⚡ QUICK ANSWER
  • PPL法の週5は、胸・肩・三頭と背中・二頭が週2回、脚が週1回の配置になります
  • Push→Pull→Legsの順に並べると、前日に使った筋群が翌日の主動筋になりません
  • 頻度そのものより総ボリュームが効きます(Schoenfeld 2019)。週5は1日の量を抑えて総量を積む形です
  • 4〜6週間ごとに1週間のディロード(推定1RMの50〜60%)を挟みます
  • タンパク質は体重1kgあたり1.4〜2.0g/日が国際スポーツ栄養学会の推奨値です
2回/1回
上半身と脚の週あたり回数
4〜6週間
ディロードを挟むサイクル
1.4〜2.0g/kg
ISSN推奨のタンパク質量

「週5で筋トレしたいけど何をどの順番でやればいい?」——PPL法は、Push(胸・肩・三頭)・Pull(背中・二頭)・Legs(下半身)の3カテゴリを週5日に配置する分割法です。上半身は週2回、脚は週1回になるので、1日あたりの種目数を抑えたまま週の総ボリュームを確保できます。各曜日の具体的メニュー・重量・セット数・休息日の組み方と、この分割法が向かない人まで、調布THE FITNESSの18年の指導経験をもとに解説します。

SEC01 BASICSPPL法って本当に週5でやっていいの?

PPL法とは何か?3分でわかる基本原則

PPL法(Push-Pull-Legs)は、筋群を「押す動作(Push)」「引く動作(Pull)」「脚(Legs)」の3つに分類する分割トレーニング法です。

カテゴリ 主な筋群 代表種目
Push(プッシュ) 大胸筋・三角筋・上腕三頭筋 ベンチプレス・ショルダープレス・ディップス
Pull(プル) 広背筋・僧帽筋・菱形筋・上腕二頭筋 懸垂・ケーブルロウ・バーベルロウ・カール
Legs(レッグス) 大腿四頭筋・ハムストリングス・臀筋・ふくらはぎ スクワット・デッドリフト・レッグプレス

週3・週4・週6と比べて週5を選ぶ理由

頻度 上半身/脚の回数 適正レベル 向き・不向き
週3 PPL 1回 / 1回 初〜中級者 回復に余裕 / 総量が不足しがち
週4 PPL 1〜2回 / 1回 中級者 曜日が週で変わる
週5 PPL 2回 / 1回 中級者 曜日が固定できる / 脚は週1回
週6 PPL 2回 / 2回 上級者 総量を積める / 回復管理が難しい

頻度とボリュームのどちらが効くのか(2016年と2019年の2本)

🔬 Schoenfeld et al.(2016・2019)より

Schoenfeldら(2016)のメタアナリシスは、総トレーニングボリュームを揃えて比較した場合に、各筋群を週2回鍛えることが週1回より筋肥大に優れると結論しています(PMID:27102172)。

ただし同じ著者らの2019年のシステマティックレビューは、結論が変わっています。研究数を増やして解析し直すと、「ボリュームを揃えた場合、トレーニング頻度は筋肥大に有意または意味のある影響を与えないという強い根拠がある。したがって、総ボリュームが同じであれば、筋群ごとの週あたり頻度は本人の好みで選べる」と述べています(PMID:30558493)。2016年は週1回と週2回の比較、2019年は週1回から週3回以上までを含めた比較です。

この2本を合わせると、週5 PPLの利点は「頻度が高いこと」ではありません。1回のセッションに詰め込む種目数を抑えたまま、週あたりの総セット数を積みやすい配置であることです。週5日ジムに行ける人にとっては、1日2時間を週3回やるより、1日1時間を週5回に割ったほうが集中力とフォームを保ちやすい、という実務上の理由で選ぶ分割法です。

脚については、この記事の週5の組み方では週1回になります。2016年の結論は主要筋群すべてを週2回としていますが、2019年の結論に立てば総ボリュームが確保できていれば週1回でも成立します。脚を週2回にしたい場合は週6への移行が必要で、その手順はsec09に書いています。

SEC02 PROGRAM DESIGN週5 PPLプログラムの全体設計

曜日別スケジュール例(月〜金 / 火〜土)

2種類のスケジュールパターンをご紹介します。生活リズムに合った方を選んでください。

パターンA:月〜金スケジュール

MON
Push A
胸・肩・三頭
TUE
Pull A
背中・二頭
WED
Legs A
下半身全体
THU
Push B
胸・肩・三頭
FRI
Pull B
背中・二頭

※ 土・日:完全休息 or アクティブリカバリー(ウォーキング等)

パターンB:火〜土スケジュール(週末も活動したい方向け)

曜日 月 火 水 木 金 土 日
メニュー REST Push A Pull A Legs A Push B Pull B REST

トレーニング前後の準備も筋肥大効率と怪我予防に直結します。特に高強度日が連続するPPL週5では、以下を参考に各セッション前後のルーティンを固定しておくことをおすすめします。

筋トレのウォームアップ・クールダウンのやり方

Push A / Push B・Pull A / Pull Bの配置ロジック

  • A(1サイクル目):メインコンパウンドに集中。高強度・低〜中レップで神経系を強化
  • B(2サイクル目):アイソレーション比率を高め、代謝ストレスと筋肥大を促進
  • Legsは週1回:脚は最も大きな筋群で回復に48〜72時間以上かかるため、週1回配置が基本。週6移行時に2回へ増加
  • Push→Pull→Legs の順番:前日に使った筋群が翌日に主動筋にならない配置。三頭筋(Push)→広背筋(Pull)は同じ腕の動作でも主動筋が異なるため問題なし

腹筋・カーフはどこに入れるか

この週5の組み方には腹筋の種目が入っていません。意図的に外しています。スクワット・デッドリフト・ベントオーバーロウで体幹は等尺性に働いているので、優先度としては最後です。入れるなら次の形にしてください。

  • 腹筋:Pull Aの最後に3種目×各3セット(レッグレイズ・ケーブルクランチ・プランク)。Pullの日に置くのは、Pushの日は三頭、Legsの日は脊柱起立筋がすでに疲れているためです
  • カーフ:Legs Aのスタンディングカーフレイズ4×15〜20で足ります。週2回にしたい場合はPush Bの最後に3セット追加します
  • どちらも種目を足した分だけ総セット数が増えるので、足した週は他の単関節種目を1〜2セット減らして総量を揃えてください

SEC03 PUSH DAYPush(プッシュ)デイ|胸・肩・三頭筋メニュー

Push A(月・コンパウンド重視)

種目 タイプ セット×レップ インターバル 備考
バーベルベンチプレス 複合 4×4〜6 3分 1RMの75〜85%
インクラインDBプレス 複合 3×8〜10 2分 上部大胸筋を強調
バーベルショルダープレス 複合 4×6〜8 2.5分 三角筋前部・中部
サイドレイズ 単関節 3×12〜15 1分 肘を軽く曲げて実施
ケーブルトライセップスプッシュダウン 単関節 3×12〜15 1分 肘を固定して肘伸展

Push B(木・アイソレーション強化)

種目 タイプ セット×レップ インターバル 備考
ダンベルフラットプレス 複合 4×8〜12 2分 可動域を広く使う
ペックデック(ケーブルフライ) 単関節 3×12〜15 1.5分 収縮位で1秒ホールド
DBアーノルドプレス 複合 3×10〜12 1.5分 三角筋3頭を刺激
ケーブルサイドレイズ 単関節 3×15〜20 1分 ストレッチ強調
オーバーヘッドトライセップスエクステンション 単関節 3×12〜15 1分 長頭を強調

インターバルの長さは種目の強度によって変えるのが基本です。目的別・種目別のインターバル設定については以下で詳しく解説しています。

筋トレのインターバルは何分が正解か
⚠️ 中級者がやりがちなNG例:
  • ベンチプレスで肩甲骨を寄せずに行う(肩への負担増大・大胸筋が使えない)
  • ショルダープレスで腰を反らせすぎる(腰椎への圧迫リスク)
  • サイドレイズで反動を使いすぎる(三角筋ではなく僧帽筋が主に働く)

サイドレイズはPushの日かPullの日か

サイドレイズはPushの日に入れています。三角筋中部は肩関節の外転なので、肩関節の屈曲(ベンチプレス・ショルダープレス)と同じ「押す」系の神経筋パターンに近いためです。

ただしPushの日に入れると、ベンチプレスとショルダープレスで三角筋前部が疲れた後に中部を鍛えることになります。肩の幅を優先したい時期は、サイドレイズをPull Bの先頭に移してください。Pullの日は三角筋後部(フェイスプル・リアデルトフライ)を扱うので、中部と後部をまとめたほうが肩のボリュームを集中させられます。

三角筋の3部位の配置はこうなります。

部位 配置する日 主な種目
前部 Push A・Push B ショルダープレス
中部 Push(または Pull B) サイドレイズ
後部 Pull A・Pull B フェイスプル

SEC04 PULL DAYPull(プル)デイ|背中・二頭筋メニュー

Pull A(火・懸垂・バーベルロウ中心)

種目 タイプ セット×レップ インターバル 備考
ウェイテッドチンアップ(懸垂) 複合 4×4〜6 3分 自重が余裕なら加重
バーベルベントオーバーロウ 複合 4×6〜8 2.5分 腰背部もウォームアップ必須
ケーブルロウ 複合 3×10〜12 2分 肩甲骨を引き寄せる
フェイスプル 単関節 3×15〜20 1分 三角筋後部・回旋腱板保護
バーベルバイセップスカール 単関節 3×10〜12 1分 肘を固定して上腕二頭筋に集中

Pull B(金・ラット系+二頭強化)

種目 タイプ セット×レップ インターバル 備考
ラットプルダウン(ワイドグリップ) 複合 4×8〜10 2分 広背筋の幅を強調
シングルアームDBロウ 複合 3×10〜12 1.5分 体幹を安定させ可動域を広く使う
ストレートアームプルダウン 単関節 3×12〜15 1分 広背筋の収縮を意識
リアデルトフライ 単関節 3×15〜20 1分 三角筋後部を徹底的に
インクラインカール(DB) 単関節 3×10〜12 1分 ストレッチ強調で二頭筋長頭

二頭筋へのタイミング:Pull Aでバーベルカール(高重量)、Pull Bでインクラインカール(ストレッチ重視)とバリエーションを持たせることで、上腕二頭筋を週2回・異なる刺激で鍛えられます。

SEC05 LEGS DAYLegs(レッグス)デイ|下半身メニュー

Legs A:下半身全体(週に1回)

種目 タイプ セット×レップ インターバル 主な筋群
バーベルスクワット 複合 4×5〜8 3分 大腿四頭筋・臀筋・脊柱起立筋
ルーマニアンデッドリフト(RDL) 複合 3×8〜10 2.5分 ハムストリングス・臀筋
レッグプレス 複合 3×10〜15 2分 大腿四頭筋(スクワット補完)
レッグカール(ライイング) 単関節 3×12〜15 1.5分 ハムストリングス単独強化
レッグエクステンション 単関節 3×12〜15 1.5分 大腿四頭筋の仕上げ
スタンディングカーフレイズ 単関節 4×15〜20 1分 腓腹筋・ヒラメ筋

脚トレの疲労を翌日に残さない管理法

💡 疲労管理の考え方

Legs日の翌日は必ずPushまたはPull(上半身)を配置し、最低48時間の回復時間を確保してください。週6 PPLに移行してLegsを週2回にする場合は、Legs A(スクワット主体)とLegs B(RDL・ハム主体)に分けることで同じ筋群への過負荷を防げます。

  • スクワット後48時間は階段の上り下り・長時間歩行を最小化する
  • 就寝前にタンパク質を摂る。44名の若年男性を対象にした12週間の介入試験では、就寝前に27.5gのタンパク質を摂った群がプラセボ群より筋量・筋力の増加が大きかったと報告されています(Snijders et al., J Nutr. 2015;145(6):1178-84・PMID:25926415)。カゼイン系が向きます。
  • 翌日の背中トレ(Pull)はデッドリフトを避け、ラットプルダウン・ロウ系主体にする
  • 2週間以上スクワット重量が停滞する場合は脚日の前日に完全休息を設ける

SEC06 LOAD SETTING重量・ボリューム設定の科学的基準

中級者の1RMの求め方と各日の負荷設定

1RM(1回最大重量)を把握することが科学的プログラム設計の出発点です。実際に1RMテストをしなくても推定1RM計算式(Epley式)で算出できます。

📐 推定1RM計算式(Epley式):1RM = 使用重量 ×(1 + 反復回数 ÷ 30)
例:80kg × 8回できた場合 → 80 ×(1 + 8/30)≒ 80 × 1.27 ≒ 約101kg
HIGH INTENSITY
75〜85%
コンパウンド種目(ベンチ・スクワット)の1セット目。4〜6レップ。神経系強化と筋力アップに最適
MID INTENSITY
65〜75%
コンパウンド2〜4セット目・アイソレーション。8〜12レップ。筋肥大ゾーン
PUMP / FINISHER
50〜65%
アイソレーション種目の仕上げ。12〜20レップ。代謝ストレスと筋肉ポンプで筋肥大シグナルを追加

漸進性過負荷を6週間で組む具体例

週 ベンチプレス例 重量 変数
1〜2週目 ベースライン確立 80kg×5回×4set フォーム固め
3〜4週目 レップ数増加 80kg×7回×4set +2rep/set
5〜6週目 重量増加 82.5kg×5回×4set +2.5kg
7週目(推奨) ディロード 55kg×8回×3set 推定1RMの57%

なお本プログラムが各種目を3〜4セットで組んでいるのは、Kriegerら(2010)のメタアナリシスに基づきます。1セットの効果量0.24に対し2〜3セットが0.34、4〜6セットが0.44で、複数セットは1セットより筋肥大の効果量が約40%大きいと報告されています(PMID:20300012)。レップ数の設計に迷う場合は以下も参考にしてください。

筋トレが10回3セットの理由

記録の付け方と漸進の管理は、トレーニング設計全体の一部です。THE FITNESSのトップページから、年代別・目的別の記事を一覧できます。

オーバートレーニングを避けるディロードの組み込み方

4〜6週間のPPL週5実施後、1週間のディロード(強度50〜60%、セット数削減)を挟むことを強く推奨します。ディロードは筋肉を落とすどころか、神経系の疲労を回復させることで次のサイクルで重量が伸びる「スーパーコンペンセーション」を引き出す戦略的休息です。詳しくは以下をご参照ください。

ディロードは本当に必要?科学的根拠で検証
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SEC07 TROUBLESHOOTINGよくある失敗と解決策

脚をさぼりたくなったときの対処法

  • スクワットを最初の種目に置く:体力・集中力がある1種目目に最も大変なスクワットを配置すると達成率が上がる
  • 目標重量を記録する:前回のログを見て「+2.5kg」という具体的な目標があると実施率が高まる
  • 下半身ビフォーアフターを可視化:大腿周囲径や脚の種目記録をグラフ化することでモチベーションが維持される

Push日の翌日にPull日でも肩を使う問題

💡 よくある懸念:Push翌日のPullで肩が疲れない?

Push(ベンチ・ショルダープレス)で三角筋前部を使い、翌日Pull(懸垂)で三角筋後部・肩甲骨周囲を使うため、実際には異なる部位が主役になります。懸垂はリアデルト・広背筋主体。フェイスプルを必ずPull日に入れることで三角筋後部の回旋腱板を補強し、肩の疲労・怪我リスクを下げられます。

停滞したときの変数変更チェックリスト

+5kg
重量を増やす(2.5〜5kg刻み)
+1〜2rep
レップ数を増やす(同重量)
+1set
セット数を追加
種目変更
バリエーションを変えて新鮮な刺激

SEC08 ABOUT GYMTHE FITNESS|調布市のパーソナルジム

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SEC09 LIMITSPPL法のデメリットと向かない人

PPL法は万能ではありません。この分割法を選ぶ前に知っておくべき4点です。

デメリットは4つある

デメリット 内容
脚が週1回になる 週5では構造上こうなる
1日の拘束時間が長い 5〜6種目で60〜75分
週5日の確保が前提 2日崩れると配置が狂う
肩と三頭の連日負荷 Push翌日のPullで前部が残る

脚が週1回になることがいちばん大きい点です。脚の総セット数を増やしたい人は、週5 PPLではなく週4の上下分割(上半身・下半身を交互)のほうが脚を週2回にできます。

1日の拘束時間はPush Aで5種目・合計17セット、インターバルを含めると60〜75分です。週3回で1回90分のほうが都合がよい人には向きません。

週5日の確保が前提になります。週に2日崩れると、Push Bから再開するのかPush Aに戻すのかで配置が狂います。崩れたときは「飛ばした日は捨てて、次の日から順番どおりに続ける」と決めておいてください。

肩と三頭は、Pushの日の翌日にPullの日が来るため、三角筋前部の疲労が残った状態で懸垂・ロウを行います。sec07に書いた理由で主動筋は別ですが、肩に違和感が出る場合はPushとPullの間にLegsを挟む配置(Push→Legs→Pull→Push→Pull)に変えてください。

この4つに当てはまる人には勧めません

  • トレーニング歴が6か月未満の人(フォームが固まる前に種目数が多すぎる)
  • 脚の発達を優先したい人(週1回では総量が足りない)
  • 週に通える日が3〜4日の人(週3 PPLか上下分割のほうが成立する)
  • 1回のセッションに45分以上取れない人(種目数を削ると分割の意味が薄れる)

週3・週4・週6との使い分け

通える日数 勧める組み方 脚の回数
週3 PPLを1周 1回
週4 上下分割を2周 2回
週5 PPL+Push・Pull 1回
週6 PPLを2周 2回

週6への移行はPPL週5を3〜6週間続けて回復に問題がないことを確認してからにしてください。Legsを週2回にする場合は、Legs A(スクワット主体)とLegs B(ルーマニアンデッドリフト・ハム主体)に分けて同じ筋群への過負荷を避けます。

「PPL法のメリット」は頻度ではない

PPL法の利点としてよく挙がる「各筋群を週2回鍛えられる」は、週5の組み方では脚に当てはまりません。そして頻度そのものの効果は、総ボリュームを揃えると消えることが報告されています(Schoenfeld et al., 2019・PMID:30558493)。

残る利点は3つです。①押す・引く・脚で分けるので前日の疲労が翌日の主動筋に重ならない、②1日の種目数を5〜6に抑えられるのでフォームと集中力を保ちやすい、③曜日とメニューが固定できるので記録と漸進が管理しやすい。この3つはボリュームの話とは独立しています。

よくある質問

週5 PPLと週6 PPLはどっちがいい?
中級者には週5 PPL(5日トレーニング+2日休息)を勧めます。週6 PPLはPPLを2周するので脚も週2回になりますが、疲労の蓄積が大きく回復が追いつかなくなります。週5は上半身が週2回・脚が週1回で、月〜金または火〜土に固定できるため曜日とメニューの対応が崩れません。まず週5で3〜6週間続け、回復に問題がなければ週6に移行してください。脚を早く週2回にしたい場合は、週6ではなく週4の上下分割も選択肢になります。
初心者でもPPL週5はできますか?
推奨しません。PPL週5は1日あたりの種目数・セット数が多く、フォームが定まっていない初心者には怪我リスクが高い設計です。初心者は週3回の全身法(BIG3ベース)で3〜6ヶ月間、基礎筋力とフォームを固めてからPPL分割に移行するのが科学的に正しい順序です。目安は「ベンチプレス体重×0.8倍・スクワット体重×1倍が安定してできる」レベルです。
女性にもPPLは有効ですか?
有効です。PPL法はホルモンバランスに関わらず筋肥大・筋力向上に有効な構造を持ちます。ただし女性の場合、脚・臀部の発達を重視する場合はLegsデイを週1回追加し「Push/Pull/Legs/Push/Legs」の変形スケジュールにすると効果的です。テストステロンの分泌量が男性より少ないため「ムキムキになりすぎる」心配は無用で、引き締まったボディラインの形成に特に適した分割法です。
PPL週5で停滞したらどうすればいいですか?
まず「漸進性過負荷」ができているかを確認してください。同じ重量・レップでトレーニングを続けていると3〜4週間で停滞します。対策は①重量を2.5〜5kg増やす②同重量でレップ数を1〜2回増やす③セット数を1セット追加する④種目を変えて刺激のバリエーションを増やす、の4つです。それでも停滞する場合は、1週間のディロード(推定1RMの50〜60%に落とす。ベンチプレスの推定1RMが96kgなら48〜58kg)を挟んでから再スタートしてください。
PPLではプロテインをどのくらい摂取すればいいですか?
国際スポーツ栄養学会(ISSN)のポジションスタンドは、運動している人の多くにとって1日あたり体重1kgあたり1.4〜2.0gで足りるとしています(Jäger et al., 2017・PMID:28642676)。体重70kgなら98〜140g/日です。1回あたりは体重1kgあたり0.25g、または20〜40gが目安で、これを3〜4回に分けます。同じ文献はタンパク質を摂るのは運動の前でも後でもよいとしているので、「30分以内」にこだわる必要はありません。摂取タイミングの詳細はプロテインを飲むタイミングで解説しています。
この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。中級者向けのPPL分割プログラム設計と漸進性過負荷理論の指導を得意とし、停滞打破を目指す会員様のプログラム設計を現場で行っています。ロサンゼルス15年+日本3年・計18年指導経験 ・ NABBA 2025 GPF優勝 ・ LA Championship 2位
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まとめ:PPL法週5は中級者が停滞を打破するための実践的フレームワーク

PPL週5分割の本質は「1日の種目数を抑えたまま、週の総ボリュームを積む」ことにあります。Schoenfeldら(2019)が示したとおり、総ボリュームを揃えると頻度そのものの差は筋肥大に意味のある影響を与えません。週5が効くのは、押す・引く・脚で分けることで前日の疲労が翌日の主動筋に重ならず、曜日とメニューを固定して記録を積み上げられるからです。

  • 週5 PPLは胸・肩・三頭と背中・二頭が週2回、脚が週1回の配置になる
  • Push A/B、Pull A/BのA・Bバリエーションでコンパウンド日とアイソレーション日を交互配置
  • 漸進性過負荷の記録(重量・レップ・セット数)を2〜3週間ごとに進める
  • 4〜6週ごとに1週間のディロード(推定1RMの50〜60%)を組み込む
  • タンパク質は体重×1.4〜2.0g/日を3〜4回に分けて摂取する(ISSN推奨値)
  • 脚を週2回にしたいなら週6への移行か、週4の上下分割に切り替える

THE FITNESSでは遺伝子検査(ACTN3型・速筋/遅筋の割合)に基づいて、あなたに最適な重量設定・レップ数・インターバルを個別設計しています。「PPLをやってみたが効果が出ない」という方もお気軽にご相談ください。

THE FITNESS|調布市のパーソナルジム

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参考文献・科学的根拠

  1. 1Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. "Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis." Sports Med. 2016;46(11):1689-1697. 総トレーニングボリュームを揃えた比較で、各筋群を週2回鍛えることが週1回より筋肥大に優れると示したメタアナリシス(週1回と週2回の比較)。本記事では頻度の議論の出発点として参照。この結論は同じ著者らの2019年版(②)で更新されている。 PMID:27102172
  2. 2Schoenfeld BJ, Grgic J, Krieger J. "How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis." J Sports Sci. 2019;37(11):1286-1295. 週1回から週3回以上までを対象に解析し、総ボリュームを揃えるとトレーニング頻度は筋肥大に有意または意味のある影響を与えないと結論。総ボリュームが同じなら頻度は本人の好みで選べるとしている。本記事が「頻度より総ボリューム」と書く根拠。 PMID:30558493
  3. 3Krieger JW. "Single vs. Multiple Sets of Resistance Exercise for Muscle Hypertrophy: A Meta-Analysis." J Strength Cond Res. 2010;24(4):1150-1159. 複数セットが単一セットより筋肥大の効果量が約40%大きいことを示したメタアナリシス。効果量は1セット0.24・2〜3セット0.34・4〜6セット0.44。各種目を3〜4セットで組む根拠として参照。 PMID:20300012
  4. 4Jäger R, Kerksick CM, Campbell BI, et al. "International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise." J Int Soc Sports Nutr. 2017 Jun 20;14:20. 運動している人の多くは1日あたり体重1kgあたり1.4〜2.0gで足りるとし、1回量は体重1kgあたり0.25gまたは20〜40g、摂取は運動の前でも後でもよいとしている。本記事のタンパク質量と摂取タイミングの根拠。 PMID:28642676
  5. 5Snijders T, Res PT, Smeets JSJ, et al. "Protein Ingestion before Sleep Increases Muscle Mass and Strength Gains during Prolonged Resistance-Type Exercise Training in Healthy Young Men." J Nutr. 2015 Jun;145(6):1178-84. 44名の若年男性を12週間追跡し、就寝前に27.5gのタンパク質を摂った群でプラセボ群より筋量・筋力の増加が大きかったことを報告。sec05の就寝前摂取の根拠として参照。対象は若年男性で、30〜60代での検証は別。 PMID:25926415