日本人に筋肉がつきにくいのはなぜ?ACTN3遺伝子(XX型・RR型・RX型)の真実と克服法

ACTN3遺伝子(XX型・RR型・RX型)の真実と克服法

目次

日本人に筋肉がつきにくいのはなぜ?ACTN3遺伝子(XX型・RR型・RX型)の真実と克服法
ACTN3 · Gene · XX型 · RR型 · RX型 · 順天堂大学研究データ · 調布パーソナルトレーナー監修

日本人に筋肉がつきにくいのはなぜ?
ACTN3遺伝子(XX型・RR型・RX型)の真実と克服法

Direct Answer · 順天堂大学研究データ
日本人のXX型保有率
約78%
α-アクチニン3を産生しない遺伝子型。速筋繊維発達が欧米人より遅い
「筋肉がつかない」は嘘?
半分正しい
「つくスピードが遅い」は本当。「つかない」は誤り。対策で十分可能
遺伝子検査の費用目安
14,000〜30,000円
唾液採取で自宅から検査可能。結果まで数週間
XX型の最適トレーニング
高頻度・中強度
週4〜5回・1回45〜60分・72〜96h休息が科学的推奨

「なぜ頑張っても筋肉がつかないのか?」「外国人はなぜ筋肉がつきやすいのか?」——これらの疑問に、ACTN3遺伝子(R577X多型)の科学的データをもとに正直に答えます。日本人の約78%が持つXX型という遺伝子的特性を正しく理解し、自分のタイプに合った戦略を選ぶことが、筋肉づくりの最短ルートです。調布のTHE FITNESSでは遺伝子検査結果をもとにした個別プログラム設計を行っています。

2026年3月12日(最新版) Yukkey(NESTA-PFT / SFT)監修 NABBA GPF 2025優勝 · LA指導歴17年 調布・府中・狛江・三鷹・世田谷
この記事でわかること
  • ①「なぜ」に徹底回答:ACTN3遺伝子とは・日本人に多い理由・「嘘」説への回答
  • ②遺伝子検査:調べ方・費用・サービス比較・セルフチェック
  • ③型別ガイド:XX型・RR型・RX型の特徴と筋トレ戦略 + 超回復との関係
  • ④XX型トレーニング戦略:週間プログラム・漸進性過負荷・有酸素との組み合わせ
  • ⑤XX型栄養戦略:マクロ栄養素・食事タイミング・サプリ・女性版/40代版食事例
  • ⑥人種比較:なぜ黒人・外国人は筋肉がつきやすいのか
  • ⑦FAQ 7問:「超回復 日本 だけ」

01 日本人に筋肉がつきにくいのはなぜ?遺伝子レベルの理由

ACTN3遺伝子(R577X多型)とは何か——筋肉を作るタンパク質の設計図

ACTN3(アクチニン3)遺伝子は、速筋繊維(速筋:瞬発力・筋肥大に関わる筋肉)に含まれるα-アクチニン3というタンパク質の産生を制御する遺伝子です。このタンパク質は筋繊維の収縮機能を安定化させ、高強度の無酸素運動時にパフォーマンスを高める役割を持ちます。

ACTN3遺伝子にはR577Xという多型(SNP:一塩基多型)が存在し、この多型により「R型(α-アクチニン3を産生)」か「X型(産生しない)」かが決まります。保有するR・Xアレルの組み合わせにより、RR型・RX型・XX型の3種類の遺伝子型が生まれます。

なぜ「速筋繊維」が重要なのか:筋肉には「遅筋(持久力担当)」と「速筋(瞬発力・筋肥大担当)」があります。ウエイトトレーニングで筋肉を大きくする際に主に使われるのが速筋繊維です。α-アクチニン3がない(XX型)と、この速筋繊維の発達効率が低下します。

XX型・RX型・RR型の違いと日本人における分布(順天堂大学データ)

XX型
持久力・疲労耐性型
日本人の約78%
α-アクチニン3を産生しない。速筋繊維の発達が遅く、筋肥大に時間がかかる。持久力・有酸素パフォーマンスは高い。マラソン・長距離系で活躍しやすい。
RR型
瞬発力・筋肥大特化型
日本人の約15%
α-アクチニン3を最も多く産生。速筋繊維が発達しやすく、筋肥大・瞬発力のポテンシャルが高い。短距離走・ウエイトリフティング系で活躍しやすい。
RX型
バランス型
日本人の約25%
RR型・XX型の中間的な特性。速筋と遅筋のバランスが良く、どちらの系統でも一定の適性を持つ。多くの競技・トレーニングに幅広く対応できる。
注:上記の比率は二倍体遺伝のため合計が100%を超えます。また「日本人の78%がXX型」という数値は順天堂大学スポーツ科学研究チームのデータをもとにした目安です。実際の個人の型は遺伝子検査で確認できます。

「外国人はなぜ筋肉がつきやすいのか」——人種別ACTN3分布の比較

「外国人、特にアフリカ系の方は筋肉がつきやすい」というイメージは、遺伝子データからある程度説明できます。ACTN3遺伝子のRR型(瞬発力・筋肥大特化型)の保有率には人種差があることが研究で示されています。

日本人
XX型78%
RR型約15%
欧米系白人
XX型約52%
RR型約30%
アフリカ系
XX型約25%
RR型約55%
💡
アフリカ系ではXX型が約25%と低く、RR型が約55%と高い傾向があります(Yang et al., 2003)。これが「アフリカ系アスリートが短距離・筋力系スポーツで活躍しやすい」遺伝的背景のひとつです。ただし食文化・トレーニング環境・ステロイド使用などの影響も大きく、遺伝子だけが全てではありません。

「日本人は筋肉がつきにくい」は嘘?——誤解と真実を分ける

「日本人は筋肉がつきにくい」という説を否定する情報がインターネットに多く存在します。これについて正確に整理します。

主張正誤根拠
日本人はXX型が多く速筋発達が遅い◯ 正しい順天堂大学・Yang et al.,2003などの遺伝子研究で示されている
日本人は筋肉がつかない(絶対的)✗ 誤りXX型でも筋肉は発達する。つくスピードが遅いだけ
日本人ボディビルダーは存在できない✗ 誤り実際に日本人世界チャンピオンが存在する
適切なトレーニングで差は縮まる◯ 正しいXX型向けプログラムで十分な筋肥大は達成可能
結論:「日本人は筋肉がつきにくい」は正確ではありません。正確には「日本人の多くはXX型遺伝子を持つため、速筋繊維の発達スピードが欧米人・アフリカ系と比べて遅い傾向がある」です。これは「つかない」ではなく「時間がかかる」という違いであり、XX型に最適化されたトレーニング戦略で十分カバーできます。

02 自分の遺伝子タイプを調べる方法

ACTN3遺伝子検査が受けられるサービスと費用目安

GeneLife
15,000〜25,000円
国内大手。フィットネス・スポーツ系に特化したプランがあり、ACTN3を含む複数の筋肉・代謝遺伝子を解析。
Genequest
16,000〜32,000円
生活習慣病などの疾患リスクや体質の特徴など350項目以上の遺伝情報が得られます。。
chatGENE Pro
9,900円
疾患リスク、体質(ダイエット、肌など)の 遺伝的傾向が一度の検査でわかる「総合型」遺伝子検査です。

自宅で簡単に調べる方法——唾液採取から結果受け取りまでの流れ

  • Step 1:検査キットを注文・受け取る(1〜3日)
    上記サービスのウェブサイトから検査キットを注文。自宅に郵送されます。
  • Step 2:唾液を採取する(5〜10分)
    キット同封の容器に唾液を採取するだけ。採血は不要で痛みもありません。
  • Step 3:返送する(送料無料)
    同封の返送用封筒で郵送します。ほとんどのサービスは送料無料。
  • Step 4:結果を受け取る(3〜6週間後)
    専用アプリまたはウェブポータルで結果確認。ACTN3型が表示されます。

「遺伝子検査を受けなくても」自分のタイプを推測するセルフチェック

遺伝子検査を受ける前に、以下の特徴から自分の型を大まかに推測できます(あくまで参考です)。

チェック項目XX型に多い特徴RR型に多い特徴
筋肉のつきやすさつきにくい・時間がかかるつきやすい・比較的早い
持久力・有酸素得意・疲れにくい苦手・すぐ息切れする
筋肉痛の程度重め・長引きやすい軽め・回復が早い
体型の傾向細身・筋肉はつきにくいが脂肪もつきにくいがっちり・筋肉質になりやすい
得意なスポーツ長距離・水泳・体操短距離・格闘技・球技
THE FITNESSでの遺伝子検査連携:調布のTHE FITNESSでは遺伝子検査結果をお持ちの方に対し、ACTN3型をはじめとする遺伝子データをもとにした個別トレーニングプログラム・栄養設計を提供しています。

03 XX型・RR型・RX型の特徴と筋トレ戦略

【XX型】日本人の78%——特徴・強み・最適トレーニング法

XX型はα-アクチニン3を産生しないため、速筋繊維(IIx型)のミオシン重鎖発現が低下し、単位時間あたりの筋タンパク質合成速度が遅くなります。しかし持久力・疲労耐性・有酸素エネルギー効率は高く、長時間・高頻度のトレーニングに適しています。

超回復との関係(「超回復 日本 だけ」:
「超回復は日本人だけ起きにくい」という説がSNSで広まっていますが、正確には「超回復のサイクルが遅い」です。XX型は速筋繊維の筋タンパク質合成スピードが遅いため、同じ48〜72時間の休息では回復が完了しきれないことがあります。XX型には72〜96時間の休息設計が推奨されます。超回復自体は起きますが「完全回復までの時間が長い」という特性を理解したプログラム設計が必要です。

XX型の最適トレーニング原則:
① 高頻度(週4〜5回・同部位は週2回) ② 中強度(1RM換算60〜75%・8〜15rep) ③ 漸進性過負荷を継続 ④ 休息は72〜96時間確保 ⑤ 有酸素との組み合わせで代謝を高める

【RR型】日本人の15%——瞬発力特化型の特徴と筋トレ法

RR型はα-アクチニン3を両方のアレルから産生し、速筋繊維(IIx型)が最も発達しやすい型です。高強度・低回数のトレーニング(1RM換算80〜90%・3〜6rep)に最も反応しやすく、短期間で筋肥大・筋力向上を実感しやすい特性があります。

  • 強み:筋肥大・最大筋力向上・瞬発力。短距離走・ウエイトリフティング・格闘技系で高いポテンシャル
  • 弱点:持久力・有酸素パフォーマンスはXX型・RX型に劣る傾向。長距離系は得意ではない
  • 最適プログラム:低〜中頻度(週3〜4回)、高強度(1RM 80〜90%)、3〜6rep、休息48〜72時間

【RX型】日本人の25%——バランス型の特徴と最適アプローチ

RX型はRR型とXX型の中間的な特性を持ちます。α-アクチニン3を産生しますが産生量はRR型の半分程度です。速筋・遅筋のバランスが良く、様々なトレーニングに適応しやすい「万能型」といえます。

  • 強み:筋力・持久力のバランスが良い。適応性が高く、どちらの方向にも伸びやすい
  • 最適プログラム:週4〜5回、中強度(1RM 70〜80%)、6〜12rep、休息48〜72時間。目的に応じてRR型寄りまたはXX型寄りに調整

型別比較表(トレーニング・食事・回復・適性スポーツ)

項目XX型(78%)RX型(25%)RR型(15%)
α-アクチニン3産生なし中程度多い
筋肥大スピード遅め中程度速め
瞬発力・最大筋力低め中程度高め
持久力・疲労耐性高い中程度低め
推奨トレーニング強度60〜75% 1RM70〜80% 1RM80〜90% 1RM
推奨rep数8〜15rep6〜12rep3〜6rep
推奨トレーニング頻度週4〜5回週4〜5回週3〜4回
推奨休息時間72〜96時間48〜72時間48〜72時間
得意スポーツ長距離・水泳・体操球技・格闘技・多くの競技短距離・ウエイト・格闘技

04 XX型が筋肉をつけるための科学的トレーニング戦略

💪
XX型は「筋肉がつかない体質」ではなく、「最適化されたプログラムが必要な体質」です。以下の戦略は遺伝子型を理解した上で設計された、XX型に最も効果的な科学的アプローチです。

XX型の週間プログラム(科学的根拠と各設定の理由)

XX型に最適な週間プログラムの基本設計は「高頻度・中強度・漸進性過負荷」です。速筋繊維の発達が遅い分、刺激の頻度を上げることで週あたりの筋タンパク質合成総量を確保します。

曜日部位・種目強度rep×set
胸・肩・三頭筋(プッシュ系)1RM 65〜75%10〜15rep × 3〜4set
背中・二頭筋(プル系)1RM 65〜75%10〜15rep × 3〜4set
脚・臀部(スクワット・デッドリフト)1RM 65〜75%10〜15rep × 3〜4set
軽い有酸素 or アクティブリカバリー低強度20〜30分
胸・肩・三頭筋(月と同部位・変化あり)1RM 70〜80%8〜12rep × 3〜4set
背中・二頭筋 + 脚補助1RM 70〜80%8〜12rep × 3〜4set
完全休息
「なぜこの強度と回数か」:XX型は速筋繊維の量が少ないため、RR型向けの高強度・低rep(3〜5rep)では総ボリューム(重量×回数×セット)が不足します。1RM65〜75%×10〜15repは、遅筋も速筋も効率的に動員しながら、筋タンパク質合成シグナルを最大化できるゾーンです(Schoenfeld, 2010)。

漸進性過負荷の原則——XX型が陥りやすい「停滞期の正体」と抜け出し方

XX型が特に陥りやすい停滞期の原因は「同じ重量・回数・セット数のループ」です。筋肉は同じ刺激に慣れると適応し、それ以上の変化をしなくなります(適応的熱発生の停止)。漸進性過負荷とは定期的にトレーニングの「難しさ」を増やし続けることです。

  • 重量増加(最も効果的):同じrep×setで2週間こなせるようになったら2.5〜5kg増量する
  • rep増加:目標repの上限(15rep)に達したら次の重量へ
  • セット数増加:3setで慣れたら4〜5setへ増やす(ただしボリューム増加は週1〜2セットずつ)
  • 休息短縮:同じ重量・回数で休息時間を短縮するのも有効な漸進性過負荷の一形態

有酸素運動との組み合わせ——「筋肉が減る」は本当か?

「有酸素をすると筋肉が減る」という説は完全な誤りではありませんが、XX型は有酸素との組み合わせが特に有効です。XX型は持久力系の遺伝的素地を持つため、有酸素運動でのエネルギー効率が高く、脂肪燃焼効率も優れています。

XX型の有酸素活用法:①ウエイトトレーニング翌日に低強度有酸素(ウォーキング・軽ジョギング20〜30分)でアクティブリカバリー ②ウエイト後に10〜15分の有酸素は脂肪燃焼を高める ③長時間(1時間以上)の高強度有酸素のみ筋肉分解リスクあり(対策:前後にBCAA/プロテイン摂取)

05 XX型のための栄養・食事戦略

マクロ栄養素バランス(タンパク質・炭水化物・脂質の最適比)

XX型は筋タンパク質合成速度が遅いため、一般推奨よりもタンパク質摂取量を多めに設定することが重要です。十分なアミノ酸プールを維持することで、遅い合成速度を補います。

タンパク質
体重×1.8〜2.2g
炭水化物
総カロリーの40%
脂質
総カロリーの30%
タンパク質摂取量の根拠:体重×1.8〜2.2gはInternational Society of Sports Nutritionの筋力トレーニング者向け推奨値です。XX型は合成速度が遅い分、基質(アミノ酸)の供給を十分に確保することが特に重要です。

食事タイミング戦略(運動前後・就寝前)

  • トレーニング前1〜2時間:炭水化物20〜40g+タンパク質15〜20g(例:バナナ+ゆで卵2個)でグリコーゲン確保
  • トレーニング直後30分以内:プロテイン30〜40g+炭水化物30〜50g(例:ホエイプロテイン+おにぎり)で筋タンパク質合成を最大化
  • 就寝前30〜45分:カゼインプロテイン20〜30g(例:カッテージチーズ・ヨーグルト)。XX型は就寝中の回復が遅いため、就寝前のタンパク質は特に重要

1日の食事例(70kg男性・女性・40代版の3パターン)

食事70kg男性の例女性の例(55kg)40代の例(70kg)
朝食卵3個+ご飯200g+味噌汁卵2個+オートミール40g+フルーツ卵2個+ご飯150g+豆腐+野菜
昼食鶏胸肉150g+ご飯200g+サラダサラダチキン100g+雑穀ご飯130g鮭定食(鮭120g+ご飯150g)
間食プロテイン30g+バナナ1本ギリシャヨーグルト+ナッツゆで卵2個+プロテイン20g
夕食牛赤身100g+ご飯150g+野菜白身魚150g+ご飯100g+野菜豆腐+鶏肉100g+野菜多め
就寝前カゼインプロテイン25gカッテージチーズ80g無糖ヨーグルト+プロテイン20g
合計タンパク質目安約140〜160g約100〜120g約130〜150g

XX型に特化したサプリメント(プロテイン・クレアチン・オメガ3・マグネシウム)

  • ホエイプロテイン(最優先):合成速度が遅いXX型は食事だけでは基質が不足しがち。1日1〜2回(トレ後・就寝前)でタンパク質補充
  • クレアチン(高推奨):速筋繊維のATP再合成を促進。XX型の速筋機能の弱点を補う最も効果的なサプリ。詳細は→クレアチン完全ガイド
  • BCAA(回復補助):トレーニング中・後の筋分解抑制。XX型は回復が遅いためBCAAが特に有効。詳細は→BCAA完全ガイド
  • オメガ3脂肪酸(炎症抑制):筋肉痛(DOMS)の軽減に有効。XX型は回復に時間がかかるためオメガ3での炎症管理が重要
  • マグネシウム(睡眠・回復改善):就寝前にマグネシウムを摂取することで睡眠の質が向上し、成長ホルモン分泌を促進。XX型の回復を底上げする

06 なぜ黒人・外国人は筋肉がつきやすいのか——遺伝子と環境の科学

アフリカ系・欧米系の遺伝子分布の違い(RR型保有率が高い理由)

Yang et al., 2003の研究では、ACTN3遺伝子のRR型保有率に明確な人種間差異が確認されています。アフリカ系ではRR型が約55%と高く、XX型が約25%と低い一方、日本人(アジア系)ではXX型が約78%と高く、RR型が約15%と低い傾向があります。

この遺伝子分布の違いは、数万年にわたる人類の地理的分散と自然選択の過程で形成されたと考えられています。アフリカ大陸では瞬発力・速筋機能が生存に有利な環境(狩猟・外敵への対応)が長く続いた可能性があり、RR型が選択されやすかった可能性があります。

食文化・トレーニング文化・体格の違いが与える影響

遺伝子だけが筋肉のつきやすさの差を説明するわけではありません。以下の要因も大きく関与します。

  • タンパク質摂取量の違い:欧米の食文化は動物性タンパク質の摂取量が日本の約1.5〜2倍多い傾向があります。食事由来のアミノ酸量が多いと、遺伝子型に関わらず筋肥大に有利です
  • ウエイトトレーニング文化の差:アメリカ・ヨーロッパではウエイトトレーニングが学校・スポーツ教育に早期から組み込まれており、長期的なトレーニング経験の蓄積が異なります
  • ステロイド・PED(パフォーマンス向上薬)の影響:SNSで目にする「外国人の筋肉」の多くはステロイドやSARMsなど禁止薬物の使用を含む場合があります。純粋な遺伝子的差異だけで説明できる筋肉量を超えていることも多い

「日本人には日本人に合った筋トレがある」——遺伝子の差を強みに変える考え方

🏃
日本人(XX型多数)の遺伝的強みを忘れないでください。
日本人マラソン選手の活躍(高橋尚子・野口みずき・川内優輝など)はXX型の持久力・疲労耐性の高さを体現しています。また「回復が遅い=ダメージを長く受け続けることができる」ということでもあり、高頻度・継続トレーニングへの適性は高い。遺伝子の差は「劣っている」のではなく「異なる強みを持つ」ということです。

「外国人のような筋肉にならない」のは遺伝子型の違いによる部分がありますが、それは「日本人には日本人の理想の体」があるということでもあります。XX型を正しく理解し、それに最適化された方法で取り組むことが、最も効率的かつ美しい体を作る近道です。

Q&A よくある質問(FAQ)

Q1日本人に筋肉がつきにくいのはなぜですか?
主な原因はACTN3遺伝子のR577X多型です。日本人の約78%が「XX型」と呼ばれる遺伝子型を持ちます。XX型はα-アクチニン3というタンパク質が産生されず、速筋繊維(瞬発力・筋肥大に関わる筋肉)の発達が欧米人・アフリカ系と比べて遅くなります。ただしこれは「筋肉がつかない」ではなく「つくスピードが遅い」という違いです。適切なトレーニングと栄養管理で十分な筋肉発達は可能です。
Q2ACTN3遺伝子のXX型・RR型・RX型の違いは何ですか?
RR型(日本人の約15%)はα-アクチニン3を最も多く産生し、速筋繊維が発達しやすい「瞬発力特化型」です。RX型(約25%)は中間的な特性を持つ「バランス型」です。XX型(約78%)はα-アクチニン3を産生せず、速筋繊維の発達は遅いですが持久力・疲労耐性が高い「持久力特化型」です。それぞれの型に最適なトレーニング強度・頻度・休息時間が異なります。
Q3超回復は日本人だけ起きにくいって本当ですか?
厳密には「超回復が起きにくい」ではなく、「超回復のサイクルが遅い」というのが正確です。XX型を多く持つ日本人は速筋繊維の回復・再合成スピードが欧米人より遅い傾向があります。そのため同じ48〜72時間の休息でも筋タンパク質合成が完了しきれないことがあり、XX型には72〜96時間の休息設計が推奨されます。超回復自体は日本人にも起きますが、「完全回復までの時間が長い」という特性を理解したプログラム設計が必要です。
Q4遺伝子検査でACTN3遺伝子を調べるにはどうすればいいですか?費用は?
現在いくつかの遺伝子検査サービスで調べることができます。主なサービスの費用目安はジーンライフが15,000〜25,000円、GeneQuestが16,000〜32,000円、charGENE Proが9,900円程度です。いずれも唾液を採取して郵送するだけで、数週間で結果が届きます。THE FITNESSでは遺伝子検査結果をもとに個別トレーニングプログラムを設計しています(初回体験時に結果をお持ちいただけると最適なプログラムを提案できます)。
Q5「日本人は筋肉がつきにくい」は嘘という情報を見ましたが?
半分正しく、半分誤りです。「XX型の遺伝子的特性として速筋繊維の発達が遅い」という事実はあります。しかし「筋肉がつかない」「努力しても無駄」というのは誤りです。適切なトレーニング(高頻度・中強度・漸進性過負荷)と栄養管理を継続することで、XX型でも十分な筋肥大と筋力向上を達成できます。実際に日本人ボディビルダーや筋力アスリートが活躍していることがその証明です。
Q6なぜ黒人・外国人は筋肉がつきやすいのですか?
アフリカ系の方はACTN3遺伝子のRR型保有率が約55%と高く、速筋繊維(Type IIx)が発達しやすい傾向があります。また欧米の食文化はタンパク質摂取量が多く、ウエイトトレーニング文化も長い歴史があります。さらにSNSで見かける「外国人の筋肉」はステロイド等の薬物使用を含む場合も多く、遺伝子だけが全ての理由ではありません。日本人もXX型の特性に合った戦略で取り組めば、理想の体型を達成できます。
Q7筋肉がつきにくい体質は生まれつきで変えられませんか?
遺伝子型自体は変えられませんが、筋肉のつきやすさは遺伝子だけで決まりません。トレーニングの頻度・強度・方法、栄養(特にタンパク質摂取量)、睡眠・回復の質、ホルモン環境などが複合的に作用します。XX型であっても、適切な高頻度・中強度トレーニング(週4〜5回、1回45〜60分)とタンパク質摂取(体重×1.8〜2.2g)を継続することで、3〜6ヶ月で明確な変化を実感できます。

GYM THE FITNESS 基本情報

スタジオ名THE FITNESS(ザ・フィットネス)
住所〒182-0022 東京都調布市国領町4-51-6 アムール国領 B1F
アクセス京王線「国領駅」近く。府中市・狛江市・三鷹市・世田谷区・稲城市からもアクセス良好。遺伝子検査に基づいたACTN3型別プログラム設計に対応。オンラインセッションも可。
営業時間09:00〜23:00(不定休)
電話070-1460-0990
Instagram@thefitness.chofu
初回体験 初回60分・完全無料で予約する

関連記事(内部リンク)

REF 参考文献(エビデンスレベル順・直リンク)

  • 1. Yang N, et al. “ACTN3 genotype is associated with human elite athletic performance.” American Journal of Human Genetics. 2003;73(3):627-631.(ACTN3遺伝子と競技パフォーマンス・人種差の根拠研究)
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12879365/
  • 2. Eynon N, et al. “The ACTN3 R577X polymorphism across three groups of elite male European athletes.” PLOS ONE. 2012;7(8):e43132.(欧米人アスリートのACTN3型分布データ)
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22916217/
  • 3. MacArthur DG, et al. “Loss of ACTN3 gene function alters mouse muscle metabolism and shows evidence of positive selection in humans.” Nature Genetics. 2007;39(10):1261-1265.(α-アクチニン3の速筋・遅筋機能への影響メカニズム)
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17828264/
  • 4. Schoenfeld BJ. “The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training.” Journal of Strength and Conditioning Research. 2010;24(10):2857-2872.(筋肥大メカニズムとトレーニング強度・回数の根拠)
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20847704/
  • 5. 順天堂大学スポーツ科学研究——ACTN3遺伝子多型に関する研究
    https://www.juntendo.ac.jp/assets/2016-M-974.pdf
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