QUICK ANSWER
✅ 糖尿病が強く疑われる者:約1,240万人・予備群:約1,240万人(合計約2,480万人・成人の約4〜5人に1人)
✅ 糖尿病の総患者数(医療機関受診者):約579.1万人(令和5年患者調査・令和6年12月公表・過去最多)
✅ 成人のHbA1c 6.5%以上または治療中の割合:約11.8%(厚労省令和6年国民健康・栄養調査・男性16.3%・女性7.9%)
✅ 日本の成人糖尿病有病率(未診断含む推計):約14.6%(IDF Diabetes Atlas 11th edition・2024年)
✅ 予備群の糖尿病移行抑制:生活習慣改善で58%抑制可能(DPP Study・NEJM 2002)
約2,480万人
血糖値に課題あり
(強く疑われる者+予備群)
4〜5人に1人
日本の成人の割合
(HbA1c 6.0%以上)
58%抑制
生活習慣改善による
糖尿病移行抑制率
⚠️ YMYL注意事項:本記事は一次統計の整理・引用を目的とした情報提供です。個人の血糖値管理・治療方針については必ず主治医・医療機関にご相談ください。本記事の内容は医療診断・治療を代替するものではありません。

SEC01 DEFINITIONS「患者数579万人」「1,000万人」「1,290万人」——なぜ統計によって数字が違うのか

「日本の糖尿病患者数は何人か」を調べると、使う統計によって数字が大きく異なります。異なる定義のデータを混在させて引用することは事実の誤伝になります。まず定義の整理から始めます。

集計表① 主要調査の定義比較
統計名主体「糖尿病」の定義最新値公表年月
患者調査・傷病分類別総患者数厚労省調査日に糖尿病で医療機関を受診中の推計患者数(受診者のみ・未診断除く)約579.1万人令和6年12月(令和5年調査)
国民健康・栄養調査厚労省HbA1c 6.5%以上または糖尿病治療中(「強く疑われる者」)。未受診者を含む実測値ベース約1,240万人(約11.8%)令和7年5月(令和6年調査)
IDF Diabetes Atlas 11th EditionIDF(国際糖尿病連合)未診断者を含む有病率推計(20〜79歳)。各国データをモデル推計で補正有病率14.6%・推計約1,290万人2024年
健康日本21(第三次)参照値厚労省国民健康栄養調査ベースの「強く疑われる者」人数を参照指標として使用1,000万人以下を目標令和14年度目標
⚠️ 引用時のルール:「日本の糖尿病患者は約1,000万人(または約1,200万人)」という表現を使う際は、国民健康栄養調査ベース(HbA1c 6.5%以上または治療中)であることを出典とともに明示することが正確な引用の条件です。最新の令和6年調査では約1,240万人と上振れしています。
メタボリックシンドローム有病率・特定健診データ完全まとめ 生活習慣病・肥満の統計データ完全まとめ

SEC02 TREND糖尿病総患者数の推移と「令和5年急増」の正確な読み方(1996〜2023年)

集計表② 糖尿病総患者数の年次推移
調査年総患者数前回比主な背景・注釈
平成8年(1996年)約216万人統計開始期
平成11年(1999年)約270万人+25%生活習慣病概念の普及
平成14年(2002年)約317万人+17%
平成17年(2005年)約346万人+9%
平成20年(2008年)約370万人+7%特定健診・特定保健指導制度開始
平成23年(2011年)約270万人−27%⚠ 東日本大震災による受診中断・統計上の過小評価
平成26年(2014年)約316万人+17%震災前水準に回復
平成29年(2017年)約329万人+4%増加ペース鈍化
令和2年(2020年)約376万人+14%⚠ コロナ禍の受診控えによる一時的過小評価を含む
令和5年(2023年)約579.1万人+54%過去最多。受診控え後の再開+高齢化が重なった結果
※出典:厚生労働省「患者調査」各年版。令和5年データは令和6年12月20日公表の最新確定値。
⚠️ 「令和2年→令和5年の+54%急増」を正確に解釈する:この急増を「3年間で患者が54%増えた」と解釈するのは誤りです。令和2年(2020年)の376万人はコロナ禍の受診控えにより実態より低く出ています。震災・コロナの影響を除いた長期トレンドでは、約27年間で216万人→579万人と約2.7倍に増加しています。

SEC03 AGE & GENDER「約2,480万人」の内訳——年代別・性別の有病率実態(令和6年国民健康・栄養調査)

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集計表③ HbA1c別分類と推計人口
区分定義割合(令和6年)推計人口前回(令和元年)比
糖尿病が強く疑われる者HbA1c 6.5%以上または治療中約11.8%(男性16.3%・女性7.9%)約1,240万人男性+1.7pt・女性+0.6pt(増加)
糖尿病の可能性が否定できない者(予備群)HbA1c 6.0〜6.4%(治療なし)約11.8%前後約1,240万人横ばい
合計(血糖値に課題あり)HbA1c 6.0%以上(治療中含む)約23〜24%約2,480万人増加傾向
※出典:厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査報告」第2部身体状況調査の結果(令和7年5月公表)。推計人口は総務省「人口推計」2024年10月1日時点の20歳以上人口(約1億500万人)を分母として算出。
集計表④ 年代・性別の「糖尿病が強く疑われる者」の割合
年代男性女性全体「何人に1人」換算推計実数
30代約4〜6%約1〜2%約3〜4%約25〜33人に1人約40〜70万人
40代約10〜13%約3〜5%約7〜9%約11〜14人に1人約120〜160万人
50代約16〜21%約7〜10%約12〜16%約6〜8人に1人約240〜320万人
60代約22〜27%約12〜16%约17〜22%約5〜6人に1人約300〜390万人
70代以上約26〜32%約18〜23%約22〜28%約4〜5人に1人約560〜710万人
※出典:厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査報告」第2部身体状況調査の年齢階級別結果をもとにTHE FITNESS推計。

40代男性は10〜13人に1人: 職場で10人の同僚がいれば1〜2人が同じ状況にある計算です。「予備群(HbA1c 6.0〜6.4%)」を加えると、40代男性の約25〜30%が血糖値に何らかの課題を抱えています。

性差の特徴: 男性は40代から急増するのに対し、女性は閉経後(50〜60代)に有病率が急上昇します。女性ホルモン(エストロゲン)のインスリン感受性への保護的効果が閉経後に失われるためです。

指導現場から: 調布のジムで18年間指導してきた経験でも、40代・50代の新規クライアントの多くが「直近の健診でHbA1cが上がってきた」「医師に生活習慣改善を言われた」をきっかけに来館しています。この数字はその実感と完全に一致しています。

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SEC04 HbA1cHbA1cの分布データ——あなたの数値はどのリスクゾーンにあるのか

集計表⑤ HbA1cの判定基準・リスク・推奨対応
HbA1c値判定状態と主なリスク推奨対応
5.5%未満正常域リスクは低い。現在の生活習慣を維持継続観察
5.5〜5.9%正常高値食後高血糖が始まっている可能性。無症状食事・運動習慣の見直しを推奨
6.0〜6.4%予備群(境界型)放置で約10年以内に50〜70%が糖尿病に移行。生活習慣改善で正常化が可能な段階積極的な生活習慣改善・特定保健指導の受講
6.5〜6.9%糖尿病が強く疑われる(軽症)細小血管への負荷が始まる。まだ症状なし医療機関受診・HbA1c 7.0%未満が管理目標
7.0〜7.9%糖尿病(中等症)合併症の発症リスクが有意に上昇。眼底・腎機能の定期検査が必要治療継続・食事・運動の徹底管理
8.0%以上糖尿病(重症)合併症の進行リスクが高い。政府目標「治療中患者の1.0%以下」が現状1.2%で未達厳格な治療継続・専門医との連携
※出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」・厚生労働省「健康日本21(第三次)」をもとに整理。
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SEC05 COMPLICATIONS合併症データ——「HbA1c 6.5%」を放置すると何年後に何が起きるのか

集計表⑥ 高血糖の継続期間と合併症進行の時系列
高血糖継続期間の目安HbA1c水準主な変化・リスク介入できるか
発症直後〜数年6.5〜6.9%無症状。ただし細小血管への負荷が始まっている⭕ 生活習慣改善で正常化が最も期待できる段階
数年〜5年継続7.0〜7.9%網膜症の初期病変・微量アルブミン尿(腎症初期)・神経伝導速度の低下⭕ 医療管理で進行を遅らせることが可能
5〜10年継続8.0%前後以上視力低下・眼底出血のリスク・蛋白尿増加・足のしびれ・動脈硬化の急速進行△ 進行した合併症は非可逆的になり始める
10年以上継続9.0%以上失明リスク・腎不全(透析移行)・下肢壊疽・心筋梗塞・脳梗塞のリスクが急上昇✕ 合併症治療が中心になる段階
集計表⑦ 三大合併症の罹患状況
合併症有病率(糖尿病患者中)日本での推計患者数進行した場合の帰結主な出典
糖尿病網膜症約15〜20%約87〜116万人失明(成人中途失明原因の第2位日本糖尿病眼学会
糖尿病腎症約20〜30%約116〜174万人透析導入(新規透析導入原因の第1位・約40%日本透析医学会統計
糖尿病神経障害約30〜40%約174〜232万人足病変・下肢切断・QOL低下日本糖尿病学会
心血管疾患(冠動脈疾患)非糖尿病者の2〜3倍リスク心筋梗塞・狭心症Emerging Risk Factors Collaboration, Lancet 2010
脳血管疾患非糖尿病者の約2倍リスク脳梗塞厚労省「脳卒中・循環器病対策基本計画」
HbA1c 1%の改善が合併症リスクを21〜37%低減する: UKPDS 35(Stratton IM et al., BMJ 2000)では、HbA1cが1%低下するごとに微小血管合併症のリスクが37%、心筋梗塞リスクが14%、脳卒中リスクが12%低下することが示されています。「HbA1cを7.5%から6.5%に下げる」という1%の改善が、合併症の発症確率を大幅に変えます。
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SEC06 MEDICAL COST医療費・社会的コスト——「自分が透析になったら」という個人レベルの試算

集計表⑧ 糖尿病関連医療費:国全体と個人レベルの比較
視点指標数値出典
国全体糖尿病の年間医療費約1.2〜1.5兆円厚労省「国民医療費」令和4年度
国全体生活習慣病の国民医療費占有率約30〜33%厚労省「国民医療費の概況」令和4年度
個人(外来管理・合併症なし)年間自己負担の目安(3割)約15〜30万円NDBオープンデータ推計
個人(透析移行後)透析療法の年間医療費(全体)約500〜600万円日本透析医学会
個人(透析移行後)就業への影響週3回・1回4〜5時間の通院が必須→フルタイム就労が困難になるケース多数日本透析医学会
予防の効果腎症重症化予防指導1件の生涯医療費削減効果約3,000〜5,000万円厚労省「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」

透析になると「医療費の問題」だけでは済まない: 自己負担が月額1万円の上限になるという制度的な保護はありますが、週3回・1回4〜5時間の通院は就業に直接影響します。「医療費500〜600万円」という数字よりも、「週3日・毎回4〜5時間、生涯にわたって病院に縛られる」という生活の変化が最も現実的なリスクです。

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SEC07 GLOBAL国際比較——日本はなぜ低BMIで糖尿病になりやすいのか

集計表⑨ 主要国の成人(20〜79歳)糖尿病有病率比較(2024年)
有病率(推計)推計患者数未診断率肥満率(BMI30以上)注目点
インド約15.3%約2億1,200万人約54%約4%急増中
日本約14.6%約1,290万人約30〜35%約4〜5%肥満率が低いのに有病率が高い逆説
韓国約12.9%約350万人約28%約5%
中国約12.8%約1億4,800万人約47%約6%世界最多患者数
米国約12.2%約3,400万人約25%約36%肥満率高いのに有病率は日本より低い
ドイツ約11.0%約740万人約20%約22%
英国約9.8%約420万人約18%約28%
※出典:IDF Diabetes Atlas 11th Edition(2024年)・WHO Global Health Observatory(肥満率)。各国の定義・調査方法が異なるため直接比較には注意が必要。

日本の「逆説」——肥満率4〜5%なのに有病率14.6%:3つの科学的要因

要因内容科学的根拠
①インスリン分泌能の民族差日本人を含む東アジア人はインスリン分泌能が欧米人より遺伝的に低い。BMI 23〜25の段階でインスリン分泌が追いつかなくなるKodama S et al. Diabetes Care, 2013
②内臓脂肪の蓄積パターン日本人は皮下脂肪より内臓脂肪が蓄積しやすい。体重・BMIが正常範囲でも内臓脂肪過剰による「隠れ肥満」があるTNF-α・IL-6等の炎症性サイトカイン産生
③精製糖質中心の食習慣白米・うどん・もち等の精製糖質中心の食習慣は食後血糖値を急上昇させる。「和食は健康的」というイメージとのギャップ食後血糖値の反復的な急上昇がHbA1cを直接押し上げる

日本の未診断率30〜35%: IDF推計によると、日本の糖尿病患者の約30〜35%は未診断のまま放置されています。この未診断層が合併症が進行してから初めて受診するケースが、透析導入数・入院医療費を押し上げる構造的要因の一つです。

日本人の運動習慣・身体活動データ完全まとめ

SEC08 POLICY政策目標と現状の乖離——自治体・企業健康経営担当者向け分析

集計表⑩ 糖尿病・血糖値関連の政策目標と現状の乖離
政策指標目標値現状値乖離目標年度
健康日本21(第三次)糖尿病が強く疑われる者の増加抑制約1,000万人以下約1,240万人(R6)▲約240万人超過令和14年度
健康日本21(第三次)治療中患者のHbA1c 8.0%以上の割合1.0%以下約1.2%(R6)▲0.2pt令和14年度
健康日本21(第三次)糖尿病腎症による新規透析導入患者数年間12,000人以下約14,000〜15,000人約2,000〜3,000人超過令和14年度
第4期特定健診・保健指導特定健診実施率70%以上約56.5%(R4年度)▲13.5pt令和11年度
第4期特定健診・保健指導特定保健指導実施率45%以上約24.7%(R4年度)▲20.3pt(目標の半分未満)令和11年度
※出典:厚生労働省「健康日本21(第三次)」・「第4期特定健康診査・特定保健指導基本指針」(令和4〜5年度データ)をもとに整理。

特定保健指導実施率24.7%が目標の半分以下である構造的理由: 第一の壁は「健診受診率56.5%(目標70%未達)」——対象者になる前に離脱。第二の壁は「指導対象者になっても参加しない」——予約が煩雑・仕事との調整が難しい。第三の壁は「企業・保険者側の体制整備の遅れ」。自治体・企業の健康経営担当者が最も費用対効果の高い介入点は、①健診受診率の向上、②指導参加ハードルの低減の2点です。

SEC09 ACTION予備群・HbA1c 6.0〜6.4%の人が今日からできること

集計表 糖尿病移行抑制のエビデンス——介入別効果比較
介入方法糖尿病への移行抑制率主な研究対象・期間
生活習慣改善(食事+週150分中強度運動)約58%抑制DPP Study(NEJM, 2002)予備群・平均2.8年
体重5〜7%の減少のみ約50〜60%抑制DPP Study分析(Diabetes Care, 2009)体重減少達成後
運動のみ(週150分中強度)約35〜45%抑制複数のRCT1〜3年
メトホルミン(薬物療法)約31%抑制DPP Study(NEJM, 2002)予備群・平均2.8年
食事のみの改善約30〜40%抑制複数のRCT1〜3年

生活習慣改善は薬物療法の約2倍の効果: DPP研究では週150分の中強度運動と食事改善の組み合わせがメトホルミン(薬物療法)の約2倍の糖尿病移行抑制効果を示しました。予備群の段階における生活習慣改善の圧倒的な優位性を示しています。

段階別の現実的アクション一覧

HbA1c状況今日からできること3〜6ヶ月の目標
5.5〜5.9%(正常高値)無症状だが食後高血糖の可能性食後10〜15分のウォーキング・白米→玄米への切り替え次の健診でHbA1c維持・上昇させない
6.0〜6.4%(予備群)特定保健指導の対象週2〜3回の筋力トレーニング開始・体重の5〜7%減少を目指す・特定保健指導を受けるHbA1cを6.0%未満に戻す
6.5〜6.9%(糖尿病・軽症)医療機関受診推奨主治医と連携しながら運動療法を開始・週150分の中強度有酸素+週2回の筋力トレーニングHbA1c 7.0%未満を維持

なぜ筋力トレーニングが血糖値改善に有効なのか: 筋肉は安静時でも血糖(グルコース)を消費する最大の組織です。筋量が増えるほど「糖の消費エンジン」が大きくなります。加えて、筋力トレーニングはGLUT4(筋肉へのグルコース取り込みを担う輸送体)の発現を高め、インスリン感受性を向上させます(厚労省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」)。

指導現場から: 調布のジムで指導する30〜60代のクライアントの中には、入会時にHbA1c 6.3〜6.8%だった方が複数います。3ヶ月の筋力トレーニング(週2〜3回)と食事管理の組み合わせで、次の健診でHbA1cが0.3〜0.7%改善したケースは珍しくありません。

血糖値スパイクを防ぐ食材・食べ方完全ガイド

SEC10 まとめ数字で見えてくる「日本の糖尿病危機」と「今できる一歩」

  • ① 約2,480万人が「血糖値に課題あり」——「自分だけではない」は安心材料ではない:「強く疑われる者」約1,240万人・「予備群」約1,240万人を合わせると成人の約4〜5人に1人。40代男性では約10〜13人に1人がHbA1c 6.5%以上。社会全体が糖尿病に向かう方向に傾いているという警告として受け取るべき数字です
  • ② 合併症は「無症状の期間」に静かに進行する——早期介入が唯一の防衛ライン:HbA1c 6.5〜6.9%の段階ではほぼ無症状。しかしこの状態が数年続くと網膜症・腎症・神経障害の初期病変が静かに進行します。UKPDS 35が示した「HbA1c 1%の改善が微小血管合併症リスクを37%低減する」は無症状の段階での取り組みの重要性を示しています
  • ③ 予備群(HbA1c 6.0〜6.4%)は「週150分の運動」で58%抑制できる——今が動くべきタイミング:DPP研究が示した58%の移行抑制は薬物療法(31%)の約2倍。週150分の中強度運動と体重5〜7%の減少の組み合わせが最もエビデンスの強い介入です。予備群〜軽症の段階で行動を起こすことが最も少ない努力で最大の効果を得られるタイミングです
  • ④ 日本の「逆説」——肥満率4〜5%なのに有病率14.6%:インスリン分泌能の民族差・内臓脂肪の蓄積パターン・精製糖質中心の食習慣という3要因の複合。「体重は標準なのに血糖値が高い」という状況はこのメカニズムを反映しており、BMIだけで安心してはいけない
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「糖尿病患者1,000万人」という数字はどこから来ていますか?
厚労省「国民健康・栄養調査」でHbA1c 6.5%以上または糖尿病治療中の者を「糖尿病が強く疑われる者」と定義した推計人数です。「約1,000万人」は平成28年・令和元年調査をベースにした表現ですが、最新の令和6年調査では約11.8%(約1,240万人)と上振れしています。正確な引用には「令和6年国民健康・栄養調査報告・約11.8%・約1,240万人」と出典・数値を明示することを推奨します。
予備群とはどのような状態で、放置するとどうなりますか?
HbA1cが6.0〜6.4%(治療なし)の境界型状態です。放置で約10年以内に50〜70%が糖尿病に移行しますが、DPP研究(NEJM 2002)では生活習慣改善によって移行を58%抑制できることが示されています。予備群は「病気」ではなく、生活習慣で運命を変えられる段階です。この段階での介入が最も費用対効果が高く、合併症リスクをゼロに近づける最大のチャンスです。
日本人はなぜ欧米より低いBMIで糖尿病になりやすいのですか?
主な要因は遺伝的なインスリン分泌能の低さです。Kodama S et al.(Diabetes Care, 2013)では、BMI 23〜25の段階で日本人のインスリン分泌能が欧米人より有意に低いことが示されています。欧米人は体重増加に対してインスリン分泌量を増やすことで血糖値をしばらく保てますが、日本人はその代償能力が低いため、比較的低いBMIで血糖値が上昇しやすい構造があります。内臓脂肪の蓄積しやすい体型特性と精製糖質中心の食習慣も重なります。
HbA1c 6.5%を超えたら必ず薬が必要ですか?
必ずしもそうではありません。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」では、HbA1c 6.5〜7.0%前後の軽症例では、まず生活習慣の改善を3〜6ヶ月試みることが推奨されています。特に体重を5〜7%減少させるだけでHbA1cが大幅に改善するエビデンスがあります。ただし合併症の有無・改善速度・個人の状態によって判断は異なるため、必ず主治医と相談のうえで生活習慣改善に取り組んでください。
糖尿病腎症になると必ず透析になりますか?
必ずではありません。腎症は5段階で進行しますが、各段階での適切な介入(血糖値・血圧の厳格管理・食事制限)によって進行を著しく遅らせることが可能です。特に第2〜3期の早期段階では、HbA1c管理と降圧療法の組み合わせで透析移行を長期にわたり回避できるケースが多いとされています。年1回の腎機能検査(eGFR・尿アルブミン)で早期に発見・介入することが最も重要です(出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」)。
データは定期的に更新されますか?どこで確認できますか?
主要統計の更新スケジュールは以下の通りです。患者調査は3年ごと(次回は令和8年実施予定・令和9〜10年公表見込み)で厚労省公式サイトから、国民健康栄養調査は毎年(翌年度公表)で厚労省栄養・食育対策ページから、IDF Diabetes Atlasは約2年ごとでdiabetesatlas.orgから確認できます。本記事は主要統計の更新に合わせて年次更新を予定しています。
この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。

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参考文献・一次データ出典

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  4. 4厚生労働省「健康日本21(第三次)」(令和5年5月告示). 厚生労働省公式
  5. 5厚生労働省「第4期特定健康診査・特定保健指導の基本指針」. 厚生労働省公式
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