目次
遺伝子検査でわかる自分に合ったトレーニングとは
ACTN3・FTO・ACE遺伝子型別の実践ガイド
- ACTN3・FTO・ACEという3つの遺伝子型を知ることで、トレーニングの強度・回数・有酸素の量・食事戦略の方向性を最適化できます
- 遺伝子は「傾向」を示すものであり「絶対的な上限」ではありません。継続的なトレーニングによって遺伝的に不利な傾向も改善できます
- 優先順位は①ACTN3でトレーニング設計②ACEで有酸素設計③FTOで食事設計の順です
関与するとされる遺伝子・遺伝子座の数
結果が届くまでの目安期間
ACTN3・FTO・ACE
SEC01 SCIENCE & LIMITS遺伝子でトレーニング効果が変わる、という話は本当か
遺伝的要因はトレーニング効果の個人差を説明する要因の一つです。ただし全てを決定するわけではありません。環境・食事・睡眠・継続性が依然として大きな影響を持ちます。遺伝子検査は「努力を不要にするもの」ではなく「方向性を最適化するもの」です。過剰な期待(遺伝子を知れば楽に結果が出る)と無用な諦め(遺伝子が悪いから無理)の両方を防ぐことがこのセクションの目的です。
Bray et al.(2009)の研究では、運動パフォーマンスおよび健康関連体力に関与する200以上の遺伝子・遺伝子座が同定されており、遺伝子が運動適応に広く影響することの科学的基盤が示されています(PMID:19123262)。
遺伝子多型が示すのは「傾向」であり「絶対的な能力の上限」ではありません。ACTN3遺伝子で「速筋型の傾向が低い」という結果が出ても、継続的な筋力トレーニングによって筋力を高めることは十分可能です。遺伝子は「何を重点的に意識するか」の参考情報であり、「できない理由」ではありません。エピジェネティクス(遺伝子の発現を調節するメカニズム)の研究が示すように、運動・食事・睡眠によって遺伝子の発現パターンそのものにも変化が生じます。
SEC02 ACTN3ACTN3遺伝子:筋繊維タイプと向いているトレーニングがわかる
ACTN3遺伝子はα-アクチニン3の産生を制御し、速筋繊維(タイプII)の割合に影響します。Kikuchi & Nakazato(2015)は、ACTN3 R577X遺伝子型はトレーニングに対する反応の個人差に関与しており、型ごとに最適なトレーニング方針が異なることを示しています(PMID:26526670)。Vincent et al.(2007)は、XX型個人では速筋繊維の割合が有意に低く、高速度での膝伸展筋力がRR型より低いことを示しました(PMID:17848603)。
日本人に筋肉がつきにくいのはなぜ?ACTN3遺伝子の真実 速筋・遅筋の違いとトレーニング設計
週のスケジュール例(筋肥大目的):
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月 | 下半身筋トレ(スクワット・RDL・レッグプレス)高重量低回数 |
| 火 | 休息またはウォーキング20分 |
| 水 | 上半身筋トレ(ベンチプレス・懸垂・ショルダープレス)高重量低回数 |
| 木 | HIIT 20分(全力30秒・休息90秒×8セット) |
| 金 | 体幹・補助種目(デッドリフト・プランク) |
| 土 | HIIT 20分 または 休息 |
| 日 | 完全休息 |
週のスケジュール例(ダイエット目的):
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月 | 全身筋トレ(コンパウンド種目メイン)中重量中回数 |
| 火 | 中強度有酸素(ジョギング30〜40分) |
| 水 | 休息 |
| 木 | 全身筋トレ(前回と異なる種目構成) |
| 金 | 中強度有酸素またはHIIT 20分 |
| 土 | 軽い筋トレ+ストレッチ |
| 日 | 完全休息 |
週のスケジュール例:
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月 | サーキット筋トレ(下半身・上半身・体幹を連続)高回数短インターバル |
| 火 | 中強度有酸素(ジョギングまたはバイク 40分) |
| 水 | 休息またはウォーキング |
| 木 | サーキット筋トレ(種目を変えて再構成) |
| 金 | 中強度有酸素 40分 |
| 土 | 軽い体幹トレ+ストレッチ |
| 日 | 完全休息 |
SEC03 FTOFTO遺伝子:脂肪のつきやすさと食事戦略がわかる
FTO遺伝子は食欲調節と脂肪代謝に関わります。「同じカロリーで太りやすさが変わる」のではなく、「満腹感の感じやすさ・食欲コントロールのしやすさ」に影響します。Celis-Morales et al.(Obesity, 2016)のFood4Me研究(n=1,280)は、FTOリスクアレルが非活動的な個人でBMIを増加させる効果を、活動的な生活習慣が有意に減弱させることを示しています(PMID:26921105)——つまりFTOの影響は運動習慣で大きく変えられます。
トレーニング方針:消費カロリーを稼ぐより筋肉量を増やして基礎代謝を底上げすることを優先する。
遺伝子型を活かした
あなただけのトレーニングプログラムを設計します
THE FITNESSではACTN3・FTO・ACE遺伝子の型を踏まえた食事と筋トレの個別プログラムをご提供しています。調布市・国領駅徒歩8分・オンライン対応。
無料カウンセリングを予約する →SEC04 ACEACE遺伝子:心肺機能・有酸素運動の効率がわかる
ACE遺伝子のI/D多型は血圧調節・心肺機能の適応効率に関わります。最新のシステマティックレビュー(2024)は、ACE II型は対照群と比較してエリート持久系競技者である確率が有意に高く(OR=1.54、95%CI:1.24〜1.91)、ACE D/Dは高強度の瞬発系パフォーマンスと関連することを示しています(PMC11593961)。
SEC05 PRIORITY RULES3遺伝子の優先ルールと自分のプログラムの組み方
優先順位の基本原則
RR型は高重量低回数・XX型は高回数短インターバルのサーキットという設計の土台
DD型はHIIT中心・II型は低〜中強度長時間有酸素という有酸素の質と量の設定
AA型は食欲コントロール対策・TT型はタンパク質確保優先という食事設計
代表的な4パターンの方針例
| 遺伝子型 | 筋トレ方針(ACTN3) | 有酸素方針(ACE) | 食事方針(FTO) |
|---|---|---|---|
| RR × AA × DD | 高重量低回数・コンパウンド中心 | HIITを週2回・長時間有酸素は最小限 | 食べる順番の徹底・低GI食品優先・食事記録 |
| XX × AA × II | 高回数短インターバルのサーキット | 低〜中強度有酸素を週3〜4回・40分 | 食べる順番の徹底・タンパク質系間食に置き換え |
| RX × TT × ID | 中重量中回数・ピリオダイゼーション | 目的に応じて有酸素とHIITを柔軟に設定 | タンパク質体重×1.4〜1.6g/日確保・過度な制限を避ける |
| XX × TT × II | 高回数サーキット・有酸素との組み合わせ | 低〜中強度有酸素週3回・40分 | タンパク質確保優先・食事量が少なすぎないよう注意 |
①ACTN3の型を確認 → 筋トレの回数・重量・インターバルを設計する
②ACEの型を確認 → 有酸素の種類(HIIT / 低〜中強度)・頻度・時間を設定する
③FTOの型を確認 → 食事の戦略(食べる順番 / 時間固定 / タンパク質量)を決める
RPEを使ったトレーニング強度管理 週3回・3分割8週間トレーニング設計書
SEC06 USING RESULTS遺伝子検査のレポートが届いたら:結果の読み方と最初にすること
一般的な遺伝子検査レポートには「遺伝子型」「リスクスコア」「推奨事項」の3要素が含まれます。
・遺伝子型の欄:ACTN3・FTO・ACEの3つを確認し本記事の各型解説に当てはめる
・リスクスコアが「高い」の場合:体質の傾向を示すものであり欠陥ではない。対策の方向性を知るための情報として活用する
・推奨事項が一般的な記述の場合:「有酸素運動を増やしてください」のような記述は本記事の各型解説を参照して具体的な方法に落とし込む
①自分の3型を本記事の優先ルールに当てはめてプログラムの方針を1枚にメモする
②週間スケジュールに反映する
③2〜4週間試して体の反応を記録する
【根拠】本セクションで解説した通り、遺伝子検査の結果は「1枚にメモして終わり」ではなく、実行後に体の反応を記録・評価してこそ活きる情報です。日々の体重・体組成の変化を数値で継続記録できる体組成計は、この「試して記録する」サイクルを支える選択肢のひとつです。
【デメリット】体組成計の数値は測定時間帯や体内の水分量によって変動しやすいため、同じ条件(起床後など)で測定し、1〜2週間単位の傾向で見ることをおすすめします。
SEC07 SHOULD YOU GET TESTED遺伝子検査を受けるべき人・受けなくてもいい人
- 複数のダイエット・筋トレ法を試したが期待通りの効果が出なかった
- パーソナルトレーニングをより効率的に活用したい
- 食事管理をしているのに痩せにくく、原因を科学的に知りたい
- 家族に太りやすい・筋肉がつきにくい人が多く自分の傾向を知りたい
- 長期的な体型改善を計画していて方向性を最適化したい
- まだ筋トレや食事管理を継続したことがない段階
- 費用(5,000〜30,000円程度)に対して不安がある
- 基本的な食事改善・週2回の筋トレをまだ試していない
SEC08 HOW THE FITNESS USES ITTHE FITNESSでの遺伝子検査の活用方法
受ける価値があると判断した方に向けて、THE FITNESSで実際にどのように遺伝子検査を活用しているかをご紹介します。
検査の流れ(採取→分析→結果説明→プログラム設計)
トレーニング種目・強度・頻度への反映
速筋型傾向が高い場合は、高負荷・低回数の複合種目(スクワット・デッドリフト等)の比率を高め、爆発的な筋力発揮を含む種目を重視する設計になりやすいです。回復に時間がかかる傾向があるため、インターバルと休息の設計も重要になります(例:高強度インターバルトレーニングを取り入れ、セッション間隔を長めに設定)。
遅筋型傾向が高い場合は、中強度・高回数・有酸素運動との組み合わせが効果を出しやすい傾向があります。回復が早いため頻度を高めたプログラムも取り入れやすく、継続的な代謝改善に向いていることが多いです(例:週4〜5回の中強度セッション、有酸素運動の比率を高めた設計)。
栄養プログラムへの反映
代謝関連遺伝子の傾向をもとに、糖質と脂質の配分比率・食事タイミング・タンパク質の必要量の方向性を個別に設計します。糖質代謝の効率が高い傾向がある方には糖質を活用したエネルギー設計を、脂質代謝が優位な傾向がある方には低糖質・高脂質寄りの設計をご提案することもあります。
【根拠】遺伝子検査に基づく個別最適化という考え方は、日々摂取するサプリメントの選び方にも応用できます。トリプトファン・マグネシウムなど、就寝前のコンディションを整える栄養素は、個別プログラムの睡眠・回復設計を補う選択肢のひとつです。
【デメリット】サプリメントは治療薬ではなく、効果や必要量には個人差があります。持病がある方・服薬中の方は事前に医師に確認することをおすすめします。
あなたの遺伝的傾向を活かした個別プログラムをご提案します。THE FITNESSでは遺伝子検査の結果・身体状態・目標・生活習慣を統合した個別プログラムを設計しています。まずは無料カウンセリングで詳細をご説明します。調布市・国領駅徒歩8分。
40代からのボディリコンプ設計 筋肉量を維持するための実践ガイド
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よくある質問
遺伝子型を踏まえた
あなただけのプログラムで一緒に取り組みましょう
THE FITNESSでは遺伝子検査の結果を参照しながら、食事・筋トレの個別プログラムを設計しています。調布市・国領駅徒歩8分・オンライン対応。
無料カウンセリングを予約する →まとめ遺伝子型は「最短ルートを選ぶ」ための情報
遺伝子型を知ることは「最短ルートを選ぶ」ための情報です。遺伝子は可能性を決定するものではなく、アプローチの方向性を最適化するためのツールです。
- ACTN3遺伝子型でトレーニングの回数・強度・インターバルを設計する——RR型は高重量低回数・XX型は高回数サーキット(Kikuchi & Nakazato, 2015 / Vincent et al., 2007)
- FTO遺伝子型で食事戦略を決める——AA型は食欲コントロール対策・TT型はタンパク質確保優先。FTOの影響は運動で大きく変えられる(Celis-Morales et al., 2016)
- ACE遺伝子型で有酸素の量と強度を設定する——DD型はHIIT中心・II型は低〜中強度有酸素が有効
- 優先ルール:①ACTN3でトレーニング設計 → ②ACEで有酸素設計 → ③FTOで食事設計
- 遺伝子はトレーニング効果を決定するものではなく、方向性を最適化するもの——環境・継続性・睡眠・食事が依然として大きく影響する
- まだ基本的な食事管理・週2回筋トレを試していない段階では、まずそこから始める方が費用対効果が高い
- 運動パフォーマンス・体力に関与する遺伝子・遺伝子座は200以上同定されている(Bray et al., 2009)
- 検査結果は生涯活用できる恒久的な情報資産——20代の情報が40代以降のプログラム設計にも再活用できる
THE FITNESS|調布市のパーソナルジム
| 所在地 | 〒182-0022 東京都調布市国領町4-51-6 アムール国領 B1F |
|---|---|
| 最寄り駅 | 京王線 国領駅 徒歩8分(府中市・狛江市・三鷹市・世田谷区からも好アクセス) |
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関連記事
参考文献・科学的根拠
- 1Kikuchi N, Nakazato K. “Effective utilization of genetic information for athletes and coaches: focus on ACTN3 R577X polymorphism.” J Exerc Nutr Biochem. 2015;19(3):157-164. 日本体育大学。ACTN3 R577X遺伝子多型がトレーニング反応の個人差に関与することを示したレビュー。複数のコホートで確認されたACTN3とエリートスポーツパフォーマンスの関連、およびACTN3遺伝子型別のトレーニング利用ガイドラインを解説。PMID:26526670
- 2Vincent B, De Bock K, Ramaekers M, Van den Eede E, Van Leemputte M, Hespel P, Thomis MA. “ACTN3 (R577X) genotype is associated with fiber type distribution.” Physiol Genomics. 2007;32(1):58-63. ルーヴェン大学(ベルギー)。90名の健常若年男性を対象に、ACTN3 XX型では速筋繊維(タイプII)の割合が有意に低く、高速度での膝伸展筋力がRR型より低いことを示した。遺伝子型と筋繊維分布・筋力特性の関連の根拠として参照。PMID:17848603
- 3Celis-Morales CA, Marsaux CFM, Livingstone KM, et al. “Physical activity attenuates the effect of the FTO genotype on obesity traits in European adults: The Food4Me study.” Obesity (Silver Spring). 2016;24(4):962-969. グラスゴー大学(英国)。1,280名を対象にFTO遺伝子型(rs9939609)と身体活動量の交互作用を検討。非活動的な個人ではFTOリスクアレルがBMIを増加させる効果が顕著だが、活動的な個人ではその影響が有意に減弱することを示した。PMID:26921105
- 4Bray MS, Hagberg JM, Pérusse L, Rankinen T, Roth SM, Wolfarth B, Bouchard C. “The Human Gene Map for Performance and Health-Related Fitness Phenotypes: The 2006–2007 Update.” Med Sci Sports Exerc. 2009;41(1):35-73. 運動パフォーマンス・健康関連体力に関与する遺伝子・遺伝子座を網羅的にレビューした基盤的な研究で、200以上の関連遺伝子・遺伝子座を同定。遺伝子が運動適応に広く関与することの科学的基盤として参照。PMID:19123262
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