QUICK ANSWER|脂肪肝・NAFLDがあっても筋トレはできるか?

✅ 単純性脂肪肝(NAFLD)の安定期であれば筋トレ可能
✅ 有酸素(Zone2)+筋トレの組み合わせが最も効果的
✅ 急激な減量(月2kg超)は肝臓への脂肪流入を増やすため月1kg以内が鉄則
✅ プロテイン:ALT 80 IU/L未満であれば1回20〜25gは問題なし
✅ アルコール:筋トレ当日・翌日はNG・週2日以上の休肝日が必須

⚠️ NASH進行中・肝硬変の疑いがある場合は必ず担当医の指示を優先してください。本記事は医療行為ではありません。

01 MECHANISMS & EVIDENCE「筋トレで脂肪肝は治る」は本当か——メカニズムと期待値

脂肪肝とは何か・NAFLDとNASHの違い

肝臓に中性脂肪が5%以上蓄積した状態を脂肪肝と呼びます。アルコールを飲まない人に起こるものを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼び、炎症・線維化がない単純性脂肪肝と、炎症・線維化が進んだ非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に分かれます。NASHは放置すると肝硬変・肝がんに進行するリスクがあります。血液検査では主にALT・AST・γGTPで段階を把握します。

40〜60代男性に脂肪肝が多い主な理由 メカニズム
内臓脂肪の蓄積 インスリン抵抗性の上昇
肝臓への遊離脂肪酸が増加
果糖・精製糖質の過剰摂取 肝臓での中性脂肪合成を直接促進
アルコール 肝臓の脂肪代謝障害→中性脂肪蓄積
脂肪肝を招く食べ物10選 異所性脂肪(隠れ肥満)とは?

筋トレが脂肪肝を改善する3つのメカニズム

メカニズム 仕組み 効果
①脂肪酸消費増加 骨格筋の脂肪酸消費が増加
肝臓への流入が減少
肝臓の脂肪蓄積を直接減らす
②インスリン感受性改善 インスリン感受性が向上
肝臓の中性脂肪合成を抑制
ALT値が10〜20%改善の報告あり
③内臓脂肪減少 内臓脂肪が減少
門脈から肝臓への流入が減少
根本的な改善につながる

26件のRCTを分析したメタ解析では、運動トレーニングがALT(SMD:−0.59)・AST・インスリンを有意に改善することが示されています(Hejazi & Hackett, 2023 / PMID:37109347)。

なぜ「Zone2の有酸素」が脂肪肝に最も効くのか

有酸素運動の強度を最大心拍数の60〜70%(会話ができるペース)に保つゾーン2では、エネルギー基質として脂肪酸が優先的に使われます。高強度有酸素(ゾーン4以上)では糖質が主なエネルギー源になるため脂肪燃焼効率が下がり、さらに乳酸蓄積により一時的に肝臓への負荷が増すため脂肪肝持ちには推奨されません。運動を習慣にすると、体重がほとんど減らなくても肝臓の脂肪量は有意に減ります。しかもその効果は、肥満管理で推奨される運動量を下回る水準でも確認されています(Keating et al., 2012 / PMID:22414768)。一方でALT値そのものについては、この解析では有意な改善が出ていません。参考文献1(Hejazi & Hackett, 2023)はALTの改善を示しており、指標によって結論が分かれている点は押さえておいてください。

急激な減量が脂肪肝を悪化させる理由

脂肪組織が急速に分解されると、大量の遊離脂肪酸が一気に血流に乗り肝臓に流入します。肝臓の処理能力を超えると、その脂肪酸が中性脂肪として再合成されて肝細胞に蓄積し、ALT値が一時的に上昇します。月1kg以内の緩やかな減量が脂肪肝改善の鉄則であり、筋肉を維持しながら脂肪だけを落とすアプローチが最も肝臓に優しいです。

02 PHASE ASSESSMENTまず自分の段階を確認——肝機能値別の判断フロー

NAFLDの段階別チェックリスト(YES/NOフロー)

健診でALT・γGTP・ASTのいずれかが異常値と指摘された
→ YES ↓

医師からNASHの疑い・肝硬変・肝炎の指摘を受けている
→ YES:医師の許可を得てから低強度のみ開始(RPE4以下)
→ NO ↓

ALTが100 IU/L以上
→ YES:低強度のみ(RPE4以下)・次回受診時に医師へ相談
→ NO ↓

ALTが正常〜軽度上昇(80 IU/L以下)
→ 安定期:低〜中強度で筋トレ開始可(RPE5以下)
高血圧があっても筋トレはできる 筋肉の老化・サルコペニアを防ぐ年代別対策

肝機能値別の強度上限早見表

γGTP / ALT値 段階 強度上限 RPE 心拍数目安
正常(γGTP〜50・ALT〜40) 軽症〜正常 中強度まで RPE6以下 最大心拍数×60〜65%
軽度上昇
γGTP 50〜100
ALT 40〜80
要注意 低〜中強度 RPE5以下 最大心拍数×50〜60%
中等度上昇
γGTP 100〜
ALT 80〜100
要医師相談 低強度のみ RPE4以下 最大心拍数×45〜50%
高度上昇・NASH疑い 受診必須 医師指示に従う — —
年代 最大心拍数の目安 50〜60%の範囲
40代 約180bpm 90〜108bpm
50代 約170bpm 85〜102bpm
60代 約160bpm 80〜96bpm

医師に確認すべき4つの質問

医師への相談スクリプト

① 今のALT・γGTP値で筋トレを始めても問題ないか
② 有酸素運動と筋トレどちらを優先すべきか
③ タンパク質摂取量・プロテインの使用に制限があるか
④ 次回の血液検査(ALT・AST・γGTP)のタイミングと目標値

03 SAFE EXERCISE DESIGN脂肪肝持ちに安全な種目設計と4週間段階プログラム

優先すべき種目の選び方——大筋群×低〜中強度

大腿四頭筋・ハムストリング・大臀筋・広背筋などの大筋群を鍛えると、骨格筋全体での脂肪酸消費量が増え、肝臓への脂肪流入が減りやすくなります。高強度・短時間の無酸素運動は乳酸蓄積により一時的に肝臓への代謝負荷が増すため避けましょう。RPE5以下・15回できる重量が基本の選択基準です。

安全な種目セレクション(下半身3種目)

下半身①:レッグプレス

特徴:大腿四頭筋・ハムストリング・大臀筋を一度に鍛える最効率種目
回数:15回×2セットから開始
効いているか:太ももの前後・お尻に張り感があればOK
できない場合の代替:チェアスクワット(自重)

下半身②:ヒップリフト(仰向け)

特徴:大臀筋・ハムストリング強化。腹圧が上がりにくく肝臓への物理的負荷が少ない
回数:15回×2セット
効いているか:お尻・太ももの裏が収縮する感覚があればOK
できない場合の代替:片足ヒップリフト

下半身③:カーフレイズ

特徴:下腿三頭筋。心拍数上昇が緩やか
回数:20回×2セット
効いているか:ふくらはぎの収縮感があればOK
できない場合の代替:座位カーフレイズ

安全な種目セレクション(上半身3種目)

上半身①:シーテッドローイング

特徴:広背筋・菱形筋。座位で安定・肝臓への直接負荷なし
回数:15回×2セット
効いているか:肩甲骨が中央に寄る感覚があればOK
できない場合の代替:チューブローイング

上半身②:ダンベルチェストプレス(軽重量)

特徴:大胸筋・三角筋前部。RPE5を超えない重量で実施
回数:15回×2セット
効いているか:胸の中央に収縮感があればOK
できない場合の代替:膝つきプッシュアップ

上半身③:ラットプルダウン

特徴:広背筋・上腕二頭筋。マシン使用で安定した姿勢を保てる
回数:15回×2セット
効いているか:脇の下が締まる感覚があればOK
できない場合の代替:チューブプルダウン

安全な種目セレクション(体幹2種目)

体幹①:プランク

時間:30秒×2セットから(Hodges & Richardson, 1996 / PMID:8961451)
効いているか:お腹が薄く硬くなる感覚があればOK
できない場合の代替:膝つきプランク

体幹②:ドローイン

特徴:仰向けで実施・腹横筋の活性化。関節・臓器への負荷ゼロ
回数:10秒×10回

NG種目と代替早見表

NG種目 理由 代替
高重量バーベルスクワット 腹圧急上昇・乳酸蓄積 レッグプレス・チェアスクワット
HIIT・高強度インターバル 急激な肝臓への代謝負荷 Zone2有酸素
高重量デッドリフト 腹圧上昇・急激な代謝負荷 ルーマニアンDL(軽重量)
腹部圧迫系プランク変形 肝臓への物理的圧迫 標準プランク・ドローイン

4週間段階プログラム(安定期・週2〜3回)

週 有酸素(Zone2) 筋トレ セット数・強度 目的
1〜2週目 20分×週2回 下半身2種目+体幹1種目 各2セット・RPE4 体を慣らす
3〜4週目 25分×週2回 下半身2種目+上半身1種目+体幹1種目 各2セット・RPE5 負荷を少し上げる
5〜6週目 30分×週2〜3回 下半身2種目+上半身2種目+体幹1種目 各3セット・RPE5 標準負荷へ移行
7〜8週目以降 30分×週3回 全種目(下半身3・上半身3・体幹2) 各3セット・RPE5〜6 維持・改善を確認
8週目終了時に血液検査を受け、ALTが改善していなければ強度を1段階下げて継続してください。改善が見られれば次のステップへ進みます。

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04 INTENSITY & AEROBIC COMBINATION強度・頻度・有酸素との組み合わせ設計

有酸素運動と筋トレの組み合わせ方——目的別の優先順位

目的 優先順位 理由
ALT・γGTP値を早期改善したい 有酸素(Zone2)先行 肝臓の脂肪を直接エネルギー消費
長期的な体質改善・リバウンド防止 筋トレを並行 基礎代謝向上・インスリン感受性改善
体重を落としながら肝臓を改善 有酸素+筋トレの組み合わせ 単独より相乗効果が高い
中年太りと内臓脂肪の原因・対策はこちら 一番痩せる運動ランキング10選|カロリー消費・EPOCで比較

週間スケジュール例(安定期・週2〜3回)

曜日 内容 備考
月 Zone2有酸素 30分
ウォーク or エアロバイク
心拍数80〜100bpm維持
火 休息 —
水 筋トレ(下半身+体幹・30分) RPE5以下
木 休息 —
金 Zone2有酸素 30分
+筋トレ上半身 20分
有酸素→筋トレの順
土・日 軽いストレッチ or 完全休息 アルコールは控える

1セッションの構成と実施順序

60分以内に収める構成

① ウォームアップ(10分):関節可動域・低強度有酸素
② メイン(40〜50分):有酸素Zone2→筋トレの順
③ クールダウン(10分):省略禁止

インターバルは2分確保して乳酸蓄積を抑えます。クールダウンを省略すると運動後の代謝産物が肝臓に集中するため必須です。

05 PROTEIN, ALCOHOL & DIETプロテイン・アルコール・食事設計——脂肪肝持ちの注意点

プロテインは脂肪肝に悪い?——肝機能値別の判断

ALT値 プロテイン使用 1回の推奨量
40 IU/L未満(正常) ✅ 問題なし 20〜25g
40〜80 IU/L(軽度上昇) ✅ 基本的に問題なし 20g以内
80〜100 IU/L(中等度) 主治医に確認 主治医指示に従う
100 IU/L超・NASH疑い 使用前に受診 主治医指示に従う

ホエイプロテインはBCAA(分岐鎖アミノ酸)含有率が高く、肝臓でのアミノ酸処理負担が比較的少ないです。肝機能が正常〜軽度異常の範囲であれば、食事から不足するタンパク質をホエイで補う形が合理的です。

プロテインの飲みすぎで腎臓・肝臓に何が起こるか

体重別・1日のタンパク質目標量早見表

体重 目標タンパク質(1.2〜1.6g/kg) 食事のみで達成困難な分
60kg 72〜96g 食事で70g→プロテイン20〜25g
70kg 84〜112g 食事で80g→プロテイン20〜30g
80kg 96〜128g 食事で85g→プロテイン20〜40g
90kg 108〜144g 食事で90g→プロテイン20〜50g

アルコールと筋トレの両立——週間アルコール管理表

アルコールが肝臓の脂肪代謝を妨げるのは、肝臓がアルコール分解を優先するため脂肪酸の酸化処理が後回しになるからです。筋トレ当日・翌日がNGな理由は、筋肉の修復過程で肝臓が活発に働いているところにアルコール分解の負荷が加わるためです。

曜日 筋トレ 飲酒 備考
月 Zone2有酸素 NG 運動当日
火 休息 NG 運動翌日(筋肉修復中)
水 筋トレ NG 運動当日
木 休息 NG 運動翌日(筋肉修復中)
金 有酸素+筋トレ NG 運動当日
土 休息 可(純アルコール20g以内) 休肝日は最低週2日
日 休息 可(純アルコール20g以内) 翌日月曜は運動日
純アルコール20g=ビール中瓶1本(500ml)・日本酒1合(180ml)・ワイングラス2杯(240ml)が目安です。

脂肪肝改善を加速する1日の食事配分例

体重70kg・安定期・週2〜3回筋トレの場合:目標タンパク質84〜112g/日

タイミング 食事内容 タンパク質 ポイント
朝食 卵2個+納豆1パック
雑穀ご飯150g+味噌汁
約25g 果汁ジュース・清涼飲料水は禁止
昼食 鶏むね肉100g+野菜炒め
雑穀ご飯150g
約25g 揚げ物・丼ものは控える
トレーニング後 ホエイプロテイン20g+バナナ1本 約20g 30分以内に摂取
夕食 鮭1切れ+豆腐150g+野菜
ご飯少なめ100g
約30g 夜の糖質は昼より少なめに
間食(必要時) ギリシャヨーグルト
or 素焼きナッツ少量
約5〜10g 菓子パン・スナック菓子は禁止
合計 — 約105〜110g —
脂肪肝を直接悪化させる食品(優先的に減らす3品):
① 清涼飲料水・果汁100%ジュース:果糖が肝臓での中性脂肪合成を直接促進します
② 精製糖質の過剰摂取(白米・菓子パン・砂糖入り飲料):血糖スパイク→インスリン→脂肪合成
③ トランス脂肪酸(マーガリン・ファストフード・スナック菓子):肝細胞への炎症促進
中性脂肪を下げる生活習慣

06 MONITORING & SELF-CHECK肝機能値のモニタリングと日常セルフチェック

筋トレ開始前に確認すべき血液検査項目

開始前に把握したい7項目

肝機能:ALT・AST・γGTP(脂肪肝の段階を把握するベースライン)
脂質:中性脂肪・LDLコレステロール(脂質異常の合併確認)
血糖:空腹時血糖・HbA1c(インスリン抵抗性の確認)

これらの数値が改善のベースライン(出発点)になります。

日常でできるセルフチェック4項目

チェック項目 方法 改善のサイン
腹囲 起床後・へそ周りを測定 1ヶ月で0.5〜1cm減少
体重・体脂肪率 毎朝同じタイミングで測定 週0.2〜0.3kg減少が適正ペース
疲労感 起床時の主観評価(10段階) 8週目以降に改善傾向
尿の色 起床直後の色を確認 薄い黄色〜無色透明が水分十分のサイン

3ヶ月・6ヶ月で何が変わるか——改善の目安

期間 期待できる変化
1ヶ月 体重・腹囲が軽度改善・疲労感の変化
3ヶ月 ALT・γGTP が10〜20%改善
腹囲1〜3cm減少
6ヶ月 軽症NAFLDで肝脂肪が有意に減少
腹部エコーで確認できる

こんな変化があったら運動を中止して受診

🚨 以下の場合は即中止・受診してください:
・トレーニング後に右上腹部(肝臓の位置)に痛み・違和感がある
・急激な疲労感・倦怠感・食欲不振が続く
・尿が濃い茶色・黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)
・月2kgを超えるペースで体重が落ちている(急激な減量は禁物)
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よくある質問

脂肪肝と言われましたが、どんな運動から始めればよいですか?
まず平地ウォーキング20〜30分(Zone2・会話できるペース)から始めてください。1〜2週間問題なければ自重筋トレ(ヒップリフト・プランク等)を追加します。開始前にALT・γGTP値を確認し、100 IU/Lを超えている場合は医師に相談してから始めることを推奨します。(免責:本記事は医療アドバイスではありません)
脂肪肝があるとプロテインは飲めませんか?
ALTが80 IU/L未満であれば1回20〜25gの使用は問題ありません。NASHの疑いや高度な肝機能異常がある場合は主治医に確認してください。ホエイプロテインはBCAA含有率が高く肝臓の代謝負担が比較的少ないため、肝機能正常〜軽度異常の範囲では推奨できます。(免責)
お酒をやめられないのですが、筋トレで脂肪肝は改善できますか?
禁酒が理想ですが、週2日以上の休肝日確保・筋トレ当日と翌日の飲酒を避け・純アルコール20g以内に収めることで改善の余地はあります。ただしアルコール性脂肪肝が進行している場合・医師から禁酒を指示されている場合はその指示に従ってください。(免責)
体重を早く落とせば脂肪肝も早く治りますか?
逆効果になることがあります。月2kgを超える急激な減量は脂肪組織の急速分解で遊離脂肪酸が肝臓に大量流入し、ALT値が一時的に上昇します。月1kg以内の緩やかな減量で筋肉を維持しながら脂肪だけを落とすアプローチが最も肝臓に優しく、かつ長期的に効果が持続します。

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この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。

まとめ|脂肪肝があっても筋トレはできる——5つの原則

脂肪肝を持ちながら筋トレを続けるための原則は5つに集約されます。①肝機能値(ALT・γGTP)でフェーズを確認してから開始する、②Zone2有酸素+筋トレの組み合わせで相乗効果を狙う、③急激な減量(月2kg超)は絶対に避ける、④アルコールは筋トレ当日・翌日を禁酒にして週2日以上の休肝日を確保する、⑤3〜6ヶ月ごとに血液検査で改善を数値確認しながら進めるです。

「運動できない体」ではなく「正しく段階を踏んで動かす体」にすることが、脂肪肝の長期的な改善と肝硬変リスクの低減につながります。

今日からできる3アクション:

  • ① SEC02の判断フローで今のALT・γGTP値から自分の強度上限を確認する
  • ② 明日の朝食から果汁ジュース・清涼飲料水を除く
  • ③ 医師への相談4項目(SEC02)をメモして次回受診に持参する
  • 26RCTのメタ解析:運動トレーニングがNAFLD患者のALT(SMD:−0.59)・AST・インスリンを有意改善(Hejazi & Hackett, 2023 / PMID:37109347)
  • 運動療法は減量を伴わなくても肝臓脂肪量を有意に改善。ALTへの効果は認められず(Keating et al., 2012 / PMID:22414768)
  • 腹横筋活性化と腰椎安定性——プランク・ドローインの安全な体幹強化の根拠(Hodges & Richardson, 1996 / PMID:8961451)

THE FITNESS|調布市のパーソナルジム

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参考文献・科学的根拠

  1. 1Hejazi K, Hackett D. “Effect of Exercise on Liver Function and Insulin Resistance Markers in Patients with Non-Alcoholic Fatty Liver Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.” J Clin Med. 2023 Apr 20;12(8):3011. doi:10.3390/jcm12083011. 26件のRCT・2,583件の文献を検索したメタ解析。運動トレーニングがNAFLD患者のALT(SMD:−0.59)・AST(SMD:−0.40)・インスリン(SMD:−0.43)を有意に改善することを示す。有酸素・筋力トレーニング両方でALT改善効果が確認された。肝機能値に合わせた筋トレ開始基準の根拠として引用。 PMID:37109347
  2. 2Keating SE, Hackett DA, George J, Johnson NA. “Exercise and non-alcoholic fatty liver disease: A systematic review and meta-analysis.” J Hepatol. 2012 Jul;57(1):157-66. doi:10.1016/j.jhep.2012.02.023. 16,822件から12件を選んだメタ解析。運動療法は非運動対照に比べて肝臓内脂肪量を有意に減らし(ES −0.37)、この効果は減量がわずか、あるいは無くても現れた。ただしALTには有意な効果が認められなかった(ES −0.15・p=0.32)。「減量を伴わなくても運動で肝脂肪は減る」の根拠として引用。ALTについては参考文献1と結論が分かれており、本記事では両方を併記している。 PMID:22414768
  3. 3Hodges PW, Richardson CA. “Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain: a motor control evaluation of transversus abdominis.” Spine (Phila Pa 1976). 1996 Nov 15;21(22):2640-50. doi:10.1097/00007632-199611150-00014. 腰痛のある15名と無い15名を比較し、腰痛群では腕の動きに先行する腹横筋の収縮が遅れることを示した研究。プランク・ドローインが腰椎を安定させる体幹種目であることの根拠として引用。肝臓への負荷については本研究の対象外であり、本記事の該当記述は解剖学的な一般知識に基づく。 PMID:8961451