「毎月体脂肪率を測っているのに、健康診断で毎回引っかかる」「体重は変わっていないのに、なんとなく体が重く感じる」——このような矛盾を感じたことはありませんか。原因のほとんどは、体脂肪率という1つの数字だけで「体の状態」を判断していることにあります。この記事では、30〜60代を18年間指導してきた現場の経験と科学的根拠をもとに、40代以降が本当に管理すべき5つの健康指標の「見方・測り方・今日からできる改善アクション」を年代別・男女別の数値と一緒に解説します。

QUICK ANSWER:①筋肉量(最優先・他4指標すべてに連鎖)②内臓脂肪レベル(代謝疾患リスク直結)③骨密度(沈黙の低下・女性特に重要)④基礎代謝量(体重管理の土台)⑤血管年齢(体脂肪率では見えない老化指標)。改善は①筋肉量から始めると最も費用対効果が高くなります(Cruz-Jentoft et al. 2019 / PMID:30312372)。

SEC01 4つの変化体脂肪率だけでは見えない——40代の体で同時進行する4つの変化

変化の内容 体脂肪率への反映 見落とすリスク
筋肉量の年1%低下(30代〜開始) 筋肉が減り脂肪が増えても
比率は変わらないことがある
隠れサルコペニア
基礎代謝低下・転倒リスク上昇
骨密度の沈黙の低下 全く反映されない 骨折→入院→筋力低下→フレイルの連鎖
基礎代謝の低下(主因は筋肉量低下) 反映されない 同じ食事量でも太りやすくなる
内臓脂肪の蓄積 皮下脂肪と混在して見えにくい 糖尿病・高血圧・心疾患リスクに直結

「体脂肪率は正常なのに健診で引っかかる」2つの典型パターン

パターン①:隠れメタボ型
体脂肪率が正常範囲でも内臓脂肪レベルが高い状態。健診で血糖値・中性脂肪・血圧のいずれかに「要注意」が出る場合に多く見られます。
パターン②:サルコペニア肥満型
体重・体脂肪率が正常でも筋肉量が著しく少なく脂肪量が多い状態。過去にダイエットで体重を落とした経験がある40〜60代に多く見られます。
健診で「要注意」が出た40〜50代への運動処方箋

10問セルフ診断:自分はどの指標が危ないか?

【筋肉量チェック】
□ ふくらはぎの最大周囲径が男性34cm未満・女性33cm未満
□ 椅子から手を使わずに立ち上がるのに12秒以上かかる
□ 体重・体脂肪率は正常範囲だが疲れやすい・体型が崩れてきた
【内臓脂肪チェック】
□ 腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上ある
□ 健診で血糖値・中性脂肪・血圧のいずれかに継続して「要注意」
□ 体重は変わっていないのにお腹まわりだけ太ってきた
【骨密度チェック】
□ 閉経後(女性)、または40代後半に差し掛かっている
□ 乳製品・小魚・緑黄色野菜をほとんど食べない
□ 骨密度をこれまで一度も測ったことがない
【基礎代謝・血管年齢チェック】
□ 以前と同じ食事量なのに体重が増え始めた
□ 健診で血圧・LDLコレステロール・血糖値のいずれかに継続して「要注意」
今日からできること:まず腹囲(へそまわり)とふくらはぎ周囲径をメジャーで測定してください。この2つの数値だけで②内臓脂肪と①筋肉量の「危険ライン」をおおよそ判断できます。

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SEC02 筋肉量①筋肉量|最優先指標——他の4指標すべてに連鎖する「改善の起点」

筋肉量が「最優先」である4つの科学的理由

①基礎代謝の底上げ
筋肉量1kg増加で基礎代謝が約13kcal/日増加(個人差あり)。日常動作の消費カロリー全体が上がり体組成改善が加速します。
②内臓脂肪の改善
筋肉量増加でインスリン感受性が向上し、血糖代謝が安定して内臓脂肪の蓄積が抑制されます(Janssen et al. 2004 / PMID:14769646)。
③骨密度の維持
筋肉の収縮が骨に機械的刺激を与え骨芽細胞が活性化されます(Wolffの法則)。荷重トレーニングは有酸素運動より骨密度向上効果が高いことが確認されています。
④マイオカインの分泌
筋肉は収縮することでイリシン・IL-6・BDNFなどのマイオカインを分泌します。脂肪燃焼・インスリン抵抗性改善・認知機能向上・抗炎症作用など全身に好影響を与えます。
マイオカインとは|筋肉が分泌する健康ホルモンの種類と増やし方はこちら

40代男女別の筋肉量セルフ判定ミニ表

対象 目標(適正) 要注意ライン 危険ライン
40代男性(体重70kg) 27〜31kg(体重の38〜44%) 24kg未満(34%未満) 21kg未満(30%未満)
40代女性(体重55kg) 16.5〜20kg(体重の30〜36%) 15.4kg未満(28%未満) 13.8kg未満(25%未満)
50代男性(体重70kg) 26〜30kg(体重の37〜43%) 23kg未満 20kg未満
50代女性(体重55kg) 15.4〜19kg(体重の28〜35%) 14.3kg未満 12.4kg未満
ふくらはぎ周囲径が男性34cm未満・女性33cm未満の場合、筋肉量低下の可能性があります(Chen LK et al. AWGS 2019 / PMID:32033882)。椅子5回立ち上がりテストで12秒以上かかる場合も下肢筋力低下のサインです。

年代別・筋肉量を守る最小アクション設計

30〜40代向け(週3回・60分が理想)

大筋群を中心とした種目(スクワット・デッドリフト・ベンチプレス・ベントオーバーロウ)を週3回。たんぱく質は体重×1.5g/日を目安に、1食30〜40gを上限として分散摂取。適切に取り組めば3ヶ月で0.5〜1kg程度の増加が現実的な目安です。

40〜50代向け(週2回・45分から)

関節・腱の柔軟性低下と回復速度の低下を考慮し、種目の難易度を下げることを優先。ゴブレットスクワット・レッグプレス・シーテッドロウなど可動域と関節負荷を管理しやすい種目が適しています。たんぱく質は体重×1.2〜1.5g/日を目安に動物性たんぱく質(卵・鶏むね・魚)を優先します。

50〜60代向け(週2回・30分でも十分)

安全性を最優先に、バードドッグ・グルートブリッジ・壁プッシュアップ・チェアスクワットなど関節への負荷が少ない種目から始めてください。握力が男性28kg・女性18kg未満はサルコペニアの診断基準(AWGS 2019)に近い水準のため、専門家への相談を強くおすすめします(Chen LK et al. 2019 / PMID:32033882)。

40代からの筋トレ|ケガしない始め方と週2回で続くメニュー設計 1年で筋肉量はどれくらい増えるか
今日からできること:今週中に体組成計で骨格筋量を確認し、上記ミニ表と照合してください。「要注意ライン」以下であれば今週から週2回・大筋群を使うトレーニング(スクワット系とプッシュ系の2種目だけでも可)を開始することが最優先アクションです。

SEC03 内臓脂肪②内臓脂肪レベル|代謝疾患リスクを直接左右する指標

内臓脂肪が危険な理由——皮下脂肪との根本的な違い

比較項目 内臓脂肪 皮下脂肪
蓄積場所 腹部内臓の周囲(腸間膜等) 皮膚の直下(腹部・太もも・臀部等)
体脂肪率への反映 されにくい 反映される
代謝・疾患リスク 高(炎症性物質を分泌) 低〜中
落としやすさ 比較的落としやすい
3〜6ヶ月で変化が出やすい
落ちにくい(数ヶ月〜1年以上)

内臓脂肪レベルのセルフ判定ミニ表+今週からできる食事の最小変更3ステップ

体組成計レベル値 判定 推奨アクション
1〜9 安全圏 現状の食事・運動習慣を維持
10〜14 過剰(要改善) 下記3ステップの食事改善を開始
15以上 危険(要精査) 医療機関でのCT検査・医師への相談を検討
ステップ①(1週目):精製糖質を1日1食だけ置き換える(白米→玄米 / 白パン→全粒粉パン / 清涼飲料水→水・無糖コーヒー)
ステップ②(2〜3週目):毎食に食物繊維を1品追加する(朝:納豆 / 昼:サラダ / 夕:わかめ味噌汁)。目標は食物繊維20〜25g/日(日本人平均約14g)
ステップ③(4週目〜):有酸素運動を週150分(30分×5回)追加。内臓脂肪は有酸素運動に敏感に反応します(WHO身体活動・座位行動ガイドライン2020)
今日からできること:今日の昼食または夕食から、精製糖質を1品だけ置き換えてください。小さな変更を3週間続けることで体組成計の内臓脂肪レベルに変化が現れ始めます。
ストレスで太る理由|コルチゾールが内臓脂肪を増やす仕組みはこちら

SEC04 骨密度③骨密度|「沈黙の低下」——40代から始める理由と食事・運動の3点セット

骨密度の低下タイムラインとTスコアのセルフ判定ミニ表

年代 骨密度の変化
20〜30代前半 骨量ピーク
30代後半〜40代 年0.5〜1%ずつ緩やかに低下
40代後半(特に閉経前後・女性) 年2〜3%の急速な低下が起きることも
50代以降 骨粗しょう症・骨減少症リスクが急上昇
Tスコア WHO基準 推奨アクション
−1.0以上 正常 3〜5年に1回の測定を継続
−1.0〜−2.5 骨減少症 食事・運動改善を強化。かかりつけ医に相談
−2.5以下 骨粗しょう症 医療機関での治療を検討

骨密度を守る「3点セット」——食材と量の具体的な目安

栄養素・手段 目安 食材例(1回目安量・含有量)
カルシウム 650〜700mg/日 牛乳200ml(220mg)
ヨーグルト150g(180mg)
木綿豆腐150g(140mg)
小松菜70g(120mg)
ビタミンD 9μg/日 鮭切り身70g(22μg)
さんま70g(11μg)
まいたけ50g(2μg)
+日光浴15〜30分
荷重トレーニング 週2〜3回 スクワット・デッドリフト・ランジ
脚部・腰部への荷重が特に有効

※食材の含有量は日本食品標準成分表2020年版(八訂)より算出。摂取量の目安は日本人の食事摂取基準より。

今日からできること:今週から朝食にヨーグルト1カップ(プレーン)を追加してください。1日のカルシウム目標の約30%を1品だけで確保できます。
骨密度を上げる運動|骨を強くする筋トレ5種目はこちら

SEC05 基礎代謝④基礎代謝量|「以前と同じ食事量なのに太る」の正体と改善の現実的手段

Mifflin-St Jeor式による基礎代謝計算と自分の数値との比較

Mifflin-St Jeor式(最も精度が高い推定式 / Mifflin MD et al. 1990 / PMID:2305711)
男性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)-5×年齢+5
女性:10×体重(kg)+6.25×身長(cm)-5×年齢-161
対象 40代の目安 50代で自然低下後 10年間の低下(1日)
男性(170cm・70kg・44歳) 約1,660kcal 約1,600〜1,620kcal 約40〜60kcal
年間脂肪1.5〜2kg分
女性(160cm・55kg・44歳) 約1,320kcal 約1,260〜1,280kcal 約40〜60kcal
年間脂肪1.5〜2kg分

自分の消費カロリーを確認する3ステップと改善の現実的手段

STEP 1:Mifflin式で基礎代謝を計算する
STEP 2:活動係数をかける(デスクワーク×1.2 / 軽い運動×1.375 / 中程度×1.55 / 激しい運動×1.725)
STEP 3:現在の食事摂取カロリーと比較。目安を継続的に上回っていれば体重・体脂肪が増加します。「摂取カロリーを減らす」より「消費カロリーを増やす(筋肉量を増やす)」アプローチの方が40代以降には長期的に有効です。
今日からできること:上記のSTEP 1〜3で自分の1日の消費カロリー目安を今日計算してください。現在の食事量がその目安を大きく超えているなら、食事量を削るより「筋肉量を増やして消費カロリーを底上げする」戦略が40代には長期的に有効です。
40代から痩せない人の特徴7つ

SEC06 血管年齢⑤血管年齢|体脂肪率には表れない「血管の老化度」

血管年齢のセルフ判定ミニ表と改善の優先順位

血管年齢と実年齢の差 判定 推奨アクション
実年齢より5歳以上若い 優秀 現状の生活習慣を維持
実年齢±5歳以内 正常 現状維持・定期チェック継続
実年齢より5〜10歳高い 要注意 下記の生活習慣改善を開始
実年齢より10歳以上高い 危険 医療機関での精査を検討
【根拠】血管年齢改善の効果確認には継続的な血圧測定が不可欠です。上腕式血圧計は手首式より測定誤差が小さく、毎朝同じ条件で測定してトレンドを3ヶ月追うことで収縮期血圧(目安:130mmHg未満)の変化を客観的に把握できます。WHO身体活動ガイドラインが推奨する週150分の有酸素運動の効果確認ツールとして最も信頼性の高い家庭用機器です。
🩺
オムロン(OMRON)上腕式血圧計 HCR-7104 ホワイト PR
オムロン 上腕式血圧計 HCR-7104

※この機種に血管年齢の推定機能はありません。上の表②「食塩摂取を1日6g未満に」の効果を、家庭で収縮期血圧の変化として確かめるための1台です。血管年齢そのものはPWV測定(医療機関)で測ります。

血管年齢を改善する生活習慣——優先順位別アクション表

優先順位 アクション 変化の目安
①最優先 週150分の中強度有酸素運動
ウォーキング・自転車・水泳
血管内皮機能・動脈スティフネスの
改善がRCTで確認
3〜6ヶ月
② 食塩摂取を1日6g未満に
日本人平均は約10g
1g削減で収縮期血圧が
約1〜2mmHg低下
2〜4週間
③ 青魚を週2〜3回(EPA・DHA)
血管炎症の抑制に寄与
中性脂肪の低下にも寄与
2〜3ヶ月
④ 睡眠7時間の確保
睡眠不足はコルチゾール上昇
血管老化・内臓脂肪蓄積を加速
2週間
⑤ LDLコレステロールの食事管理
飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に
置き換える
5%削減でLDLが
約8〜10mg/dL低下
3〜6ヶ月
今日からできること:まず「週150分のウォーキング(30分×5回)」だけを今週から始めてください。有酸素運動は血管年齢改善に最も根拠があり、コストゼロで始められる最優先アクションです。
7時間睡眠で4つのホルモンを脂肪燃焼モードに変える方法はこちら

SEC07 4週間設計5指標を同時に底上げする——4週間最小アクション設計

5指標の連鎖図:なぜ筋肉量から始めるのか

【筋肉量↑】
├─→ 基礎代謝↑(④が改善)
├─→ インスリン感受性↑ → 内臓脂肪↓(②が改善)
├─→ 骨への機械的刺激 → 骨密度維持(③が改善)
└─→ マイオカイン分泌 → 血管炎症抑制・代謝促進(⑤が改善)

すべての起点は「筋肉量の維持・増加」です(Janssen et al. 2004 / PMID:14769646)。

40代男女別・5指標目標値一覧(男女別早見表)

健康指標 測定方法 40代男性の目標 40代女性の目標 要注意ライン
①筋肉量 BIA/DXA 体重の38〜44% 体重の30〜36% 男34%・女28%未満
②内臓脂肪 体組成計/腹囲 レベル1〜9 レベル1〜9 レベル10以上
腹囲 男85cm・女90cm以上
③骨密度 DXA/超音波 −1.0以上 −1.0以上 −1.0未満(骨減少症)
④基礎代謝量 体組成計/Mifflin式 1,600〜1,800kcal 1,250〜1,500kcal 男1,400・女1,100kcal未満
⑤血管年齢 PWV/血圧計 実年齢±5歳以内 実年齢±5歳以内 実年齢+10歳以上
【根拠】5指標のうち筋肉量・内臓脂肪・基礎代謝の3指標を同時に測定できる体組成計は、Week1「現状把握」フェーズを実行するための唯一のツールです(Cruz-Jentoft et al. 2019 / PMID:30312372)。アプリ連携で3ヶ月のトレンドを可視化することで、筋肉量増加・内臓脂肪低下の客観的確認が可能になります。毎朝同じ条件(起床後・排泄後・食事前)での測定が継続管理の基本です。
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4週間で5指標を同時に底上げする最小アクション週次設計

Week1|現状把握フェーズ

体組成計で骨格筋量・内臓脂肪・基礎代謝の現状確認。腹囲・ふくらはぎ周囲径を測定して早見表と照合。対応指標:全5指標のベースライン確認/所要時間:10〜15分(1回のみ)

Week2|トレーニング開始フェーズ

大筋群トレーニングを週2回開始(スクワット・グルートブリッジ・プッシュアップ各10回×3セット)。対応指標:①筋肉量・③骨密度・④基礎代謝/所要時間:30〜40分×週2回

Week3|食事改善フェーズ

朝食にヨーグルト1カップ追加(骨密度)+夕食の精製糖質を1品置き換え(内臓脂肪)。対応指標:②内臓脂肪・③骨密度/所要時間:5分/日(食材選択の意識変更のみ)

Week4|全面強化フェーズ

ウォーキング30分を週4〜5回追加(血管年齢)+たんぱく質を体重×1.2g/日に近づける(筋肉量)。対応指標:①②⑤ 全面強化/所要時間:30分×週4〜5回

今日からできること:まずWeek1の「現状把握」だけ今週中に完了させてください。数値が明確になれば、自分がどの指標に最も集中すべきかが自動的に決まります。

よくある質問

体脂肪率が正常なのに健診で引っかかるのはなぜですか?
体脂肪率は体内の「脂肪の割合」を示しますが、健診で測定される指標(血圧・血糖値・LDLコレステロール・中性脂肪)は血液・代謝系の状態を反映しており、体脂肪率と直接一致しないことがあります。特に「隠れメタボ型(体脂肪率正常+内臓脂肪過剰)」と「サルコペニア肥満型(体脂肪率正常+筋肉量不足)」の2パターンが代表例です(Janssen et al. 2004 / PMID:14769646)。
家庭用体重計で5指標はすべて測れますか?
BIA方式の家庭用体組成計(タニタ・オムロン・InBody対応機種等)では筋肉量・内臓脂肪レベル・基礎代謝の推定が可能です。ただし骨密度はDXA法または超音波法、血管年齢はPWV測定(医療機関)または血管年齢推定機能付き血圧計での測定が必要です。家庭用体組成計を使う際は、毎回同じ条件(起床後・排泄後・食事前)で測定し、1回の数値より3ヶ月のトレンドを確認することが最も重要です。
40代からでも骨密度・血管年齢の改善は見込めますか?
はい。40代は改善の可逆性が最も高い時期です。骨密度はカルシウム・ビタミンD・荷重トレーニングの3点セットで継続的に取り組むことで低下の速度を抑制・改善することができます。血管年齢は週150分の有酸素運動と食塩制限を3〜6ヶ月継続することで改善が見られるケースが多くあります。本記事の情報は科学的研究に基づいていますが、既存の疾患・服薬中の方は必ず医師・専門家に相談の上で取り組んでください。
5指標のうち最初に改善すべきはどれですか?
最初に取り組むべきは「①筋肉量の維持・増加」です。筋肉量が改善すると基礎代謝・内臓脂肪・骨密度・血管年齢の4指標すべてに連鎖的にプラスの影響が出ます(Cruz-Jentoft et al. 2019 / PMID:30312372)。まず週2回・30〜45分のレジスタンストレーニングと体重×1.2〜1.5g/日のたんぱく質摂取から始め、本記事のSEC07「4週間最小アクション設計」に沿って段階的に他の指標へのアプローチを追加していくことをおすすめします。
InBodyと家庭用体組成計、どちらで管理すればよいですか?
最も重要なのは「同じ機器・同じ条件での継続測定」です。家庭用体組成計で日常的なトレンド管理を行い、InBodyは3ヶ月に1回程度ジムや医療機関で測定して照合する方法がおすすめです。THE FITNESSでは測定機器での計測は行っていませんので、ご自身で測った数値をお持ちいただければ、読み方と次の一手を一緒に整理します。
この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、日本での指導を合わせて18年・NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。
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SEC08 まとめまとめ|体脂肪率は「5指標のうちの1つ」に過ぎない

  • 40代の体は体脂肪率には映らない変化が同時進行している:筋肉量の低下・骨密度の低下・基礎代謝の低下・内臓脂肪の蓄積という4つの変化は、体脂肪率だけを見ていても検出できません。まずSEC01の10問セルフ診断と各指標のセルフ判定ミニ表で自分のリスクポイントを今日確認してください(Janssen et al. 2004 / PMID:14769646)
  • 最初に改善すべきは筋肉量——他の4指標に連鎖する:筋肉量の改善は基礎代謝・内臓脂肪・骨密度・血管年齢の4指標すべてに連鎖的にプラスの影響を与えます。SEC07「4週間最小アクション設計」のWeek1(現状把握)だけ今週中に完了させることが最初の一歩です(Cruz-Jentoft et al. 2019 / PMID:30312372)
  • 5指標を一度に完璧にやろうとしない:4週間で週ごとに1アクションずつ積み上げる方法が最も継続しやすく結果につながります。5指標の個別評価と改善プログラムの設計については、THE FITNESSの無料カウンセリングで、ご自身で測った数値を見ながら一緒に確認することができます(Mifflin MD et al. 1990 / PMID:2305711)
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関連記事

参考文献・科学的根拠

  1. 1Cruz-Jentoft AJ, Bahat G, Bauer J, et al.; Writing Group for EWGSOP2. “Sarcopenia: revised European consensus on definition and diagnosis.” Age and Ageing. 2019 Jan;48(1):16-31. doi:10.1093/ageing/afy169. 欧州老年医学ワーキンググループによるサルコペニア国際コンセンサス改訂版。筋肉量・筋力・身体機能の3つを柱に診断する枠組みを定め、握力は男性27kg未満・女性16kg未満、椅子5回立ち上がりは15秒超を低筋力の目安としています。本記事では「筋肉量だけでなく筋力と身体機能も見る」という考え方の根拠として引用。 PMID:30312372
  2. 2Chen LK, Woo J, Assantachai P, et al. “Asian Working Group for Sarcopenia: 2019 Consensus Update on Sarcopenia Diagnosis and Treatment.” J Am Med Dir Assoc. 2020 Mar;21(3):300-307.e2. doi:10.1016/j.jamda.2019.12.012. アジア人の体格に合わせてカットオフを設定した診断基準。ふくらはぎ周囲径(男性34cm未満・女性33cm未満)・5回椅子立ち上がり12秒以上・握力(男性28kg未満・女性18kg未満)を採用しています。本記事のセルフチェックの数値はこちらに準拠。 PMID:32033882
  3. 3Janssen I, Baumgartner RN, Ross R, Rosenberg IH, Roubenoff R. “Skeletal muscle cutpoints associated with elevated physical disability risk in older men and women.” Am J Epidemiol. 2004;159(4):413-421. doi:10.1093/aje/kwh058. 60歳以上4,449名(NHANES III)の解析。骨格筋指数が低いほど身体機能障害のリスクが高まることを示し、女性5.75kg/㎡以下・男性8.50kg/㎡以下を高リスクと位置づけました。本記事では「筋肉量の低下が生活機能に直結する」という連鎖図(SEC07)の根拠として引用。 PMID:14769646
  4. 4厚生労働省「メタボリックシンドロームの診断基準」。腹囲(男性85cm以上・女性90cm以上)を必須とし、血糖・脂質・血圧の3項目のうち2項目以上異常をメタボリックシンドロームと診断する公的基準。本記事の内臓脂肪セクション(SEC03)における腹囲基準値の根拠として引用。 厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」
  5. 5Mifflin MD, St Jeor ST, Hill LA, Scott BJ, Daugherty SA, Koh YO. “A new predictive equation for resting energy expenditure in healthy individuals.” Am J Clin Nutr. 1990 Feb;51(2):241-247. doi:10.1093/ajcn/51.2.241. 498名を対象とした研究で、現在最も精度が高いとされる基礎代謝推定式(Mifflin-St Jeor式)を導出。他の推定式(Harris-Benedict式等)と比較して実測値との誤差が最小であることが後続研究でも確認されている。本記事SEC05の計算式の原著根拠として引用。 PMID:2305711