QUICK ANSWER

筋肥大を妨げるNG食習慣7選:
アルコール(MPS最大37%低下) ❷ 超加工食品(慢性炎症→筋分解) ❸ 高GI食品の過剰摂取(コルチゾール上昇→筋分解)
過度な脂質制限(テストステロン低下) ❺ 運動後の長時間栄養枯渇 ❻ タンパク質不足(体重×1.6g/日未満)
睡眠前の高糖質食(成長ホルモン分泌阻害)

01 WHY DIET MATTERS FOR MUSCLE GROWTHなぜ食事が筋肥大を左右するのか——MPSのしくみと4つの必要条件

筋トレ(レジスタンストレーニング)は、筋繊維に微細な損傷を与えることで「より太く・強く修復せよ」というシグナルを筋細胞に送ります。このシグナルを受けて起きる「筋タンパク質合成(MPS)」は、運動後2〜24時間にわたって亢進し続けます。しかしMPSが正常に機能するためには、以下の4条件が揃っていることが必要です。

筋タンパク質合成(MPS)が起きる4つの必要条件

条件役割妨げる食習慣
①十分なアミノ酸供給mTOR経路を活性化してタンパク質合成を開始タンパク質不足・食事スキップ
②インスリン分泌アミノ酸の筋細胞への取り込みを促進高GI食品による過剰→低血糖→コルチゾール上昇
③抗炎症環境慢性炎症があるとNF-κB経路が筋分解を促進超加工食品・アルコール・トランス脂肪酸
④適切なホルモン環境テストステロン・成長ホルモンが筋合成を促進過度な脂質制限・睡眠前高糖質食・アルコール

「頑張って筋トレしているのに増えない」が食事側で起きる理由

多くの場合、4条件のうち複数が同時に崩れています。たとえば「筋トレ後にアルコールを飲み(③④を阻害)、夜遅い時間に菓子パンを食べ(②を乱す)、脂質制限をしながらタンパク質も少ない食事(①④を阻害)」という組み合わせは、トレーニング効果をほぼゼロにします。

02 NG HABITS FOR MUSCLE GROWTH筋肥大を妨げるNG食習慣7選——科学的根拠・置き換え食材・年代別注意点

NG① アルコール

アルコール——MPSを最大37%低下させるメカニズム

Parr et al.(2014 / PMID:24533082)の研究では、筋トレ後にアルコール(体重1kg当たり1.5g)を摂取した場合、プロテイン単独条件と比較してMPSが37%低下しました。プロテインと同時摂取でも24%低下が確認されています。アルコールはmTOR・p70S6K(筋タンパク合成の主要制御酵素)のリン酸化を直接抑制します。

MPS亢進率の比較(安静時比)

✅ プロテインのみ:+109%
⚠️ アルコール+プロテイン:+57%(−52ポイント)
❌ アルコール+炭水化物:+29%(−80ポイント)

置き換え・改善策:筋トレ日のアルコールはゼロが理想。飲む場合は筋トレのない休養日に量を抑える(体重60kgの目安:0.5g/kg以下=ビール500ml・日本酒1合以内)。
30〜60代の注意:40代以降は肝臓のアルコール代謝酵素の活性が低下し、同量でも血中アルコール濃度が高く・持続時間が長くなります。「飲む日は筋トレなし」のルール化が特に有効です。
NG② 超加工食品

超加工食品——慢性炎症がNF-κB経路を活性化して筋分解を促進するしくみ

Tristan Asensi et al.(2023 / PMID:36986276)のレビューでは、超加工食品(UPF:ファストフード・インスタント食品・菓子パン・スナック菓子)の過剰摂取がCRP・IL-6・TNF-α(炎症性サイトカイン)を有意に上昇させ、慢性的な低グレード炎症を引き起こすことが示されています。この炎症はNF-κB経路を活性化してユビキチン-プロテアソーム系(筋タンパク分解系)を促進します。

避けるべき置き換え先タンパク質量
カップラーメンサラダチキン+おにぎり約25〜30g
菓子パンゆで卵2個+バナナ約14g
スナック菓子素焼きミックスナッツ25g約6g
ファストフード(回復食として)ギリシャヨーグルト(無糖)+全粒粉パン約18g
30〜60代の注意:40代以降は慢性炎症からの回復能力が低下するため、超加工食品の影響が筋回復遅延として直接現れやすくなります。「週に何回食べているか」を意識するだけで改善の入口になります。
NG③ 高GI食品の過剰摂取

高GI食品の過剰摂取——血糖値スパイク→コルチゾール上昇→筋肉分解サイクル

高GI食品(白パン・砂糖入り飲料・菓子類)→血糖値急上昇→過剰インスリン分泌→低血糖→コルチゾール(ストレスホルモン)分泌増加→筋肉の分解促進(mTOR・p70S6K抑制)。特に筋トレ後の高GI食品の過剰摂取はこのサイクルを増幅します。

高GI(避ける)GI値低GI(置き換え先)GI値
白パン70以上全粒粉パン50〜55
砂糖入り清涼飲料水65以上水+BCAA
白米(過剰摂取)73玄米55〜60
菓子類65〜80オートミール55
⚠️ 炭水化物を全カットするのは誤りです。「高GIを低GIに置き換える」が正解で、「炭水化物ゼロ」は筋肥大を妨げます。
ダイエット停滞期の抜け出し方
NG④ 過度な脂質制限

過度な脂質制限——テストステロン低下と筋肥大阻害の関係

テストステロン(筋肥大に最も重要な同化ホルモン)はコレステロールを原料として合成されます。脂質摂取を総カロリーの15%以下に極端に制限すると、テストステロン分泌が有意に低下することが複数の研究で確認されています。

種類食材例1日の目安主な働き
オメガ3(EPA・DHA)サバ・サーモン・亜麻仁油青魚1食/日抗炎症・テストステロン支援
一価不飽和脂肪酸アボカド・オリーブオイル・アーモンドアーモンド20〜30g/日LDL低下・心血管保護
飽和脂肪酸(適量)卵・赤身肉卵2個程度/日テストステロン合成の原料
30〜60代の注意:50〜60代男性は加齢によるテストステロン低下が進行しており、脂質制限がさらに低下を加速させます。「ダイエット中だから脂質カット」ではなく「良質な脂質を毎日少量継続摂取」が最低ラインです。
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NG⑤ 運動後の長時間栄養枯渇

運動後の長時間栄養枯渇——「30分神話」の誤解と4〜6時間ウィンドウの正しい理解

Aragon & Schoenfeld(2013)の研究が示したように、「運動後30分以内に食べないと筋肉がつかない」という神話は否定されています。前後4〜6時間の食事量のほうがタイミングより重要です。ただし空腹状態での筋トレ後は即時摂取の効果が高まります。

最も問題になる3つのパターン

❌ 夜に筋トレ→帰宅が深夜→食事なしで就寝
❌ 昼休みに筋トレ→午後の仕事で補食なし→夕食まで5〜6時間の栄養枯渇
❌ 朝トレ→プロテインなし→昼食まで何も食べない

実践的な対処法:深夜帰宅後なら少量でもホエイプロテイン20g(水に溶かして30秒)だけでも摂取することが、「何も食べない」より大幅にMPSを改善します。
30〜60代の注意:40代以降はタンパク質の筋肉への同化効率が低下する「同化抵抗性」が高まります。1食あたりのタンパク質を30〜40gに増やすことが推奨されます。
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NG⑥ タンパク質不足

タンパク質不足——体重×1.6g/日を下回ると筋肥大が止まる根拠

Morton et al.(2018 / PMID:28698222)の49の研究・1800名以上のメタ分析では、1日のタンパク質摂取量が体重×1.62g/日を超えると筋肥大が有意に促進され、それ以下では効果が限定的になることが確認されています。

体重最低ライン(×1.6g)筋肥大最適(×2.0g)減量中推奨(×2.2g)
55kg88g110g121g
65kg104g130g143g
75kg120g150g165g
85kg136g170g187g

体重75kgで150g(×2.0g)を達成する食材換算例:

食材タンパク質
鶏胸肉(皮なし)200g約46g
3個約18g
ギリシャヨーグルト(無糖)200g約20g
サバ缶(水煮)1缶(190g)約26g
ホエイプロテイン1杯(30g)約24g
合計約134g+野菜・米で150g達成
30〜60代の注意:50〜60代は筋タンパク質の同化抵抗性がさらに高まるため、目安を体重×2.0〜2.4gに引き上げることが推奨されます。1食にまとめて摂るより3〜5食に分散(1食20〜40g)する方が吸収効率が上がります。
タンパク質が多い食べ物ランキングTOP30
NG⑦ 睡眠前の高糖質食

睡眠前の高糖質食——成長ホルモン分泌を妨げる就寝前の食事パターン

成長ホルモン(GH)は入眠後の深睡眠期(ノンレム睡眠の第3〜4段階)に最も多く分泌され、筋タンパク質合成と脂肪分解を促進します。就寝前に高GI・高糖質の食事をするとインスリンが分泌され、GH分泌を抑制します(インスリンとGHは拮抗関係)。

避けるべき(GH分泌阻害)代わりに摂るべき(GH分泌を妨げない)
白米・菓子パン・アイスクリームカゼインプロテイン30g(ミセル状カゼイン推奨)
砂糖入りドリンクカッテージチーズ100g
菓子類・スナックギリシャヨーグルト(無糖)150g
ラーメン・うどん(深夜)無糖ホットミルク+少量のナッツ
30〜60代の注意:40代以降はGHの基礎分泌量が低下します(20代比で30〜50%減)。この限られたGH分泌を睡眠前の食事で阻害することは、若年者より損失が大きくなります。「深夜のお菓子・ラーメン」は筋肥大を最も効率よく妨げる習慣の一つです。
筋トレと睡眠の科学的関係|成長ホルモンを最大化する睡眠戦略
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03 SUMMARY TABLENG食習慣7選 早見表+年代別・最優先NGランキング

7選 早見表

NG習慣筋肥大への影響最優先の改善策影響度
①アルコールMPS最大37%低下筋トレ日はゼロ🔴 高
②超加工食品慢性炎症→筋分解促進コンビニ置き換え(表参照)🔴 高
③高GI食品過剰コルチゾール上昇→筋分解低GI食品に置き換え🟡 中〜高
④過度な脂質制限テストステロン低下良質な脂質を毎日少量🟡 中〜高
⑤運動後栄養枯渇MPS機会の完全損失最低限プロテイン20g🔴 高
⑥タンパク質不足mTOR活性化不全体重×1.6〜2.0g/日確保🔴 高
⑦睡眠前高糖質食GH分泌阻害→MPS低下就寝前はカゼインに変更🟡 中

年代別・最優先で直すべきNG習慣

年代最優先NG理由
30代NG①アルコール+NG⑤運動後栄養枯渇仕事・付き合いで飲む機会が多い。回復力はまだあるが習慣が定着する前に修正が重要
40代NG③高GI食品+NG⑥タンパク質不足インスリン感受性が低下し始め、血糖値管理と十分なタンパク質確保が筋肥大を左右する
50代NG④脂質制限+NG⑦睡眠前高糖質食テストステロン・GHの低下が加速。脂質と睡眠の質の確保が最優先課題
60代NG⑥タンパク質不足+NG⑤運動後栄養枯渇同化抵抗性が最も高く、タンパク質量と摂取タイミングの両方を底上げしないと筋肥大が起きにくい
40代以降の筋トレ習慣 50代の体脂肪・お腹周りが落ちない原因と対策

04 MEAL TIMING筋肥大を最大化する食事タイミング——運動前・中・後・就寝前の4段階設計

運動前2〜3時間——プレワークアウトミールの設計

筋トレのエネルギー源であるグリコーゲンを満たした状態で臨むことが大前提です。

推奨の組み合わせ

🍚 炭水化物40〜80g(玄米150g・全粒粉パン2枚程度)
🥩 タンパク質20〜30g(鶏胸肉100g・卵2〜3個)
🛑 脂質は少量(揚げ物・高脂質食は消化に時間がかかるため避ける)
⏱️ 時間がない場合(30〜60分前):バナナ1本+ホエイプロテイン1杯で代替可能

運動中——水分補給と補食の判断基準

1時間以内の筋トレなら水のみで十分です。糖質入りスポーツドリンクは不要(短時間筋トレではグリコーゲン枯渇が起きにくい)。1.5時間を超える長時間セッションでは電解質(ナトリウム・カリウム)の補給を検討します。

運動後30分〜2時間——「アナボリックウィンドウの神話」の正しい理解と実践

「30分以内に食べないと筋肉がつかない」は誤りです。より重要なのは「運動後に長時間(3時間以上)何も食べない状態を作らないこと」です。

実践的な優先順位

🥇 ホエイプロテイン20〜30g(最優先・準備が簡単)
🥈 炭水化物30〜50g(グリコーゲン補充。空腹状態での筋トレ後ほど重要)
🥉 通常の食事で代替可能(食前に食事していた場合は4〜6時間以内でOK)

就寝前——カゼインプロテインで睡眠中のMPSを持続させる

就寝30〜60分前にカゼインプロテイン30〜40g(またはカッテージチーズ・ギリシャヨーグルト無糖)を摂取すると、ゆっくり消化されるカゼインが睡眠中7〜8時間にわたって持続的にアミノ酸を供給し、MPS維持に貢献します。ISSNの2018年ポジションスタンドでも就寝前タンパク質の有効性が確認されています。

筋トレと睡眠の科学的関係|成長ホルモンを最大化する睡眠戦略

05 PFC DESIGN増量期・減量期別の食事設計——数値で理解するPFC設計と年代別調整

増量期(筋肉量を増やしたい)——カロリー・PFC設計と3つの落とし穴

基本設計(体重65kgの例):

項目数値食材換算
総カロリーTDEE+300〜400kcal(約2,500〜2,800kcal)脂肪増加を最小にする小幅余剰
タンパク質体重×1.8〜2.0g=117〜130g鶏胸肉200g+卵3個+プロテイン1杯
炭水化物総カロリーの45〜55%玄米150g×3食+バナナ1本
脂質総カロリーの25〜30%青魚1食+ナッツ25g+卵黄
⚠️ 増量期の3つの落とし穴:①「増量中だから何でも食べていい」→NG①②③が重なりMPSが阻害される②タンパク質より炭水化物優先で摂取量比が崩れる③アルコール多用→テストステロン低下→筋肥大効率が下がる
1年で筋肉量はどれくらい増えるか|年間増量ロードマップ

減量期(脂肪を落としながら筋肉を守る)——リコンポジションの条件と食事設計

基本設計(体重65kgの例):

項目数値注意点
総カロリーTDEE-300〜400kcal500kcal以上の制限は筋分解を加速
タンパク質体重×2.0〜2.4g=130〜156g筋肉保護のため増量期より高めに設定
炭水化物総カロリーの35〜45%(低GI中心)完全カットはグリコーゲン枯渇→筋力低下
脂質総カロリーの20〜30%20%以下に制限するとテストステロン低下

30〜60代の年代別調整ポイント

年代調整ポイント具体的な変更
30代基本設計でほぼOK週3回筋トレ+体重×1.8g/日確保が最優先
40代インスリン感受性低下に対応炭水化物を低GI食品中心に変更・食べる順番を徹底
50代テストステロン・GH低下に対応良質な脂質を意識的に増量・睡眠前補食をカゼインに変更
60代同化抵抗性の高まりに対応タンパク質を体重×2.0〜2.4gに引き上げ・1食30〜40gに分散

06 WEEKLY SCHEDULE1週間の食事×トレーニングスケジュール例——忙しい30〜60代向け実践設計

標準版(週3回筋トレ)

曜日区分食事ポイント
月・水・金筋トレ日朝:オートミール50g+卵2個 / 昼:鶏胸肉150g+玄米150g / 筋トレ後:プロテイン25g+バナナ / 夜:魚or豆腐+野菜+ご飯少量 / アルコールゼロ
火・木休養日朝:卵2〜3個+全粒粉トースト / 昼:サバ缶丼or外食(高タンパク選択) / 間食:ナッツ25g+果物 / 夜:タンパク質多め+野菜 / 飲酒するなら少量をこの日に
土・日休養or軽活動炭水化物を活動量に合わせて調整 / 1日のタンパク質総量を確認(目標量を下回らないように) / 良質な脂質(アボカド・青魚)を意識補給
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時短版——コンビニ活用・深夜帰宅後の最低限プロトコル

タイミング内容時間
朝(5分)ホエイプロテイン1杯(25g)+バナナ1本調理不要
昼(コンビニ)サラダチキン(約25g)+おにぎり1〜2個+野菜サラダ5分で完結
筋トレ後(深夜帰宅)ホエイプロテイン20g(水シェイク)+就寝前カゼイン30g「食べない」より絶対に優先
翌朝で補完卵3個スクランブル+全粒粉パン+ギリシャヨーグルト前日の回収食
外食・コンビニでのPFCバランスの整え方

週末セルフチェックリスト——7項目で今週のNG習慣を振り返る

週1回・土日に確認する7項目チェックリスト
  • 筋トレ日にアルコールを飲まなかった
  • 筋トレ後2時間以内に何か食べた(プロテインのみでもOK)
  • 今週の食事で超加工食品は3回以下だった
  • 1日のタンパク質摂取量が体重×1.6g以上だった
  • 脂質を完全にカットする日がなかった
  • 就寝前に菓子・白米の大量摂取をしなかった
  • 高GI食品を低GIに置き換える食事が1食以上あった

7項目中5つ以上チェックできていれば、食事側のNG習慣は概ねコントロールできています。

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よくある質問

筋トレしているのに筋肉が増えない一番の原因は何ですか?
多くの場合、食事側の複数の要因が重なっています。最も多いのは「タンパク質不足(体重×1.6g/日未満)」「運動後の長時間栄養枯渇」「アルコールの習慣的摂取」の3つの組み合わせです。週3回以上筋トレをして3ヶ月経っても体型変化がない場合、まず週末セルフチェックリストで自分のNG習慣を特定することが最初の一手です。
筋トレ後のビール1缶はNGですか?量の目安は?
Parr et al.(2014)の研究では体重1kg当たり1.5gのアルコール摂取でMPSが37%低下しています。少量(体重60kgで0.5g/kg以下=ビール350ml程度)であれば影響は小さいとする見解もありますが、筋トレ後2〜8時間がMPS最大化のゴールデンタイムです。「筋トレ日はゼロ・飲むなら休養日の少量」が最もリスクを下げる運用です。
コンビニで筋トレに適した食事の組み合わせを教えてください。
筋トレ後の回復食として最適な組み合わせは「サラダチキン(約25g)+おにぎり1〜2個+ゆで卵2個+ギリシャヨーグルト無糖」で、タンパク質約50〜55g・炭水化物約50〜60gを確保できます。避けるべきは「菓子パン・カップラーメン・揚げ物」の組み合わせで、超加工食品+高GIが重なり慢性炎症とコルチゾール上昇を同時に引き起こします。
プロテインだけ飲んでいれば食事は適当でもいいですか?
プロテインは筋肥大の「必要条件」ですが「十分条件」ではありません。超加工食品中心の食事(慢性炎症でMPS阻害)・過度な脂質制限(テストステロン低下)・睡眠前の高糖質食(GH分泌阻害)が重なっていれば、プロテインの効果は大幅に削がれます。プロテインは「食事全体の土台を整えた上での補完ツール」と位置付けてください。
40代・50代・60代で特に気をつけるべきNG習慣はどれですか?
40代はインスリン感受性の低下が始まるため、NG③高GI食品とNG⑥タンパク質不足が最優先です。食べる順番(野菜→タンパク質→炭水化物)の徹底と、タンパク質を体重×1.8g以上に引き上げることが最初の一手です。50代はテストステロン・成長ホルモンの低下が加速するため、NG④過度な脂質制限とNG⑦睡眠前の高糖質食が最優先です。60代は筋タンパク質の同化抵抗性が最も高まるため、NG⑥タンパク質不足とNG⑤運動後の長時間栄養枯渇が最優先です。体重×2.0〜2.4g/日を1食30〜40gに分散して摂ることと、筋トレ後の補食を絶対に省かないことが最低条件です。

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この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。

まとめ:今週から変えられる3つの優先アクション

最優先①「筋トレ日のアルコールをゼロにする」:科学的に最もMPSへの影響が大きく(最大37%低下)、かつ「筋トレ日だけ飲まない」というシンプルなルールで実践できます。まずここから始めてください。

優先②「運動後2時間以内にプロテイン20gを確保する」:「完璧な食事」は不要です。深夜帰宅後でもホエイプロテイン20g(水に溶かして30秒)だけでMPS機会の損失を防げます。

推奨③「週末セルフチェックリストで7項目を振り返る」:H2⑥の7項目チェックリストを週1回習慣化するだけで、自分のNG習慣が可視化されます。5つ以上チェックできるようになれば、食事側の改善は十分機能しています。

科学的根拠:

  • 筋トレ後アルコール(1.5g/kg)でMPS最大37%低下・プロテイン同時摂取でも24%低下(Parr et al., 2014 / PMID:24533082)
  • 超加工食品の過剰摂取がCRP・IL-6・TNF-αを有意に上昇させNF-κB経路を活性化(Tristan Asensi et al., 2023 / PMID:36986276)
  • タンパク質×1.62g/kg/日を超えると筋肥大が有意に促進(49研究・1800名超メタ分析)(Morton et al., 2018 / PMID:28698222)

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関連記事

参考文献・科学的根拠

  1. 1Parr EB, Camera DM, Areta JL, Burke LM, Phillips SM, Hawley JA, Coffey VG. “Alcohol ingestion impairs maximal post-exercise rates of myofibrillar protein synthesis following a single bout of concurrent training.” PLoS One. 2014 Feb 12;9(2):e88384. doi:10.1371/journal.pone.0088384. 身体活動的な男性8名によるランダム化クロスオーバー試験。レジスタンス運動(脚伸展8×5回・80% 1RM)+有酸素運動後に①ホエイプロテイン(PRO)②アルコール+プロテイン(ALC-PRO)③アルコール+炭水化物(ALC-CHO)を摂取。MPS亢進率はPRO群+109%・ALC-PRO群+57%・ALC-CHO群+29%(安静時比)。アルコール摂取がmTOR・p70S6Kのリン酸化を直接抑制することを示す。本記事の「NG①アルコール・MPS最大37%低下」の根拠として引用。 PMID:24533082
  2. 2Tristan Asensi M, Napoletano A, Sofi F, Dinu M. “Low-grade inflammation and ultra-processed foods consumption: A review.” Nutrients. 2023 Mar 22;15(6):1546. doi:10.3390/nu15061546. 超加工食品(UPF)の過剰摂取と低グレード炎症の関係を体系的にレビュー。UPFに含まれる人工添加物・乳化剤が腸内細菌叢の乱れ→腸管透過性上昇→内毒素血症→全身性炎症を引き起こすメカニズムを詳述。CRP・IL-6・TNF-αの有意な上昇とNF-κB経路の活性化を通じてユビキチン-プロテアソーム系による筋タンパク分解が促進されることを示す。本記事の「NG②超加工食品・慢性炎症→筋分解」の根拠として引用。 PMID:36986276
  3. 3Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, Schoenfeld BJ, Henselmans M, Helms E, Aragon AA, Devries MC, Banfield L, Krieger JW, Phillips SM. “A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults.” Br J Sports Med. 2018;52(6):376-384. doi:10.1136/bjsports-2017-097608. Epub 2017 Jul 11. 49の無作為化比較試験・1800名以上を含む大規模メタ分析。1日のタンパク質摂取量が体重×1.62g/日を超えると筋肥大が有意に促進され、それ以上の摂取(〜2.2g/kg/日)でさらなる効果が得られることを確認。年齢(加齢とともに効果が減弱)・トレーニング経験(初心者ほど効果大)をモデレーターとして同定。本記事の「NG⑥タンパク質不足・体重×1.62g/日閾値」の根拠として引用。 PMID:28698222