QUICK ANSWER
  • 鶏むね皮なしより効率のいい魚介が13種あります。タンパク質1gあたり4.51kcalが鶏むね、まだらは4.09kcalです。
  • 同じ「魚」の中で4.2倍の開きがあります。みなみまぐろ赤身4.07 vs 大西洋さば17.15。
  • 同じ魚でも季節で脂質が12倍変わります。かつお春獲り0.5g/秋獲り6.2g。
  • 缶詰は種類で3.8倍違います。ツナ水煮70kcal/ツナ油漬265kcal。
4.09kcalまだらのP1gあたり
0.2gまだらの脂質
12.4倍かつおの季節差(脂質)

「筋トレなら鶏むね」とよく言われます。ただ、鶏むねだけを何ヶ月も続けられる人は、指導していてもそう多くありません。飽きるからです。そこで魚を勧めるのですが、次に返ってくるのが「魚って結局どれがいいんですか」という質問です。鮭なのか、さばなのか、まぐろなのか。答えは目的によって変わります。

この記事では、文部科学省の食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版・八訂)から40品目以上を取り出し、タンパク質1gあたり何kcalかかるかという筋トレ視点の指標で並べ直しました。結果は少し意外でした。鶏むね(皮なし)より効率のいい魚介が13種あります。

01 RANK筋トレ向け・魚介別ランキング

はじめに、この記事の軸をはっきりさせておきます。ここで扱うのは「タンパク質と脂質」の軸です。抗炎症成分やEPA・DHAの量で選びたい場合は、筋肉痛を早く治す食事術オメガ3の効果と摂り方ガイドで別の軸から整理しています。

なぜ「タンパク質1gあたりのカロリー」で見るのか

タンパク質量だけのランキングは、あちこちで見かけます。ただ筋トレの現場では、その数字だけでは足りません。同じ20gのタンパク質を摂るのに、100kcalで済むのか200kcalかかるのか。減量期にはこの差が効きます。そこで、100gあたりのカロリーをタンパク質量で割った数値を出しました。この数字が小さいほど、少ないカロリーでタンパク質を確保できます。

魚(生・100gあたり)

数値はすべて八訂の原表から直接読み取ったものです。加熱すると水分が抜けて数値が動くため、すべて「生」で統一しています。

魚(生100g)P1gあたりkcal脂質g
みなみまぐろ赤身4.070.4
まだら4.090.2
かつお(春獲り)4.190.5
きはだ4.201.0
びんなが4.270.7
くろまぐろ赤身4.361.4
【鶏むね皮なし】4.511.9
めばち赤身4.532.3
しろさけ5.564.1
べにざけ5.644.5

鶏むね皮なしを基準線として入れました。上位6種は鶏むねより効率が上です。とくにまだらの脂質0.2gは、鶏むね皮なし1.9gの10分の1以下です。低脂質という点では、鶏むねを超える食材が魚にあります。

魚介(甲殻類・軟体類・生100g)

正確に言えば、えび・いか・たこは魚ではありません。ただ「筋トレ向けのタンパク源」という観点では外せないため、分けて掲載します。

魚介(生100g)P1gあたりkcal脂質g
大正えび4.100.3
いせえび4.110.4
くるまえび4.170.6
しばえび4.170.4
ブラックタイガー4.180.3
がざみ(わたりがに)4.240.3
毛がに4.240.5
するめいか4.250.8
あまえび4.291.5
まだこ4.350.9

10種すべてが鶏むね皮なし(4.51)を上回りました。甲殻類と軟体類は、脂質がほとんどないためです。

一方、脂質が多い魚もあります

魚(生100g)P1gあたりkcal脂質g
まいわし8.129.2
ぎんざけ9.5912.8
まさば10.2416.8
ぶり(成魚)10.3717.6
たいせいようさけ10.8516.5
くろまぐろ脂身15.3227.5
さんま15.8625.6
たいせいようさば17.1526.8

みなみまぐろ赤身4.07に対し、大西洋さば17.15。同じ「魚」で4.2倍の開きがあります。「魚は低脂質でヘルシー」という一括りは成立しません。どの魚かで、まったく別の食材だと考えたほうが実態に合います。鮭の種類ごとの詳しい数値は鮭とサーモンのカロリーとタンパク質に、鮭と鯖の比較は鮭と鯖はどちらを選ぶべきかにまとめています。

02 WHY鶏むねではなく魚を選ぶ理由

前項で「鶏むねより効率のいい魚介が13種ある」と書きました。ただしタンパク質の絶対量では、鶏むねが上回ります。

食材(100g)タンパク質g脂質g
鶏むね皮なし(焼き)38.83.3
鶏むね皮つき(焼き)34.79.1
びんなが(生)26.00.7
くろまぐろ赤身(生)26.41.4
かつお春獲り(生)25.80.5
鶏むね皮なし(生)23.31.9
しろさけ(生)22.34.1
大正えび(生)21.70.3

鶏むね皮なしを焼くと38.8g。魚でこの数字に届くものはありません(加工品を除く)。1食で確保できるタンパク質量なら、鶏むねが有利です。

では、なぜ魚を組み込むのか

理由は3つあります。①脂質の質が違う。魚の脂質にはDHA・EPAが含まれます。健康な若年〜中年の男女を対象とした研究で、オメガ3系脂肪酸の摂取が筋タンパク質の同化反応を高めたという報告があります(Smith GI, et al. Clin Sci. 2011)。含有量の詳細はオメガ3の効果と摂り方ガイドにまとめてあります。②調理が速い。鶏むねは火が通るまで時間がかかります。魚の切り身は電子レンジで数分、刺身なら調理そのものが不要です。③続けやすい。これが実は一番大きいと感じています。鶏むね一本でいくと、多くの人が2〜3ヶ月で飽きます。飽きた食材は、栄養価が高くても食卓から消えます。

🐟 魚は鶏むねの代わりではなく、鶏むねを続けるための選択肢という位置づけが現実的です。

食材ごとのタンパク質量を横断的に比べたい場合は、タンパク質が多い食べ物ランキング筋トレに効くタンパク質食材15選もご覧ください。

03 SEASON同じ魚でも季節で数値が変わる

魚には旬があります。旬とは味が良い時期のことですが、栄養の数値も同時に動きます。八訂は、かつおを春と秋で分けて収載しています。

かつお(生100g)kcal脂質g
春獲り(初鰹)1080.5
秋獲り(戻り鰹)1506.2

脂質が12.4倍。カロリーも1.4倍です。同じ「かつお」でも、春はP1gあたり4.19kcal、秋は6.00kcal。春はランキング3位、秋は鶏むね皮つきと同水準まで落ちます。

この事実の使い方

「かつおは低脂質だから減量向き」という説明は、時期を書かないと正確ではありません。現場では、春〜初夏は初鰹の時期で減量期に組み込みやすく、は戻り鰹の時期で脂がのっているので増量期や維持期に向く、と伝えています。つまり季節で使い分けるという発想です。同じ売り場の同じ魚が、時期によって役割を変えます。たたきとして売られているかつおは、通年出回っています。パックの表示で「初鰹」「戻り鰹」の記載があれば、そこで判断できます。

04 PART皮・部位・産地で変わる数値

季節以外にも、数値が動く要因が3つあります。

①部位——まぐろは赤身と脂身で3.7倍違う

まぐろ(生100g)kcal脂質g
みなみまぐろ赤身880.4
くろまぐろ赤身1151.4
めばち赤身1152.3
めばち脂身1587.5
くろまぐろ脂身30827.5
みなみまぐろ脂身32228.3

みなみまぐろは赤身88kcal・脂身322kcalで3.7倍。同じ魚の同じ個体から取れる、違う部位です。刺身を選ぶとき、「まぐろ」という表示だけでは判断できません。赤身か中トロか大トロかを見てください。

②皮——魚種によって影響が違う

品目(生100g)皮つき皮なし
ぶり(養殖)217kcal180kcal
さんま287kcal277kcal
するめいか(胴)78kcal80kcal

ぶりは37kcalの差、さんまは10kcal、いかはほぼゼロです。「皮は高カロリー」という一般論は、魚種によって当てはまったり当てはまらなかったりします。ぶり以外は、皮を外す手間に見合う差ではありません。

③産地——同じ「さば」で84kcal違う

さば(生100g)kcalタンパク質g
まさば21120.6
たいせいようさば29517.2

スーパーで「さば」として売られているものには、国産のまさばとノルウェー産のたいせいようさばがあります。カロリーが84kcal高く、タンパク質は3.4g少ない。それでいて、どちらも「さば」です。パックの原産地表示を見れば区別できます。ノルウェー産と書いてあれば、たいせいようさばです。脂がのって美味しいのですが、減量期に選ぶ魚ではありません。

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05 CAN缶詰と加工品は使えるのか

結論から言うと、缶詰は使えます。ただし種類の見極めが必要です。

缶詰(100g)kcalタンパク質g
ツナ水煮(ライト)7016.0
ツナ水煮(ホワイト)9618.3
ツナ味付け13419.0
からふとます水煮14520.7
しろさけ水煮15621.2
さば水煮17420.9
さば味付け20821.4
さばみそ煮21016.3
ツナ油漬(ライト)26517.7
さんま味付け25918.9

ツナ缶は水煮70kcalと油漬265kcalで3.8倍。同じ棚に、ほぼ同じ見た目で並んでいます。さば缶は水煮174kcal・みそ煮210kcal。みそ煮はタンパク質が16.3gまで落ちます。ツナ缶とサラダチキンの比較はチキンとツナ缶どちらを選ぶべきかで詳しく扱っています。

加工品には、鶏むねに並ぶものがあります

加工品(100g)タンパク質g脂質g
かつおなまり節38.01.1
うるめいわし丸干し45.05.1
まいわし丸干し32.85.5
まだら干しだら73.20.8

なまり節はタンパク質38.0g・脂質1.1g。鶏むね皮なし焼き(38.8g・3.3g)とほぼ同じタンパク質量で、脂質は3分の1です。なまり節はスーパーでも手に入りますが、置いていない店もあります。見かけたら試す価値があります。そのまま切って食べられるので、調理も不要です。丸干しは塩分に注意してください。加工品は塩を使って保存性を高めているため、生の魚とは別枠で考える必要があります。

【根拠】 缶詰を常備するのと同じ発想で、あらかじめタンパク質・脂質・糖質が管理された宅食を組み合わせておくと、調理せずにタンパク質量を落とさずに済む日が作れます。魚の缶詰だけでは主菜として物足りない日の代替になります。

【デメリット】 1食あたりの単価は自炊より高くなり、継続には費用がかかります。冷凍庫のスペースも必要です。
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06 FRESH刺身は筋トレに使えるか

刺身には2つの利点があります。①加熱による損失がない。②調理時間がゼロ。トレーニング直後にすぐ食べられるタンパク源は、そう多くありません。プロテイン以外の選択肢として、刺身は現実的です。

ただし、1パックでは足りません

スーパーの刺身パックは、1パック70〜80gが一般的です。

刺身1パック(80g)タンパク質
まぐろ赤身約21g
かつお約20g
サーモン約16g
いか約14g

1パックで14〜21g。体重70kgの人が1食で20〜30g摂ろうとすると、1パックでは届かない場合があります。現場では、刺身1パック+卵1個、あるいは刺身1パック+納豆1パックという組み合わせを提案しています。刺身だけで完結させようとすると、量も金額も現実的でなくなります。寿司として食べる場合のカロリーは寿司のネタ別カロリーと太らない食べ方にまとめました。

07 CYCLE増量期・減量期の使い分けと週の頻度

目的別の選び方

時期選ぶ魚介1食の目安
減量期まだら・まぐろ赤身・えび・いか100〜150g
維持期鮭・あじ・かつお・ほっけ100〜150g
増量期さば・ぶり・さんま・サーモン120〜180g

減量期はP1gあたり4.0〜4.3の群から選びます。まだら・みなみまぐろ赤身・えび類です。増量期は10以上の群——さば・ぶり・さんま——を使います。カロリーを積みながら、DHA・EPAも同時に確保できます。

週に何回が目安か

50〜85歳の成人22名を対象とした研究で、週2回・昼食に150〜170gの魚を10週間摂取する介入が行われ、筋量と筋機能が測定されています(Front Nutr. 2021)。被験者22名の小規模な研究であるため、これだけで結論を出すことはできません。ただし「週2回・1回150〜170g」という量は、実行しやすい現実的な水準です。現場では、週2〜4回を目安にお伝えしています。毎日にする必要はありません。鶏むね・卵・豆腐と組み合わせて、週の中で回すほうが続きます。

📅 加齢に伴い、同じ量のタンパク質を摂っても筋タンパク質の合成反応が起こりにくくなることが報告されています(Burd NA, et al. Exerc Sport Sci Rev. 2013)。同化抵抗性と呼ばれる現象です。30〜60代の方は、若い頃と同じ食事量では足りなくなる可能性があります。1回の食事で20〜30gのタンパク質を意識してください。食事全体の設計は筋トレ効果を高める食事の基本で扱っています。

08 SWAP同じ料理で数値を変える

食べるものを変えるのは、意外と負担が大きいものです。同じ料理のまま、選び方だけ変えるという方法があります。

置き換え前置き換え後
ツナ油漬 265kcalツナ水煮 70kcal−195kcal
大西洋さば 295kcalまさば 211kcal−84kcal
さばみそ煮缶 210kcalさば水煮缶 174kcal−36kcal
ぶり皮つき 217kcalぶり皮なし 180kcal−37kcal
かつお秋 150kcalかつお春 108kcal−42kcal
まぐろ中トロ 308kcalまぐろ赤身 115kcal−193kcal

最も効くのはツナ缶とまぐろの部位で、それぞれ約195kcal。他の4つは36〜84kcalです。ツナ缶を油漬から水煮に変えるだけで、ごはん軽く1杯分のカロリーが浮きます。サラダに入れる、パスタに使う——料理は何も変えていません。「食事を管理する」と聞くと、献立を組み直すイメージを持たれますが、実際には同じものを買う棚で、隣の商品を選ぶという粒度で十分に変わります。

09 REAL魚が続かない理由と、自分でできる対策

魚を勧めても、多くの方が続きません。理由を聞いていくと、3つに集約されます。

課題対策所要時間
買っても使わず傷ませる買った日に1切れずつ冷凍3分
調理と後片付けが面倒電子レンジ調理を基本に5分
1人分だと割高に感じる缶詰を常備しておく0分

①買っても使わないまま傷ませる

生鮮の切り身は日持ちしません。2枚パックを買って、1枚は使ったけれどもう1枚を忘れた——これが一番多いパターンです。買った日に、使わない分を1切れずつラップに包んで冷凍してください。3分で終わります。使う前日に冷蔵庫へ移せば、翌日そのまま焼けます。冷凍しておけば「今日は魚にしよう」と思ったときに使えます。冷蔵庫に使える形で入っているかどうかが、続くかどうかを分けます。

②調理と後片付けが面倒

魚焼きグリルの掃除は、正直なところ気が重い作業です。それが理由で魚を避けている方は少なくありません。電子レンジ調理を基本にしてください。耐熱皿に切り身を置き、酒を少しふってラップをかけ、加熱するだけです。八訂の数値でも、電子レンジ調理は焼きより低い値になります。フライパンを使う場合は、クッキングシートを敷けば洗い物が減ります。

③1人分だと割高に感じる

切り身は2枚パックが基本で、1人暮らしだと使い切りにくい。ここも冷凍で解決します。そのうえで、缶詰を3〜4個常備しておいてください。疲れて何もしたくない日に、缶を開けるだけでタンパク質20gが確保できます。

指導していて感じるのは、続かない原因のほとんどが動線にあるということです。「今日は疲れたから」と思ったとき、冷凍庫に切り身が入っていて、電子レンジで5分なら、多くの人は作ります。冷蔵庫に生の切り身しかなく、グリルを出して掃除まで必要なら、コンビニに行きます。変えるべきは気持ちではなく、買い方と保存です。回復に関わる食事全般は筋肉痛を早く治す食事術も参考になります。
【根拠】 「続かない原因は動線」という話をしましたが、調理そのものを丸ごと外すという選択肢もあります。あらかじめタンパク質・脂質・糖質が管理された宅食を組み合わせておけば、切り身を買う・冷凍する・電子レンジで温める、という工程自体が要らない日を作れます。

【デメリット】 1食あたりの単価は自炊より高くなり、継続には費用がかかります。冷凍庫のスペースも必要です。
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10 SHOPスーパーでの選び方

表示の読み方

「さば」——原産地を確認してください。ノルウェー産ならたいせいようさば(295kcal)、国産ならまさば(211kcal)です。「かつお」「かつおたたき」——「初鰹」「戻り鰹」の表示があれば時期がわかります。表示がない場合、春〜初夏は初鰹、秋は戻り鰹と考えて大きく外れません。「まぐろ」——赤身・中トロ・大トロの区別を必ず見てください。3.7倍違います。「銀鮭」「トラウトサーモン」「アトランティックサーモン」——いずれも養殖で脂質が多い種類です。減量期なら「秋鮭」「白鮭」を選んでください。

買う場所と時間

刺身と切り身は、夕方以降に値引きされることが多くあります。その日に使うか、その日のうちに冷凍するなら、値引き品で問題ありません。えびは冷凍のむきえびが扱いやすく、価格も安定しています。ブラックタイガーは生100gで77kcal・脂質0.3g。冷凍庫に常備できる低脂質タンパク源として優秀です。

コストの目安

まだら・するめいか・冷凍えびは比較的安価です。まぐろ赤身・かつおは中価格帯。ぶり・さわらはやや高くなります。減量期に選びたい魚が、価格的にも選びやすいというのは、続けるうえでの利点です。外食で魚を選ぶ場面は筋トレ中の外食チェーン選び方ガイドにまとめています。

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よくある質問

筋トレで一番いい魚は何ですか
目的によります。減量期ならまだら(タンパク質1gあたり4.09kcal・脂質0.2g)、増量期ならさばやぶりです。1種類に決めるより、時期で使い分けるほうが現実的です。
魚と鶏むね、どちらを優先すべきですか
1食で確保できるタンパク質量は鶏むねが上回ります(皮なし焼きで38.8g)。ただしタンパク質1gあたりのカロリーでは、鶏むね皮なし4.51に対し、まだら4.09・大正えび4.10など13種の魚介が上回りました。どちらか一方ではなく、週の中で組み合わせることをおすすめします。
刺身は加熱したものより栄養価が高いのですか
100gあたりの数値では、加熱したほうが高く見えます。ただしこれは水分が抜けて密度が上がるためで、実際の総量は変わりません。刺身の利点は栄養価ではなく、調理時間がゼロであることです。
缶詰でも十分ですか
十分です。しろさけ水煮缶は156kcal・タンパク質21.2gで、生の切り身に近い数値です。骨まで食べられる利点もあります。ただしツナ缶は水煮か油漬かで3.8倍違うので、そこだけ確認してください。
毎日食べても大丈夫ですか
栄養面での問題はありませんが、加工品(塩さば・丸干し・干物)が続くと塩分が積み上がります。生の切り身や缶詰の水煮を中心にしてください。同じ食材が続くと飽きるという現実的な問題もあります。
養殖と天然、どちらがいいですか
一律には決まりません。にじますは淡水養殖116kcal・海面養殖201kcalと、同じ魚でも育て方で85kcal違いました。「養殖か天然か」より「何の魚か」を見てください。
プロテインの代わりになりますか
補い合う関係だと考えています。プロテインは吸収が速く量も確保しやすい一方、魚はDHA・EPAとビタミンDを同時に摂れます。トレーニング直後はプロテイン、食事では魚、という使い分けが扱いやすくなります。

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まとめ

魚を筋トレに組み込むうえで、押さえておきたいのは次の4点です。タンパク質1gあたりで見ると、鶏むねより効率のいい魚介が13種あります。まだら4.09、大正えび4.10、みなみまぐろ赤身4.07。鶏むね皮なしは4.51です。「筋トレなら鶏むね」は、選択肢のひとつに過ぎません。

  • 同じ「魚」の中に4.2倍の開きがある。みなみまぐろ赤身4.07と大西洋さば17.15。どの魚かで判断する
  • 季節・部位・産地・皮で数値が動く。かつおは春秋で脂質12.4倍、まぐろは部位で3.7倍、さばは産地で84kcal差
  • 続かない原因は、意志ではなく動線にある。買った日に冷凍する、電子レンジ調理を基本にする、缶詰を常備する
  • 減量期ならまだらの切り身か冷凍のむきえび。ツナ缶は水煮を常備する
  • 魚だけに寄せず、鶏むね・卵・豆腐と週の中で回す

明日、スーパーで何を買うか。減量期なら、まだらの切り身か冷凍のむきえび。どちらも脂質が0.3g以下で、価格も抑えめです。まだらは電子レンジで5分、えびは凍ったまま調理できます。ツナ缶は水煮を3〜4個。疲れた日のためです。油漬と間違えないよう、ラベルを確認してください。切り身を2枚パックで買ったら、その日のうちに1枚を冷凍します。3分の作業が、来週の1食を作ります。そして、魚だけに寄せないこと。鶏むね・卵・豆腐と週の中で回してください。同じ食材が続くと、栄養が偏るうえに続かなくなります。

この記事は、筋トレの本場ロサンゼルスで15年の指導経験を持ち、NABBA 2025 GPF優勝・LA Championship 2位・NESTA-PFT/SFT取得のトレーナーが、調布市のパーソナルジムTHE FITNESSで執筆しています。食事の相談で最も多いのが「何を食べればいいか」という質問です。ただ実際に詰まるのは、知識ではなく買い方と保存であることがほとんどです。冷凍庫に使える形で入っているかどうか。ここが変わると、続く人が増えます。遺伝子検査をもとにした一人ひとりに合わせたプログラムを組み、トレーニングだけでなく食事・睡眠・美容まで含めてサポートしています。
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参考文献・科学的根拠

  1. 1Smith GI, Atherton P, Reeds DN, et al. “Omega-3 polyunsaturated fatty acids augment the muscle protein anabolic response to hyperinsulinaemia-hyperaminoacidaemia in healthy young and middle-aged men and women.” Clin Sci (Lond). 2011;121(6):267-78. オメガ3脂肪酸の補給が筋タンパク質の同化反応を高めることを示したRCT。本文02 WHYで引用。 PMID:21501117
  2. 2“Association Between Fish Consumption and Muscle Mass and Function in Middle-Age and Older Adults.” Front Nutr. 2021;8:746880. 50〜85歳の成人22名を対象に週2回・150〜170gの魚食を10週間介入し、筋量と筋機能を測定した研究。本文07 CYCLEで引用。 PMID:34966766
  3. 3Burd NA, Gorissen SH, van Loon LJ. “Anabolic resistance of muscle protein synthesis with aging.” Exerc Sport Sci Rev. 2013;41(3):169-73. 加齢によるアナボリック抵抗性を解説したレビュー。本文07 CYCLEで引用。 PMID:23558692