01 WHY HYDRATION MATTERS水を正しく飲むことは、筋トレ効果とダイエット成果を同時に底上げする

運動時の水分補給は単なる「のどを潤す」行為にとどまりません。適切な水分補給は体温調節・筋収縮効率・栄養輸送・脂肪燃焼の補助・食欲調整という複数の生理的機能に直接関与します。ACSM(米国スポーツ医学会)の水分補給ガイドライン(Sawka et al., 2007)、水の代謝促進効果(Boschmann et al., 2003)、食前水の体重減少効果(Dennis et al., 2010)——これらを統合した「筋トレ×ダイエット両対応」の水分補給戦略を解説します。

02 ROLES OF HYDRATION水分補給が筋トレ・運動に不可欠な理由

運動中に水分が果たす6つの役割

🌡️
THERMOREGULATION
体温調節
発汗によって体内の熱を放散する。水分不足で発汗が減ると体温が上昇し熱中症・パフォーマンス低下のリスクが高まる。
💪
MUSCLE CONTRACTION
筋収縮の効率
筋細胞の水分量が減ると筋タンパク質の合成が妨げられ、筋収縮の効率も低下する。脱水は筋力・持久力の両方に影響する。
🚛
NUTRIENT TRANSPORT
栄養輸送
血液の約55%は血漿(水分)で構成される。水分不足は血液粘度を高め、酸素・栄養素の筋への輸送効率を低下させる。
ELECTROLYTE FUNCTION
電解質機能
ナトリウム・カリウム等の電解質が筋収縮・神経信号伝達に不可欠。発汗で失われた電解質の補充が重要になる。
🔬
PROTEIN SYNTHESIS
タンパク質合成
細胞内の水分量は筋タンパク質合成に影響する。脱水状態では合成シグナル(mTOR経路)が抑制されることが示されている。
🦴
JOINT LUBRICATION
関節の潤滑
関節の滑液(synovial fluid)の主成分は水分。水分不足は関節への衝撃緩衝機能を低下させ、関節への負荷を高める。

脱水レベル別のパフォーマンス低下

体重減少率状態主な症状・影響対応
0.5〜1%軽度脱水のどの渇き・集中力の低下。有酸素能力にわずかな影響。脂肪燃焼効率も低下し始める水・電解質飲料で速やかに補給
1〜2%脱水パフォーマンス有意低下(Sawka et al. 2007・Goulet 2013)。体温上昇・心拍数上昇・知覚努力度の増加運動中の補給タイミングを見直す
2〜4%中等度脱水持久力・筋力の著明な低下。頭痛・筋痙攣・めまいが生じやすくなる電解質補給を優先。運動を中断して補給
4〜8%以上重度脱水熱中症リスク・意識障害の可能性。医療的対応が必要即座に運動を中止・医療機関へ
🔬 Sawka MN et al.(Med Sci Sports Exerc, 2007)より

米国スポーツ医学会(ACSM)ポジションスタンド。脱水・体液補給・電解質に関する包括的レビューに基づく推奨ガイドライン。体重の2%の水分損失がパフォーマンスを有意に低下させること・電解質(特にナトリウム)の補給の重要性・運動前後の補給量を提示。本記事の補給量・電解質推奨の根拠として参照。PMID:17277604

「水だけ大量補給」が招く低ナトリウム血症(EAH)のリスク

長時間の持久系運動(マラソン・トライアスロン・長時間ハイキング等)では、水のみを大量補給することで血液中のナトリウム濃度が希釈され、低ナトリウム血症(EAH:Exercise-Associated Hyponatremia)が発生するリスクがあります。症状は吐き気・頭痛・混乱・痙攣で、重症化すると命に関わります。60分以上の運動では水と同時に電解質(ナトリウム)の補給を検討することが重要です。

リーンバルク中の水分・栄養管理

03 WATER & FAT LOSS水が脂肪燃焼を促す科学的メカニズム

代謝向上(熱産生)——飲水後30〜40分で最大30%上昇

Boschmann et al.(J Clin Endocrinol Metab, 2003)は正常体重の14名(男女各7名)を対象に、500mlの水を飲んだ際のエネルギー消費量を全室間接カロリメトリーで測定しました(PMID:14671205)。500mlの飲水後10分以内に代謝率が上昇し始め、30〜40分後に最大30%の上昇が確認されました。このメカニズムは、体温より低い水の体温調節(熱産生)と交感神経刺激によるノルエピネフリン分泌が関与していると考えられています。ただし追加エネルギー消費量は1.5L/日の増加で1日あたり約17〜68kcal程度と推定されており、この効果単独での大幅な体重減少は現実的ではありません。

🔬 Boschmann M et al.(J Clin Endocrinol Metab, 2003)より

フランツ・フォルハルト臨床研究センター(ドイツ)。正常体重の成人14名(男女各7名)を対象とした全室間接カロリメトリー研究。500ml飲水後10〜30〜40分で安静時代謝率が最大30%上昇。男性は主に脂質から、女性は主に炭水化物からエネルギーを生産することも示した。この熱産生効果が1.5L/日の増加で1日約200kJの追加消費につながると推算。水の代謝促進効果の根拠として参照。PMID:14671205

脂肪分解(β酸化)の前提条件としての水分

脂肪をエネルギーとして利用する「β酸化」のプロセスは、細胞内の適切な水分環境を必要とします。軽度の脱水(体重比1〜2%)でも、脂肪細胞からの遊離脂肪酸の放出・血流への取り込み・筋肉でのβ酸化の効率が低下することが示されています。有酸素運動中の脂肪燃焼効率を最大化するためにも、適切な水分状態(euhydration)の維持が前提条件となります。

食前500mlで食事量13%削減——食欲抑制メカニズム

Dennis et al.(Obesity, 2010)は55〜75歳の過体重・肥満成人48名を対象にした12週間のRCTで、低カロリー食+食前500ml水摂取群が低カロリー食のみ群と比較して有意に大きな体重減少を示したことを確認しました(PMID:19661958)。食前の水摂取は胃の容量を占め、食事時の満腹感を高めることで摂取エネルギーを削減する効果があります。食前30〜40分は代謝促進のピーク(Boschmann 2003)と食欲抑制の相乗効果が得られる最適なタイミングです。

水ダイエットが「効果なし」になる4つの失敗パターン

失敗①
カロリー収支が変わらない
水を飲んでも食事の質・量が変わらなければ体脂肪の減少は起きません。水は補助ツールであり、食事と運動の管理が本体です。
失敗②
飲むタイミングが非戦略的
食中・食後の水分摂取より「食前30〜40分」が最も代謝促進×食欲抑制の相乗効果が高い。起床直後・間食衝動時も有効なタイミングです。
失敗③
「たくさん飲めば飲むほど良い」という誤解
水の過剰摂取は低ナトリウム血症のリスクがあります。腎臓が処理できる水の量には上限があり(約0.8〜1L/時)、それを超える摂取は危険です。
失敗④
糖分入り飲料で代替する
ジュース・スポーツドリンク・甘いコーヒーを「水分補給」として多量に飲むと、カロリー過多になります。スポーツドリンクは糖質25〜50g/本含有であることを意識してください。
40代から代謝が落ちる仕組み——水分補給と代謝の関係 食欲をコントロールする科学的な方法——食前水の食欲抑制

04 ELECTROLYTES塩分・電解質が必要な理由と補給のポイント

主要電解質4種の役割

🧂
SODIUM / ナトリウム
ナトリウム(Na⁺)
細胞外の主要電解質。体液の浸透圧調節・血圧維持・神経信号伝達に不可欠。発汗で最も多く失われる。
食品:食塩・梅干し・漬物・スポーツドリンク
🍌
POTASSIUM / カリウム
カリウム(K⁺)
細胞内の主要電解質。筋収縮・神経機能・心臓のリズム調節に関与。不足すると筋痙攣が起きやすくなる。
食品:バナナ・アボカド・豆類・いも類
🥛
CALCIUM / カルシウム
カルシウム(Ca²⁺)
骨・歯の主成分であるほか、筋収縮のトリガーとして必須。運動中のカルシウム信号が筋繊維の収縮を引き起こす。
食品:乳製品・豆腐・小魚・緑黄色野菜
🌾
MAGNESIUM / マグネシウム
マグネシウム(Mg²⁺)
300以上の酵素反応に関与。エネルギー産生・タンパク質合成・筋肉の弛緩・睡眠の質に関係する。不足は筋痙攣・疲労感と関連する。
食品:ナッツ・全粒穀物・大豆・海藻

塩分補給の目安と実践方法

Sawka et al.(ACSM, 2007)は、1時間以上の運動では1Lあたり0.5〜0.7gのナトリウムを含む補給液の使用が推奨されるとしています(PMID:17277604)。実践方法として以下3パターンが手軽です。

🧂 塩分補給3パターン:
①スポーツドリンクを2〜3倍に薄める(糖質を抑えながら電解質を確保)
②水+梅干し1個(約600mgのナトリウム+クエン酸)
③水+ひとつまみの塩(約600mg相当)+少量のレモン汁
サウナトレーニング時の水分・塩分補給
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05 DAILY INTAKE1日の水分摂取量の目安(体重・活動量別)

体重×活動量別早見表

体重非運動日(座業中心)軽い運動日(30〜60分)強度な運動日(60分以上)
50kg1.5〜2.0L2.0〜2.5L2.5〜3.0L以上
60kg1.8〜2.4L2.4〜3.0L3.0〜3.6L以上
70kg2.1〜2.8L2.8〜3.5L3.5〜4.2L以上
80kg2.4〜3.2L3.2〜4.0L4.0〜5.0L以上

※目安:体重×約30〜40ml/日(非運動時)。気温・湿度・発汗量によって大きく変動します。尿の色(薄い黄色が理想)で水分状態を確認するのが実用的です。

ダイエット中に特に意識したい水分タイミング4つ

🌅
起床直後:200〜300ml
起床後すぐ
睡眠中(約8時間)で失った水分を補給し、代謝スイッチをオンにする。胃腸を温めることで消化酵素の分泌も促進される。
💡 白湯(40〜50℃)が胃への刺激が少なくおすすめ
🍽️
食前30〜40分:500ml
各食事の30〜40分前
代謝促進ピーク(Boschmann 2003)と食欲抑制(Dennis et al. 2010)の相乗効果が最も高いタイミング。食直前では胃液を薄めてしまうため、30〜40分前が推奨。
💡 ダイエット中の最重要タイミング
🍫
間食衝動を感じたとき:200〜300ml
空腹感・間食の欲求が出たとき
空腹と口の渇きは混同されやすく、水を飲むことで間食衝動が10〜15分後に治まることが多い。本当に空腹であれば食事を。
💡 まず水を飲んで15分待つのがコツ
🌙
就寝1〜2時間前:200〜300ml
就寝の1〜2時間前
睡眠中の脱水を防ぐが、就寝直前の多量摂取は夜間の頻尿・睡眠の質低下につながるため1〜2時間前に少量を。
💡 就寝直前の大量摂取は避ける
体脂肪を落とす食事と運動の全体設計

06 EXERCISE TIMING運動前・中・後の水分補給タイミングと量

ACSM推奨プロトコル

運動4時間前
プレハイドレーション開始
体重1kgあたり約5〜7mlの水分を摂取(体重60kgなら300〜420ml)。尿が薄い黄色になるまで補給する。
運動30分前
直前補給
約400〜600ml
大量に飲みすぎず、「準備完了」程度の量を目安に。スポーツドリンクより水が適することが多い。
運動中
こまめな補給
15〜20分ごとに150〜250ml
のどが渇く前に補給する。1時間以上の運動では電解質(ナトリウム)を含む飲料も使用する。
運動直後
リカバリー補給
失った体重×1.5倍
運動前後の体重差を確認し、1kg減少あたり1.5Lを目安に補給(McCartney et al., 2017)。一度に大量ではなくこまめに。

冷水 vs 常温水——筋トレ・ダイエット別の使い分け

COLD WATER / 冷水(5〜10℃)
運動中・運動後に有利
体温を下げる効果があり、特に暑い環境での運動時に有効。体温調節のコストが減りパフォーマンスが向上するとされる。Boschmann 2003の代謝促進効果も冷水でより強く出ることが示唆されている。
✅ 運動中・運動後・暑い季節に推奨
WARM WATER / 常温・白湯(40〜50℃)
起床直後・就寝前・消化が弱い方に
胃腸への刺激が少なく、冷え性・胃腸が弱い方に適する。起床直後の白湯は胃腸を温め消化機能を高める。大きな代謝差は1日で最大68kcal程度なので、継続しやすさを優先する。
✅ 起床直後・就寝前・胃腸が弱い方に推奨

07 SPORTS DRINKS vs ORSスポーツドリンクと経口補水液の違い・選び方

スポーツドリンク(ポカリスエット・アクエリアス等)

スポーツドリンクは糖質と電解質(主にナトリウム・カリウム)を含み、運動中〜直後のエネルギー補給と電解質補給を同時に行える設計です(Pérez-Castillo et al., Nutrients, 2024, PMID:38201848)。長時間の持久系運動(1時間以上)・高強度インターバル・炎天下での運動に適しています。

経口補水液(OS-1等)

経口補水液(ORS)はスポーツドリンクよりナトリウム濃度が高く設計されており、大量発汗・下痢・嘔吐・脱水症状がある場合の電解質補充に特化しています。糖質量がスポーツドリンクより少ないため、運動中の大量摂取より、脱水症状の回復を目的とした場面に向いています。

ダイエット中のスポーツドリンク注意点

⚠️ スポーツドリンクの糖質量に注意:500mlあたりポカリスエット約31g・アクエリアス約25g。1本飲むと120〜124kcalのカロリー摂取になります。30〜45分の軽い筋トレ程度であれば水で十分です。スポーツドリンクが有効なのは①1時間以上の持久系運動②大量発汗が伴う高強度運動③複数セッションが1日に連続する場合です。
スポーツドリンクの人工甘味料と砂糖の違い

08 COMMON MISTAKESよくある水分補給の間違い7選

MISTAKE①
のどが渇いてから飲む
のどの渇きを感じた時点ですでに体重比約1〜2%の脱水が始まっています。パフォーマンス低下が始まる前に予防的に飲む習慣が重要です。
✅ 対策:15〜20分ごとにコップ1杯(150〜250ml)をこまめに
MISTAKE②
一度に大量を飲む
一度に大量の水を飲んでも吸収・保持できる量には限りがあり(腎臓処理上限:約800〜1000ml/時)、余分は尿として排出されます。電解質も希釈されリスクが生じます。
✅ 対策:こまめに少量ずつ(1回200〜300mlを目安に)
MISTAKE③
水のみ大量補給で塩分ゼロ
60分以上の運動で塩分なしの水のみを大量補給すると、血中ナトリウム濃度が希釈されEAH(低ナトリウム血症)のリスクがあります。
✅ 対策:1時間以上の運動では電解質(塩分)を含む飲料も活用
MISTAKE④
コーヒー・お茶のみで補給する
カフェインには利尿作用があり、コーヒー・緑茶のみに頼ると水分の正味収支がマイナスになりやすくなります。水分補給の主体は「水」であることを意識しましょう。
✅ 対策:コーヒー1杯に対して水1杯を追加で飲む習慣に
MISTAKE⑤
運動前日に水を飲まない
翌日の運動パフォーマンスは前日からの水分状態(ハイドレーションステータス)に影響を受けます。前日から意識的に補給することで翌日の体の準備が整います。
✅ 対策:運動の前日から意識的に2L以上を目標に
MISTAKE⑥
カロリーゼロのスポーツドリンクを多用する
「ゼロカロリー」表示のスポーツドリンクには人工甘味料が多く含まれます。これが腸内細菌叢に与える影響は研究中であり、過剰摂取は推奨されません。
✅ 対策:日常補給は水を基本とし、スポドリは運動時に限定
MISTAKE⑦
食前に飲まず食欲コントロールの機会を逃す
食前30〜40分の500ml摂取はダイエット補助として研究で確認されています(Dennis et al., 2010)。この習慣を取り入れていないだけで、毎食数十〜100kcalの差が生まれやすくなります。
✅ 対策:3食すべての食前30〜40分に500mlの水を習慣化
筋トレ入門ガイド——水分補給と筋トレの基本 筋トレ効果を下げる食習慣・飲み物

09 DAILY PLANトレーニング日・休養日別の水分補給プラン

トレーニング日のモデルスケジュール

6:30 起床
起床直後
白湯または水 200〜300ml
睡眠中の脱水補給・代謝スタート
7:30 朝食
食前30〜40分
水 500ml
代謝促進×食欲抑制の最適タイミング(7:00〜7:10ごろ飲む)
12:00 昼食
食前30〜40分
水 500ml
昼食前にも同じタイミングで(11:20〜11:30ごろ)
15:30 運動前
運動30〜60分前
水 400〜600ml
プレハイドレーション完了
16:00〜17:00 運動中
運動中
15〜20分ごとに150〜250ml
合計400〜750ml。1時間以上の場合は電解質飲料も
17:00 運動後
運動直後から2時間以内
体重差×1.5倍
体重計で確認し補給量を決める
18:30 夕食
食前30〜40分
水 500ml
21:00 就寝前
就寝1〜2時間前
白湯または水 200ml
睡眠中の脱水予防。就寝直前の大量摂取は避ける

休養日・ディロード時の水分管理

休養日は運動量が減るため発汗量も少なくなりますが、筋肉の修復・グリコーゲン再合成・老廃物の除去に水分は必要です。休養日も体重×30ml/日を目安に補給を継続し、食前水習慣も維持します。ディロード期間(軽い運動週)も同様で、補給量は運動日より100〜300ml程度少なくして調整します。

休養週(ディロード)の過ごし方と水分管理

よくある質問

筋トレ中の水分補給はどれくらい必要ですか?
Sawka et al.(ACSM, 2007)の推奨として、運動前に約400〜600ml、運動中は15〜20分ごとに150〜250ml、運動後は失った体重×1.5倍の補給が目安です。体重60kgの人が1時間の筋トレで0.5〜1kg減少した場合、運動後は750〜1,500mlの補給が必要になります。
水分補給に塩分は必要ですか?
60分以上の運動・大量発汗を伴う場合は塩分(ナトリウム)の補給も重要です。Sawka et al.(ACSM, 2007)は1Lあたり0.5〜0.7gのナトリウムを含む補給液を推奨しています。30〜45分程度の軽い筋トレであれば水だけで十分です。
スポーツドリンクと経口補水液はどう使い分けますか?
スポーツドリンクは1時間以上の持久系運動・高強度運動中〜後のエネルギー+電解質補給に。経口補水液は大量発汗・下痢・嘔吐・脱水症状回復に。ダイエット中はスポーツドリンクの糖質(25〜50g/本)に注意が必要です。
食前に水を飲むとダイエット効果がありますか?
はい、Dennis et al.(Obesity, 2010)の12週間のRCTで、食前500mlの水摂取を組み合わせたグループが低カロリー食のみのグループより有意に大きな体重減少を示しました。食前30〜40分が代謝促進×食欲抑制の最適なタイミングです。
水を飲むだけで脂肪は燃えますか?
水の摂取で代謝がわずかに高まることは研究で示されています(Boschmann et al., 2003)が、1日の追加消費は17〜68kcal程度です。水単独での大幅な脂肪燃焼は現実的ではなく、運動と食事管理の補助として活用することが重要です。
体重が急に増えたのは水分(むくみ)のせいですか?
体重の急激な変動(1〜2日で1〜2kg以内)は多くの場合、水分変動(むくみ・グリコーゲン貯蔵・排便タイミング等)によるものです。体脂肪1kgの増加には約7,700kcalの過剰摂取が必要なため、数日での数kg増は脂肪ではなく水分変動の可能性が高いです。

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まとめ

水分補給は「飲めばいい」から「戦略的に飲む」へ。3つの原則を実践することで、筋トレパフォーマンスとダイエット成果の両方を底上げできます。

  • 原則①こまめに・少量ずつ・電解質とともに(15〜20分ごと・60分以上はナトリウム補給も)
  • 原則②食前30〜40分・起床直後・間食衝動時の戦略的タイミングで飲む(ダイエット効果の最大化)
  • 原則③毎日均等に飲む習慣をつける(体重×30ml/日を基準に活動量で調整)
  • 体重2%の脱水でパフォーマンスが有意に低下(Sawka et al., ACSM, 2007)
  • 500ml飲水後30〜40分で代謝率が最大30%上昇するが、1日の追加消費は17〜68kcal程度(Boschmann et al., 2003)
  • 食前500mlの水摂取が12週間の体重減少を有意に増大させた(Dennis et al., Obesity, 2010)
  • 運動後の補給は「失った体重×1.5倍」が目標(McCartney et al., Sports Med Open, 2017)
  • スポーツドリンクは1時間以上の運動時に有効。ダイエット中は糖質量に注意

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関連記事

参考文献・科学的根拠

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  2. 2Boschmann M, Steiniger J, Hille U, Tank J, Adams F, Sharma AM, Klaus S, Luft FC, Jordan J. “Water-induced thermogenesis.” J Clin Endocrinol Metab. 2003 Dec;88(12):6015-9. doi:10.1210/jc.2003-030780. フランツ・フォルハルト臨床研究センター(ドイツ)。正常体重成人14名(男女各7名)を対象とした全室間接カロリメトリー研究。500ml飲水後10〜30〜40分で安静時代謝率が最大30%上昇することを確認。男性は主に脂質・女性は炭水化物からの熱産生が増加。水の代謝促進効果(1日1.5L増加で約200kJ追加消費)の根拠として参照。 PMID:14671205
  3. 3Dennis EA, Dengo AL, Comber DL, Flack KD, Savla J, Davy KP, Davy BM. “Water consumption increases weight loss during a hypocaloric diet intervention in middle-aged and older adults.” Obesity (Silver Spring). 2010 Feb;18(2):300-7. doi:10.1038/oby.2009.235. Epub 2009 Aug 6. バージニア工科大学(米国)。55〜75歳の過体重・肥満成人48名を対象にした12週間のランダム化比較試験。低カロリー食+食前500ml水摂取群が低カロリー食のみ群と比較して有意に大きな体重減少を示した。食前水摂取による食欲抑制・体重管理への効果の根拠として参照。 PMID:19661958
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