目次
蒸し野菜は栄養が残るのか
調理法別の保持率とダイエットに向く食べ方
- 栄養を残したいなら、蒸す・電子レンジ・焼く・茹でるの順に有利です。
- 差がいちばん大きいのはビタミンC。蒸すと約84〜90%残りますが、茹でると約26〜34%まで落ちます。
- 茹でた場合でも、汁ごと食べれば流出分の多くは取り戻せます。
- 蒸し野菜はダイエットに向きますが、それだけではたんぱく質が足りません。
ビタミンC保持率
ビタミンC保持率
平均(目標350g)
01 ANSWER栄養を残したいなら、どの調理法を選ぶか
結論から示します。野菜の栄養を残す観点では、蒸す・電子レンジ・焼く・茹でるの順に有利です。差が最も大きいのはビタミンCです。蒸した場合の保持率は約84〜90%ですが、茹でると約26〜34%まで落ちます。3分の1以下になる計算です。
なぜ調理法で差が出るのか
理由は3つあります。熱による分解。ビタミンCやビタミンB1は熱に弱く、加熱時間が長いほど分解が進みます。これはどの調理法にも共通します。
水への溶出。水溶性のビタミン(C、B群)とミネラルの一部は、水に溶け出します。茹でるが不利なのは、この経路が働くからです。栄養素は壊れたのではなく、ゆで汁に移っています。
加熱時間の長さ。同じ方法でも、時間が長ければ損失は増えます。茹でる場合、時間を短くすれば損失はかなり抑えられます。つまり調理法の優劣は固定ではなく、「水に触れる量」と「加熱時間」の掛け算で決まります。
ただし、栄養保持率だけで選ばないでください
保持率が高い調理法が、いつも最善というわけではありません。にんじんのβ-カロテンは脂溶性なので、油で炒めたほうが吸収率が上がります。トマトのリコピンも加熱したほうが吸収されやすくなります。ほうれん草は、短時間でも茹でることでシュウ酸を減らせます。残す量と、吸収できる量は別の話です。この記事では両方を扱います。
02から05で調理法ごとの特徴、06で保持率の比較、07で食材別の使い分け、08で蒸し野菜とダイエットの関係、09で吸収率、10で忙しい日の実践という順に進みます。
02 STEAM蒸す——水に溶ける栄養素をいちばん残せる
保持率が高い理由
蒸すという調理は、食材を水に浸けずに、水蒸気の熱だけで加熱する方法です。水に触れないので、水溶性ビタミンとミネラルの溶出がほとんど起きません。
ブロッコリーへの5種類の調理法(蒸す・電子レンジ・茹でる・炒める・炒め茹で)を比較した研究(Yuanら, 2009)では、蒸した場合だけがビタミンC・クロロフィル・グルコシノレートをほぼ保持したと報告されています。他の方法では、いずれかの成分が明確に減っていました。
蒸すときの温度と時間
蒸し器の中は100度前後です。加熱は水蒸気を通して行われるため、直火や高温の油と比べて温度が上がりすぎません。温度が一定で、しかも上限が決まっているというのが、蒸すことの利点です。時間の目安は食材によって変わります。
| 食材 | 蒸し時間の目安 |
|---|---|
| ブロッコリー | 3〜4分 |
| にんじん(薄切り) | 5〜7分 |
| キャベツ | 3〜5分 |
| かぼちゃ | 8〜10分 |
| いも類 | 15〜20分 |
火が通ったかどうかは、竹串がすっと入るかで判断します。長く蒸しても栄養は減っていきます。柔らかくなりすぎる前に止めてください。
蒸し器がなくてもできます
専用の蒸し器がなくても、次の方法で代用できます。フライパンに1cmほど水を張り、野菜を入れて蓋をして中火。これで蒸し焼きになります。ザルを鍋にのせて蓋をする方法も使えます。耐熱皿に野菜と少量の水を入れてラップをし、電子レンジにかける方法は05で扱います。器具を揃えることが目的ではありません。水に浸けずに加熱できれば、方法は問いません。
蒸すことの弱点
弱点は2つあります。時間がかかること。湯を沸かして蒸気を立てるまでに数分必要です。忙しい日には向きません。
味がつきにくいこと。水も油も使わないので、素材の味だけになります。物足りない場合は、蒸したあとにオリーブオイルと塩、あるいはポン酢やごまだれを合わせてください。油を後がけすると、脂溶性ビタミンの吸収も上がります。ほうれん草のように、蒸すより短時間で茹でたほうがよい野菜もあります。理由は次の03と、食材別の07で扱います。
ほうれん草の栄養と調理のポイント03 BOIL茹でる——失うぶんを取り戻す方法
数字で見ると不利です
茹でた場合のビタミンC保持率は約26〜34%。蒸した場合(84〜90%)と比べると、大きく下回ります。10種類の野菜について4つの調理法を比較した研究(Leeら, 2018)でも、ビタミンCの保持率は電子レンジと蒸しで高く、茹でると最も低くなることが示されています。
ただし「壊れた」わけではありません
ここが重要な点です。茹でて失われた水溶性ビタミンとミネラルの多くは、分解されたのではなく、ゆで汁に移っています。つまり汁ごと食べれば、かなりの部分を取り戻せます。味噌汁、スープ、鍋、煮物という調理は、この点で理にかなっています。「茹でるは栄養が逃げるからダメ」という理解は半分だけ正しく、汁を捨てる場合に限って正しい、というのが正確です。
茹でるときに損失を減らす4つの方法
| やること | 理由 |
|---|---|
| 湯を沸かしてから入れる | 加熱時間を短くできる |
| 水の量を減らす | 溶け出す先を減らす |
| 大きめに切る | 表面積を減らす |
| 茹で汁を使う | 溶出分を回収する |
水から入れると、沸騰するまでの数分間ずっと加熱され続けます。沸騰した湯に入れれば、その時間が省けます。切り方も効きます。細かく切るほど表面積が増え、溶け出す量が増えます。茹でる前提なら、大きめに切って後から刻むほうが損失は減ります。
茹でたほうがよい場合もあります
ほうれん草にはシュウ酸が含まれており、これはカルシウムの吸収を妨げ、人によっては結石のリスク要因になります。シュウ酸は水に溶けるので、短時間茹でて水にさらすことで減らせます。ビタミンCの損失と引き換えに、シュウ酸を減らす。この判断は栄養保持率だけでは説明できません。目的で選ぶという例です。同じことが山菜のあくや、いも類のえぐみにも当てはまります。
水分補給と電解質——汗で失うもの04 GRILL焼く——香ばしさと引き換えに何を失うか
水を使わない分、有利な面があります
焼く・炒めるという調理も、水に触れないという点では蒸すと似ています。水溶性ビタミンの溶出は少なく済みます。ただし直火や高温の油に触れる面は、蒸すより加熱温度が高くなります。フライパンの表面温度は200度を超えることもあり、これは蒸し器の100度前後より大幅に高い水準です。
高温・短時間がポイント
焼く調理での栄養保持は、高温で短時間にするほど有利になります。強火でさっと炒めれば、表面は加熱されても中心部への熱の伝わりは限定的です。逆に弱火でじっくり炒めると、加熱時間が延びて損失が増えます。「弱火でやさしく」というイメージと、栄養保持の実際は逆方向であることがあります。
油を使うことの利点
焼く・炒めるは油を使う調理法でもあります。β-カロテンやビタミンE、リコピンのような脂溶性の成分は、油と一緒に摂ることで吸収率が上がります。にんじんやかぼちゃ、トマトは、蒸すより炒めたほうが体に取り込まれる量が増えることがあります。ここは09で詳しく扱います。
焼く調理の注意点
高温で長時間、あるいは焦げ付くまで加熱すると、たんぱく質やでんぷんから望ましくない物質が生成されることが知られています。肉や魚を焼く場合は、焦げの部分は避ける、強火より中火を基本にするという対応で、リスクを抑えられます。野菜の場合、多少の焦げ目は風味の範囲ですが、真っ黒になるまでは加熱しないでください。
焼く時間の目安
| 食材 | 焼き方の目安 |
|---|---|
| ピーマン・パプリカ | 強火で1〜2分 |
| なす | 中火で3〜4分 |
| きのこ類 | 強火で2〜3分 |
| 鶏むね肉 | 中火で片面3〜4分ずつ |
05 RANGE電子レンジ——実は栄養に有利な調理法
「レンジは栄養が壊れる」は誤解です
電子レンジ調理に悪いイメージを持つ方は少なくありませんが、実測データはこれを支持していません。10種類の野菜を対象にした研究(Leeら, 2018)では、電子レンジのビタミンC保持率は約80〜88%で、茹でた場合(約26〜34%)より明確に高いことが示されています。蒸すことに次いで有利な調理法です。
なぜレンジが有利なのか
理由は2つです。加熱時間が短い。電子レンジは食材の内部の水分を直接振動させて加熱するため、鍋で温めるより短時間で仕上がります。加熱時間が短いほど、熱による分解が抑えられます。
使う水が少ない。耐熱皿にラップをかけて加熱する方法では、茹でるときのような大量の湯を使いません。水溶性ビタミンの溶出先が少ないため、蒸すのに近い結果になります。
レンジでの野菜の加熱方法
①野菜を洗って一口大に切る
②耐熱皿に並べ、大さじ1〜2の水を加える
③ふんわりラップをして加熱する
④竹串がすっと通ればできあがり
| 食材(200g目安) | 加熱時間(600W) |
|---|---|
| ブロッコリー | 2分〜2分30秒 |
| にんじん(薄切り) | 2分30秒〜3分 |
| キャベツ | 1分30秒〜2分 |
| かぼちゃ | 4〜5分 |
レンジ調理の注意点
加熱ムラが起きやすいのが弱点です。途中で一度混ぜると、均一に火が通ります。水を入れすぎると、結局は茹でるのに近い状態になり、利点が薄れます。大さじ1〜2程度の少量にとどめてください。加熱しすぎると、他の調理法と同様に栄養は減っていきます。「レンジは短時間だから安心」と過信せず、様子を見ながら調整してください。
レンジ加熱の道具を揃えることで、平日の調理時間そのものを短縮できます。専用のスチーマーがあると、水加減や加熱時間の管理がしやすくなります。
06 TABLE調理法別・栄養保持率の比較表
ここまでの内容を、数字でまとめます。いずれも実測研究に基づく目安の範囲です。食材や加熱時間によって変動します。
ビタミンCの保持率
| 調理法 | 保持率 |
|---|---|
| 蒸す | 84〜90% |
| 電子レンジ | 80〜88% |
| 焼く・炒める | 60〜75% |
| 茹でる | 26〜34% |
上の表は「どれだけ残るか」、下の表は「残ったものがどれだけ吸収されるか」を示しています。残す量と、体に入る量は別の話です。脂溶性の成分は、保持率が高くても油がなければ吸収されにくくなります。
脂溶性ビタミン・カロテノイドの吸収されやすさ
| 調理法 | β-カロテン・リコピン |
|---|---|
| 油で炒める | 吸収率が上がる |
| 蒸す+油を後がけ | 吸収率が上がる |
| 生食 | 吸収率は低め |
表の読み方
この表は「1つの調理法だけが正解」という結論を示すものではありません。ビタミンCを残したいなら蒸す、β-カロテンを吸収したいなら油と一緒に、というように、成分ごとに有利な方法が違います。1週間の中で調理法を使い分けることが、いちばん取りこぼしの少ない方法です。
3点、押さえておいてください。
1つめ。表の「茹でる 26〜34%」は、ゆで汁を捨てた場合の数値です。茹でて減った水溶性ビタミンとミネラルの多くは、分解されたのではなく汁に移っています。味噌汁、スープ、鍋、煮物のように汁ごと食べれば、かなりの部分を取り戻せます。「茹でるは栄養が逃げるからダメ」ではなく、「汁を捨てるならもったいない」が正確な理解です。
2つめ。差が大きいのはビタミンCで、ミネラルの差はもっと小さくなります。ビタミンCは蒸すと茹でるで3倍近い開きがありますが、ミネラルは茹でても約60%が残ります。すべての栄養素が同じ比率で失われるわけではありません。
3つめ。この数値は目安です。同じ「茹でる」でも、時間・水の量・切り方で結果は変わります。水から入れて10分茹でるのと、沸騰した湯に入れて2分茹でるのとでは、同じ調理法でも損失が違います。表は調理法の傾向を示すもので、固定の数字ではありません。
07 FOOD食材別・おすすめの調理法
葉物野菜(ほうれん草・小松菜・水菜)
ほうれん草はシュウ酸を含むため、短時間茹でて水にさらすのが基本です。小松菜や水菜はシュウ酸が少なく、蒸すか電子レンジで十分です。いずれも加熱しすぎるとかさが減りすぎるので、色が鮮やかになった時点で止めてください。
緑黄色野菜(にんじん・かぼちゃ・トマト)
β-カロテンとリコピンは脂溶性なので、油と組み合わせる調理が有利です。にんじんは炒める、かぼちゃは蒸してからオリーブオイルをかける、トマトは軽く炒めるかスープに、といった形が向いています。
アブラナ科(ブロッコリー・キャベツ・カリフラワー)
グルコシノレートという成分は水に溶けやすく、加熱にも弱いため、蒸すか電子レンジが最も有利です。茹でる場合は短時間にとどめ、できれば汁ごと使える調理(スープなど)に振り分けてください。
いも類(じゃがいも・さつまいも)
加熱に時間がかかる食材です。皮つきのまま蒸す、または電子レンジにすると、皮が水溶性ビタミンの流出を防ぐ壁になります。茹でる場合も皮つきのほうが有利です。皮をむくのは加熱後にしてください。
肉・魚
肉や魚のたんぱく質は加熱で変性しますが、量そのものは大きく減りません。ビタミンB群は水溶性なので、茹でるより焼く・蒸すほうが残りやすいのは野菜と同じです。魚を煮る場合は、煮汁ごと食べられる料理(味噌煮など)にすると、溶出分を回収できます。
肉と魚については、野菜と考え方が変わります。たんぱく質は加熱で損なわれません。むしろ加熱によって消化吸収されやすくなります。
注意するのは脂の扱いです。焼く・網焼きにすると余分な脂が落ち、揚げると油を吸います。同じ食材でも、調理法でエネルギー量が大きく変わります。
ビタミンB1(豚肉)とビタミンB12は水溶性なので、茹でると煮汁に移ります。しゃぶしゃぶや鍋にする場合は、汁ごと食べるか、雑炊にして回収してください。
食材別まとめ表
| 食材 | おすすめの調理法 |
|---|---|
| ほうれん草 | 短時間茹でて水にさらす |
| ブロッコリー | 蒸す・電子レンジ |
| にんじん・かぼちゃ | 蒸す+油、または炒める |
| トマト | 加熱+油(スープ・炒め) |
| いも類 | 皮つきで蒸す・電子レンジ |
| 魚の煮物 | 煮汁ごと食べる |
表の理由を補足します。同じ考え方を、表にない野菜にも当てはめられます。
ほうれん草を茹でるのは、シュウ酸を減らすためです。シュウ酸はカルシウムと結びついて吸収を妨げ、人によっては結石のリスク要因になります。水に溶けるので、1分ほど茹でて水にさらすと減らせます。ビタミンCの損失と引き換えですが、この野菜に限っては茹でる価値があります。
ブロッコリーを蒸すのは、ビタミンCが多く、しかも流出しやすいためです。ブロッコリーで5種類の調理法を比較した研究(Yuanら, 2009)では、蒸した場合だけがビタミンC・クロロフィル・グルコシノレートをほぼ保持していました。茹でると3分の1以下になります。
にんじんとかぼちゃに油を合わせるのは、β-カロテンが脂溶性だからです。水に溶けないので茹でても流出しませんが、油がないと吸収されにくい成分です。蒸してからオリーブオイルを小さじ1かけるだけでも条件は整います。
かぼちゃについては、調理法だけでなく1食の量や筋トレ前後のタイミングも設計に関わります。糖質源としての使い方は別記事にまとめてあります。
かぼちゃは筋トレに向くのか|何グラム・いつ食べるか・減量中の使い方トマトを加熱するのは、リコピンの吸収が上がるためです。生のトマトより、スープや炒め物にしたほうが体に入る量が増えます。「トマトは生がいい」は、この成分については逆になります。
いも類を皮つきで蒸すのは、皮のすぐ下に栄養が多く、茹でると水っぽくなるためです。皮ごと蒸すと、栄養も食感も保てます。
魚の煮物を煮汁ごと食べるのは、脂溶性ビタミンとDHA・EPAが煮汁に移るためです。煮汁を捨てると、魚から摂りたい成分の一部を捨てることになります。
たんぱく質の種類による吸収のされやすさや、植物性と動物性の違いについては別記事で扱っています。
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無料カウンセリングを予約する →08 DIET蒸し野菜はダイエットに向くのか
向く理由
蒸し野菜がダイエット向きとされる理由は3つあります。油を使わないためカロリーが低いこと。同じ野菜でも炒めると油の分だけカロリーが加算されます。かさが減りにくく満腹感が出やすいこと。茹でると水分が抜けてかさが減りますが、蒸すとそのままの体積で食べられます。噛む回数が増えやすいこと。柔らかくなりすぎないため、自然と咀嚼回数が増え、満腹中枢が働きやすくなります。
生野菜と蒸し野菜、どちらが痩せやすいか
量を食べるなら蒸し野菜です。加熱するとかさが減るので、生では食べきれない量が入ります。キャベツ200gは生ではボウル1杯になりますが、蒸すと片手に収まります。
ビタミンCの保持率だけを見れば生が上です。ただし生で200g食べられないなら、実際に摂取できる総量は蒸したほうが多くなります。保持率ではなく、保持率×食べた量で考えてください。
一方、生野菜には噛む回数が多いという利点があります。どちらか一方に決めず、日によって使い分けるのが現実的です。
1食でどれくらい食べればいいか
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、健康日本21(第三次)が掲げる野菜摂取量の目標は1日350gです。2023年の国民健康・栄養調査での日本人の平均は256gで、目標に届いていません。
1日350gを3食に分けると、1食あたり約120gになります。
| 目安 | 重さ |
|---|---|
| 1日の目標 | 350g |
| 1食あたり | 約120g |
| いまの平均 | 256g |
| 不足分 | 約94g |
120gの蒸し野菜は、おおよそ30〜50kcalです。カロリーを心配する必要はほぼありません。
不足している94gは、1日1回、蒸し野菜の小鉢を1つ足せば埋まる差です。「野菜をもっと食べる」という漠然とした目標より、この数字のほうが行動に移しやすくなります。
蒸し野菜だけでは足りません
野菜は食物繊維とビタミン・ミネラルの供給源として優秀ですが、たんぱく質はほとんど含みません。蒸し野菜だけの食事を続けると、体重は落ちても、その内訳は脂肪だけでなく筋肉も含まれます。筋肉が減ると基礎代謝が下がり、同じ食事量でも太りやすい体に近づきます。
組み合わせるべきもの
蒸し野菜1食分(200〜250g)に対して、次のどれかを組み合わせてください。
| 組み合わせ | 目安量 |
|---|---|
| 鶏むね肉 | 100g |
| 卵 | 1〜2個 |
| 豆腐 | 150g |
| ツナ缶 | 1缶 |
ダイエット向きの野菜と、量を意識したい野菜
すべての野菜が同じではありません。
| 分類 | 食材 |
|---|---|
| たっぷり食べてよい | キャベツ・ブロッコリー・きのこ |
| 普通に食べてよい | にんじん・玉ねぎ・大根 |
| 量を意識する | かぼちゃ・いも類・とうもろこし |
かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、とうもろこしは糖質が多く、100gあたり70〜140kcal程度あります。キャベツやブロッコリー(20〜40kcal程度)とは3倍以上の開きがあります。
これらを「野菜」として数えると量を見誤ります。主食の一部として扱うと計算が合います。かぼちゃの煮物を小鉢1杯食べたなら、ご飯を少し減らす。この置き換えで整理できます。
逆に、きのこ類は量を気にせず足せます。カロリーがほとんどなく、食物繊維と旨味が加わるので、蒸し野菜のかさ増しに向いています。
蒸し野菜と、上のどれか1つ。これで野菜だけの食事より満足感が続き、筋肉を維持しながら体脂肪を減らす方向に近づきます。腸内環境を整える食事の考え方や、日々の食事設計については別記事でも扱っています。
腸から整えるトレーニングと食事 腸内環境を整える食事の設計【デメリット】冷凍宅食は単価が自炊よりやや割高になり、冷凍庫のスペースも必要です。毎食の置き換えではなく、平日の基準を作る手段として考えてください。
09 ABSORB保持率だけでは分からない、吸収されやすさの話
保持率と吸収率は別の指標です
ここまで「調理でどれだけ残るか(保持率)」を中心に扱いましたが、体にどれだけ取り込まれるか(吸収率)は別の話です。保持率が高くても、吸収されにくい形のままでは意味が半減します。
脂溶性の成分は油と一緒に
β-カロテン(にんじん・かぼちゃ)、リコピン(トマト)、ビタミンA・D・E・Kは脂溶性です。油を含む状態で摂ると、腸での吸収率が上がります。蒸しただけの状態より、蒸したあとにオリーブオイルをかける、あるいは炒めるほうが、体に取り込まれる量は増えます。生のにんじんサラダより、油で炒めたにんじんのほうがβ-カロテンの吸収に有利、というのはこの理屈です。
加熱で吸収が上がる例
トマトのリコピンは、生のままより加熱したほうが細胞壁が壊れて吸収されやすくなります。「生が一番」とは限りません。ビタミンCのように加熱で減る成分がある一方、リコピンのように加熱で吸収が上がる成分もあります。1つの正解ですべてを説明しようとしないことが、この分野では特に重要です。
水溶性ビタミンは生か短時間加熱が有利
ビタミンCやビタミンB群は、油との相性より加熱時間の短さが重要です。生で食べられる野菜(トマト、パプリカ、キャベツの一部)は、生のままか、さっと火を通す程度が有利です。
実践での考え方
迷ったら、「ビタミンCが多い野菜は蒸すか生、カロテノイドが多い野菜は油と一緒に」という振り分けで大きく外しません。1皿の中で両方を組み合わせる(蒸し野菜にオリーブオイルをかけ、生のミニトマトを添えるなど)と、両方の利点を取り込めます。
10 DAILY忙しい日に野菜を摂り続ける実践法
1日の目標量
健康日本21(第三次)が掲げる野菜摂取目標は1日350gです。2023年の国民健康・栄養調査では、日本人の野菜摂取量の平均は256gで、目標に約94g届いていません。1食あたりに換算すると約120g、蒸すと小鉢1杯強の量です。
まとめて作り置きする
毎食その場で蒸すのが理想ですが、続かなければ意味がありません。休日にまとめて蒸しておき、平日は温め直すだけにする方法が現実的です。蒸した野菜は冷蔵で2〜3日、小分けにして冷凍すれば2〜3週間保存できます。ブロッコリー、にんじん、かぼちゃは冷凍に向いています。葉物は解凍すると食感が変わるため、その日のうちに食べるほうが向いています。
冷凍野菜という選択肢
生鮮野菜を買って自分で下処理する時間がない場合、冷凍野菜も十分な選択肢です。収穫後すぐに加工されるため、栄養価の低下は輸送・保管中の生鮮野菜より小さく抑えられていることが知られています。ブロッコリーやほうれん草は冷凍でも扱いやすく、必要な分だけ使えるという利点もあります。
1週間の組み立て例
| 曜日 | 調理法 |
|---|---|
| 日曜(作り置き日) | ブロッコリー・にんじんを蒸す |
| 月〜水 | 作り置きを温め直し+たんぱく源 |
| 木・金 | 冷凍野菜を電子レンジで |
| 土 | 生野菜サラダで気分を変える |
在宅ワークが多い方は、昼食に野菜が偏りやすい傾向があります。作り置きと冷凍野菜を組み合わせておくと、平日の準備の負担を減らせます。作り置きおかずのアイデアや、在宅ワーク中の食事設計についても別記事で扱っています。
美肌レシピ1週間の献立表と作り置き 在宅ワーク中の食事設計 作り置き弁当のおかずランキング【デメリット】サプリメントはあくまで野菜そのものの代わりにはなりません。ビタミン・ミネラルは補えないため、野菜量を増やす努力と併用する位置づけで使ってください。摂りすぎるとお腹が張ることがあるので、少量から試してください。
よくある質問
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無料カウンセリングを予約する →まとめ
調理法によって、栄養素の残り方は大きく変わります。蒸す・電子レンジ・焼く・茹でるの順に、水溶性ビタミンは残りやすくなります。ただし茹でることが悪いわけではなく、汁ごと食べれば流出分の多くは取り戻せます。
- ビタミンCの保持率は蒸す84〜90%、電子レンジ80〜88%、茹でる26〜34%と大きな差がある
- β-カロテンやリコピンのような脂溶性の成分は、油と組み合わせると吸収率が上がる
- ほうれん草のようにシュウ酸を含む野菜は、あえて茹でて水にさらすほうがよい場合もある
- 蒸し野菜はダイエットに向くが、たんぱく源(肉・卵・豆腐など)を組み合わせる
- 1日の野菜目標は350g。日本人の平均は256gで約94g不足している
- 作り置きと冷凍野菜を組み合わせれば、忙しい平日でも野菜量を維持しやすい
まずは1食分だけ、蒸す・電子レンジのどちらかに置き換えてみてください。小さな変更でも、1週間続ければ摂取量の差になって表れます。
THE FITNESS|調布市のパーソナルジム
| 所在地 | 〒182-0022 東京都調布市国領町4-51-6 アムール国領 B1F |
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参考文献・科学的根拠
- 1Lee S, Choi Y, Jeong HS, Lee J, Sung J. “Effect of different cooking methods on the content of vitamins and true retention in selected vegetables.” Food Sci Biotechnol. 2018;27(2):333-342. 10種類の野菜を対象に4つの調理法(生・茹でる・蒸す・電子レンジ)を比較し、ビタミンCの保持率が蒸す・電子レンジで高く茹でるで最も低いことを示した。02・03・05・06の根拠として参照。 PMID:30263756
- 2Yuan GF, Sun B, Yuan J, Wang QM. “Effects of different cooking methods on health-promoting compounds of broccoli.” J Zhejiang Univ Sci B. 2009;10(8):580-588. ブロッコリーへの5種類の調理法を比較し、蒸した場合にビタミンC・クロロフィル・グルコシノレートが最もよく保持されたことを示した。02・07の根拠として参照。 PMID:19650196
- 3厚生労働省 e-ヘルスネット「野菜1日350gで健康増進」。健康日本21(第三次)の野菜摂取目標と、2023年国民健康・栄養調査における日本人の平均摂取量の根拠として参照。 厚生労働省 e-ヘルスネット
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