に向かって下ろす
- ④肘は体から45度程度の角度
- ⑤足を床にしっかりつけて体幹を安定させる
これらを守ることで、大胸筋に適切な刺激を与えながら肩関節を保護できます。
A. 肩に痛みがある時におすすめの代替種目は:
- ①フロアプレス:可動域が制限され肩への負担が少ない
- ②インクラインダンベルプレス:肩関節の角度が自然で痛みが出にくい
- ③ダンベルフライ:肩甲骨を安定させやすい
- ④プッシュアップ:自重で負荷調整が可能
これらは肩関節への負担を最小限に抑えながら胸筋を効果的に鍛えることができます。
A. ローテーターカフ(回旋筋腱板)を強化するには、以下のドリルが効果的です:
- ①バンド・エクスターナルローテーション:軽いバンドで肩の外旋運動
- ②フェイスプル:肩甲骨を寄せながら顔の高さに引く
- ③YTWエクササイズ:うつ伏せで腕をY・T・W字に動かす
- ④サイドライイング・エクスターナルローテーション:横向きで軽いダンベルを持ち外旋
週2-3回、各10-15回×3セットを目安に行いましょう。
A. 軽度の肩の痛み(フォーム改善で対処可能なレベル)の場合、正しいフォームとローテーターカフ強化を実践すれば2-4週間で改善が見られることが多いです。
ただし、痛みが激しい場合や2週間以上改善しない場合は、肩関節の炎症や腱板損傷の可能性があるため、整形外科やスポーツ医を受診することを強くおすすめします。無理に続けると慢性化するリスクがあります。
A. 調布市でベンチプレスの正しいフォーム指導を受けるなら、THE FITNESS(調布市国領町4-51-6 アムール国領 B1F)がおすすめです。
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参考文献
-
Frontiers in Physiology (2024): “Effects of bench press technique variations on musculoskeletal shoulder loads and potential injury risk”
https://www.frontiersin.org/journals/physiology/articles/10.3389/fphys.2024.1393235/full -
Journal of Strength and Conditioning Research (2023): “Understanding Bench Press Biomechanics—Training Expertise and Sex Affect Lifting Technique Under Progressive Loading”
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35157403/ -
Physiotherapy & Sports Medicine (2024): “Rehabilitation Tips for Rotator Cuff Injuries”
https://peaktoshorephysiotherapy.com/rehabilitation-tips-for-rotator-cuff-injuries/ -
NSCA Japan: “ベンチプレスの正しいやり方|胸筋を効果的に鍛えケガを防ぐ8つのポイント”
https://park.nsca-japan.or.jp/category-13/post-725/ -
NASM Blog: “Bench Press Targeted Muscles, Grips, and Movement Patterns”
https://blog.nasm.org/biomechanics-of-the-bench-press
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