目次
股関節が痛くても筋トレはできる
病態別の安全基準・フェーズ別種目設計・
変形性股関節症への対応を解説
急性期(NRS4以上)は荷重をかけない非荷重種目のみ実施し、慢性安定期(NRS3以下)は股関節屈曲90°以内・体重の1倍未満の負荷から段階的に再開するのが目安です。股関節にかかる力は体重で決まり、歩行では体重の約2.4倍です。体重を1kg落とせば1歩あたり約2.4kgの負荷が減ります。「動かさない」よりも「負荷を設計して動かす」が実際に効く手です。
01 DISEASE ASSESSMENTまず確認:股関節のどこが・どんなときに痛いかで対応が変わる
股関節の痛みを「股関節痛」と一括りにしてしまうと、対応策が全く変わってきます。原因となる病態が異なれば、避けるべき動き・強化すべき筋肉・フェーズの進め方がすべて異なります。まず自分の痛みがどの病態に近いかを確認することが安全なトレーニング設計の出発点です。
股関節痛の3大病態:変形性/インピンジメント/滑液包炎の違い
軟骨が摩耗し骨と骨が直接接触することで生じる変性疾患です。50〜60代の女性に多く、深い屈曲・内旋・内転での痛みが特徴です。「しゃがむと痛い」「靴下を履くのがつらい」という訴えが典型的です。運動療法は国際的な治療ガイドラインで推奨されていますが、2026年のコクランレビューでは、疼痛と身体機能の改善幅は臨床的に意味のある水準には届かないと報告されています。QOLへの効果は認められていません(Hall et al., 2026 / PMID:42486497)。一方で、運動を加えて有害事象が増えるという結果も出ていません。つまり運動療法は『改善させる手段』より『痛みを増やさずに動き続ける手段』として位置づけるのが実情に合っています。
股関節の骨形態の問題により、屈曲+内旋の動作で骨同士が衝突し痛みが出る状態です。30〜40代のスポーツ活動者・デスクワーカーに多く、スクワットやデッドリフトで「股関節の前面が詰まる感じ」として現れます。放置すると関節軟骨・関節唇の損傷に進行します。
大転子周囲の滑液包が炎症を起こした状態です。股関節の外側〜臀部外側の点在痛が特徴で、横向き寝・患側圧迫・ランニング・階段で増悪します。腸脛靱帯の過緊張・中殿筋の筋力低下が主因であることが多いです。
| 病態 | 痛みが出やすい動作 | 比較的出にくい動作 |
|---|---|---|
| 変形性股関節症 | 深い屈曲・内旋・内転・荷重時の回旋 | 浅い屈曲範囲・水平面の動き |
| FAI | 屈曲90°超+内旋・ディープスクワット | ワイドスタンス・つま先外向きでの浅い屈曲 |
| 大転子滑液包炎 | 患側を下にした横向き・腸脛靱帯伸張 | 股関節伸展位・臀部への直接圧迫回避 |
痛みフェーズ判定:NRSスケール×日常動作チェック
トレーニングの内容を決める前に、現在の痛みフェーズを数値で把握してください。NRSは痛みを0(まったく痛みなし)〜10(これ以上ない最悪の痛み)の11段階で数値化するスケールです。トレーニング開始前・種目中・翌日朝の3タイミングで確認する習慣をつけましょう。
| フェーズ | NRS目安 | 日常生活の状態 | トレーニング方針 |
|---|---|---|---|
| 急性期 | 4以上 | 歩行・座位でも痛みが出る | 非荷重種目のみ |
| 慢性安定期 | 1〜3 | 動き方次第で痛みが出る | 荷重再開・可動域90°以内 |
| 改善期 | 0〜1 | ほぼ日常生活に支障なし | 段階的負荷UP・可動域拡張 |
受診すべきサイン:筋トレの前に整形外科を受診してほしいケース
・安静時・夜間に痛みがある
・3週間以上、歩くときに足を引きずる状態が続いている
・股関節の可動域が急激に低下した(1〜2週間で明らかに動かしにくくなった)
・股関節周囲の熱感・腫脹がある
・転倒・衝突などの外傷後に痛みが始まった
02 JOINT LOAD MECHANISMS股関節に負担をかける構造:なぜ筋トレで痛みが出るのか
股関節の関節負荷を決める3つの要因
股関節にかかる力は、①体重、②姿勢・動作の質(力学的効率)、③周囲筋の筋力バランスの3要因で決まります。筋力が低下するほど動作の効率が落ち、股関節にかかる力は増えます。変形の進行そのものを運動が加速させる/抑えるという結論は、まだ出ていません。
| 要因 | メカニズム | 対策 |
|---|---|---|
| ①体重 | 歩行1歩で体重の約2.4倍 1kg増で約2.4kg増 |
月1kg以内の緩やかな減量 |
| ②姿勢・動作の質 | 骨盤が外側に傾く (トレンデレンブルグ徴候) 接触圧が急に上がる |
中殿筋強化による骨盤安定 |
| ③筋力バランス | 中殿筋が弱いと偏荷重 大腿四頭筋が弱いと 衝撃吸収が落ちる |
優先的な筋力強化(SEC04参照) |
体重別・動作別 関節負荷目安早見表(股関節にかかる力)
| 動作 | 体重比 | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 歩行(時速約4km) | 2.4倍 | 約120kg | 約145kg | 約170kg | 約190kg | 約215kg |
| 階段を上る | 2.5倍 | 約125kg | 約150kg | 約175kg | 約200kg | 約225kg |
| 階段を下る | 2.6倍 | 約130kg | 約155kg | 約180kg | 約210kg | 約235kg |
数値は人工股関節に計測器を内蔵した患者4名の体内計測(Bergmann et al., 2001 / PMID:11410170)に体重を掛けたものです。スクワットやランニングの股関節接触力は同じ方法で測られていないため、数値は出しません。実務では『股関節の屈曲角度が深くなるほど』『動作の速度が上がるほど』接触力は増えると考えてください。深いスクワットとランニングは、歩行や階段より負荷が大きい側です。
膝が痛い人の筋トレ|安全種目と8週間プログラム変形性股関節症で筋トレをどう位置づけるか
2026年のコクランレビュー(18研究1,368名)では、運動療法は疼痛を100点換算で平均7.19点、身体機能を8.79点改善しますが、原著はこの幅を臨床的に意味のある水準には届かないとしています。QOLへの効果はありません(Hall et al., 2026 / PMID:42486497)。
では筋トレに意味がないのかというと、違います。同じレビューで、併用介入に運動を加えた比較では有害事象がわずかに減っています(RR 0.75)。そして股関節にかかる力は体重で決まります。歩行時の股関節接触力は体重の約2.4倍(Bergmann et al., 2001 / PMID:11410170)なので、体重を1kg落とせば1歩あたり約2.4kgの負荷が消えます。
筋トレの役割は『関節を治すこと』ではなく、①体重と体組成を動かして負荷そのものを減らすこと、②痛みを増やさずに動ける範囲を保つことです。中殿筋・腸腰筋・大腿四頭筋を優先するのは、この2つを実現するうえで指導現場での手応えが大きい順です。接触圧の低下率を数値で示した研究は、確認できる形では見つかりませんでした。
股関節の可動域と年代別の変化
| 年代 | 主因 | 特に弱化しやすい筋肉 | 優先度の高いアプローチ |
|---|---|---|---|
| 30〜40代 | FAI・外傷・姿勢 | 深部外旋筋・腸腰筋 | モビリティ改善・スタンス調整 |
| 40〜50代 | 筋力低下開始 | 中殿筋・大腿四頭筋 | 筋力維持トレ週2〜3回 |
| 50〜60代 | 軟骨変性・拘縮 | 全周囲筋全般 | ウォームアップ必須・非荷重から |
股関節の状態に合わせた個別プログラムをサポートします
病態・フェーズ・年代に合わせた安全なプログラムを国領駅徒歩8分・完全個室・NESTA-PFT/SFT取得トレーナーがご提案します。
無料カウンセリングを予約する →通える距離にない方や、まず自宅で痛みの出ない範囲を確かめたい方は、オンラインでのフォームチェックと負荷設計もご利用いただけます(THE FITNESSのオンラインパーソナルトレーニング)。
03 PHASE-BASED EXERCISE SELECTIONフェーズ別:やってよい種目・NGの判断基準
急性期(NRS4以上):非荷重トレのみ
急性期の目標は「筋萎縮を防ぐこと」です。荷重をかけない範囲で動かし続けることが重要です。
| 種目名 | 部位 | 回数目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| クラムシェル(側臥位) | 中殿筋・深部外旋筋 | 15〜20回×2セット | 骨盤が後傾しないように |
| ヒップアブダクション(側臥位) | 中殿筋・大腿筋膜張筋 | 15〜20回×2セット | 脚を上げすぎない(30°以内) |
| アイソメトリック大腿四頭筋 | 大腿四頭筋 | 5秒保持×10回×2セット | 膝下にタオルを置いて軽く押す |
| アンクルポンプ | ふくらはぎ・血液循環 | 30回×3セット | 深部静脈血栓予防にも有効 |
| 腹横筋ドローイン(仰臥位) | 腹横筋・骨盤底筋 | 5秒保持×10回×2セット | 股関節に力が入らないよう注意 |
| NG種目 | NG理由 |
|---|---|
| スクワット・ランジ系全般 | 体重+負荷が股関節に直撃 片足荷重で関節圧が倍増 |
| デッドリフト・ルーマニアンDL | ヒップヒンジで股関節前面に圧縮力 |
| レッグプレス | 機械でも屈曲荷重は同じ |
| ランニング・ジャンプ | 衝撃荷重で炎症が拡大 |
慢性安定期(NRS3以下):荷重再開の条件と基準
① NRSが3以下で安定して2週間以上継続している
② 股関節の可動域左右差が20°以内(例:健側100°に対して患側80°以上)
③ 歩行時に跛行(足を引きずる動作)がない
| 体重 | 浅めスクワット | レッグプレス開始重量 | チューブ抵抗 |
|---|---|---|---|
| 50kg | 自重で10〜15回から | 20〜25kg | 軽〜中 |
| 60kg | 自重で10〜15回から | 25〜30kg | 軽〜中 |
| 70kg | 自重で10〜12回から | 30〜35kg | 中 |
| 80kg | 自重で8〜10回から | 35〜40kg | 中 |
| 90kg | 自重で8〜10回から | 40〜45kg | 中〜強 |
改善期(NRS1以下):負荷を上げるための段階設計
↓ 痛みゼロ2週間継続
改善期Week1〜2:〜90°(負荷を5〜10%増加)
↓
改善期Week3〜4:〜100°(可動域を段階的に拡張)
↓
改善期Week5〜6:〜110°(種目数・セット数を増加)
↓
改善期Week7〜8:フルレンジ再評価(NRS0を確認しながら)
① 痛みゼロが2週間続いたら次のステップへ進む
② トレーニング中・翌日朝のNRSが2以上になったら即1ステップ戻す
③ 当日NRS0でも翌日朝に痛みが増している場合は過負荷サイン→負荷を下げる
04 OA-SPECIFIC EXERCISE DESIGN変形性股関節症に特化した種目設計
最優先で鍛えるべき3筋肉とその理由
| 筋肉 | 重要な理由 | 弱化した場合の影響 |
|---|---|---|
| ①中殿筋 | 股関節外転と歩行時の 骨盤の安定を担う 弱いと内側に圧が集中 |
トレンデレンブルグ歩行 →患側の内側に圧が集中 |
| ②腸腰筋 | 股関節屈曲の主役 骨盤の前後傾を制御 柔軟性と強化の両方 |
短縮・拘縮→骨盤前傾 →前面のインピンジメント |
| ③大腿四頭筋 | 着地・歩行の衝撃吸収 弱化で膝と股関節に 衝撃が直接伝わる |
衝撃が股関節に直接伝わり変形を加速 |
推奨種目6選(やり方・ポイント・効いているか確認法)
やり方:側臥位で膝を90°に曲げ、かかとをつけたまま上側の膝だけを天井方向に開く
フォームポイント:骨盤が後傾(後ろに倒れる)しないように体幹を固定する。チューブを膝上に巻くと負荷増加可
回数目安:15〜20回×3セット・左右
効いているか:臀部の外側・中央部(中殿筋の位置)に張りを感じていればOK。腰や大腿外側の張りが強い場合は骨盤が動いているサイン
やり方:側臥位で体を一直線に保ち、上側の脚を約30°まで持ち上げてゆっくり下ろす
フォームポイント:脚を前後に流さない(真横〜わずかに後方に上げる)。つま先を天井に向けると中殿筋への刺激が強まる
回数目安:15〜20回×3セット・左右
効いているか:臀部の外側上方(中殿筋の上部)に張りを感じればOK
やり方:仰臥位で膝を立て、足裏全体で床を押しながら骨盤を持ち上げ、肩〜膝が一直線になる高さで2〜3秒保持
フォームポイント:腰を過度に反らない(腰椎過伸展はNG)。膝が内側に入りやすい方はチューブを膝上に巻く
回数目安:12〜15回×3セット
効いているか:殿筋全体に強い収縮感があればOK。ハムストリングスしか使えていない場合は足の位置を骨盤に近づける
やり方:足を肩幅〜やや広めに開き、つま先を外側15〜30°に向ける。股関節屈曲60〜90°(痛みが出ない範囲)で止め、ゆっくり戻る
フォームポイント:膝をつま先の方向に追従させる。重心がかかとに乗るように
回数目安:10〜15回×3セット(慢性安定期は自重のみ)
効いているか:大腿前面と殿部に同時に張りを感じればOK。股関節の奥に詰まり感がある場合は即中止してスタンス調整
やり方:チューブを両足首もしくは膝上に巻き、軽くスクワット姿勢をとって横方向にゆっくりステップする
フォームポイント:体の上下動を最小限に。股関節・膝・足首を曲げたまま動くことで中殿筋に常に張力をかけ続ける
回数目安:左右各10〜15歩×3セット
効いているか:股関節の外側〜臀部外側に強い張りを感じればOK
やり方:一歩踏み出し、前膝が90°になるまで腰を落とす(股関節屈曲は90°以内を維持)
フォームポイント:踏み込んだ時に股関節の前面に詰まり感がある場合はステップを短くする
回数目安:左右各8〜12回×3セット
効いているか:大腿四頭筋・殿部に張りを感じればOK。改善期に入り、NRS1以下が2週間継続してから導入する
変形性股関節症でのNG種目と代替早見表
| NG種目 | NG理由 | 代替種目 |
|---|---|---|
| フルスクワット(90°超) | 深い屈曲で接触圧が急増・軟骨に集中荷重 | 浅めスクワット(60〜90°) レッグプレス(低角度) |
| 深いランジ(大きく踏み込む) | 前方荷重で前面に圧縮力 インピンジメントを促進 |
ショートランジ・サイドステップ |
| ヒップスラスト(高重量) | 骨盤後傾の強制が変形部に集中 | グルートブリッジ(自重〜軽量) |
| ランニング・ジャンプ動作 | 衝撃荷重が繰り返し軟骨変性を加速 | 水中ウォーキング・エアロバイク |
| レッグプレス(深い角度) | 屈曲90°超で関節接触圧が急増 | レッグプレス(浅い角度・60〜80°) |
| 内転筋マシン(強い内転) | 内転動作が変形部への集中圧縮を招く | クラムシェル・外転方向のトレーニング優先 |
05 FAI MANAGEMENTFAI(大腿寛骨臼インピンジメント)の対応:30〜40代向け
FAIのメカニズム:なぜスクワットで「詰まり感」が出るのか
FAIは股関節の骨形態異常(大腿骨頭の形状異常=Cam型、臼蓋の過被覆=Pincer型、またはその両方=Mixed型)により、特定の動作で骨同士が衝突する状態です。Cam型は屈曲時に臼蓋の縁に衝突し、スクワット・デッドリフトの深い屈曲で「詰まり感」として現れます。衝突が繰り返されると関節唇が損傷し、放置すると変形性股関節症への進行リスクが高まります。
40〜60代がデッドリフトを安全に始める方法FAI保有者の種目調整:スタンス幅・つま先角度で回避する
| 調整項目 | 標準 | FAI向け調整 | 理由 |
|---|---|---|---|
| スタンス幅 | 肩幅 | 肩幅の1.2〜1.5倍(ワイド) | 外旋方向への逃げが生まれる |
| つま先の向き | 正面〜15° | 外向き30〜45° | インピンジメントポジションを回避 |
| 深さ | フルボトム | 股関節屈曲90°以内 | 深いほどCam/Pincer型の 衝突リスクが上がる |
① スタンスを5〜10cm広げる→外旋方向の逃げが増え、詰まりが消えることが多い
② つま先をさらに5〜10°外に向ける→外旋強度が増しインピンジメントポジションが変わる
③ 上記2つを試しても消えない場合→その種目をレッグプレス・チューブ種目に切り替える
06 4-WEEK PROGRESSION PROGRAM4週間プログレッション:フェーズ別スタートプログラム
慢性安定期スタート版(Week1〜4)
NRS3以下が2週間継続・荷重再開3条件をクリアした方向けです。実施頻度:週2〜3回・各セッション30〜40分。
| Week | メイン種目 | 補助種目 | セット×回数 | 強度目安 |
|---|---|---|---|---|
| Week1 | クラムシェル・グルートブリッジ | アンクルポンプ・ドローイン | 2×15 | NRS0を維持 翌日NRS2以上なら軽く |
| Week2 | サイドウォーク(チューブ軽)追加 | Week1種目を継続 | 3×12 | NRS0〜1。チューブは最も軽いものから |
| Week3 | 浅めスクワット(60°・自重)導入 | サイドウォーク・グルートブリッジ継続 | 3×10 | NRS1以下 スクワット後に詰まり感 あれば中止 |
| Week4 | 浅めスクワット(75°・自重) レッグプレス(低角度・軽量) を追加 |
上記継続 | 3×10 | NRS1以下。翌日の確認を必ず行う |
1. ウォームアップ(10分)
・アンクルポンプ 30回×2セット
・腹横筋ドローイン(仰臥位)5秒×10回×2セット
・股関節モビリティ(仰臥位・膝を立てた状態でゆっくり左右に倒す)10回
2. メイン種目(15分)
・クラムシェル 15回×2セット(左右)
・グルートブリッジ 15回×2セット
3. クールダウン(5分)
・腸腰筋ストレッチ(片膝立ち・体幹垂直)30秒×左右
・梨状筋ストレッチ(仰臥位フィギュア4)30秒×左右
改善期スタート版(Week1〜4)
NRS1以下が2週間以上継続・日常生活にほぼ支障がない状態の方向けです。実施頻度:週2〜3回・各セッション40〜50分。
| Week | メイン種目 | 可動域目標 | セット×回数 | 強度目安 |
|---|---|---|---|---|
| Week1 | 浅めスクワット グルートブリッジ チューブサイドウォーク |
屈曲〜90° | 3×12 | NRS0維持・フォームの安定を最優先 |
| Week2 | ショートランジ(自重)追加 | 屈曲〜90° | 3×10 | NRS0〜1。ランジ時の詰まり感を確認 |
| Week3 | スクワット可動域拡張 クラムシェル(チューブ) |
屈曲〜100° | 3×12 | NRS1以下 可動域拡張は無痛の範囲 |
| Week4 | セット数・種目数を増加 レッグプレスの角度を 徐々に拡大 |
屈曲〜110° | 4×10 | NRS1以下。翌日確認を習慣化 |
1. ウォームアップ(10分)
・股関節モビリティドリル(90/90ストレッチ)1分×左右
・グルートブリッジ(ウォームアップ用・軽め)10回×2セット
・ウォーキング(軽め・5分)またはバイク(軽負荷・5分)
2. メイン種目(30分)
・浅めスクワット(〜100°)3×12
・グルートブリッジ(チューブあり)3×12
・クラムシェル(チューブ・中強度)3×12(左右)
・ショートランジ(自重)3×10(左右)
・チューブサイドウォーク 3×15歩(左右)
3. クールダウン(5分)
・腸腰筋ストレッチ 30秒×左右
・梨状筋ストレッチ 30秒×左右
・大腿四頭筋ストレッチ 30秒×左右
07 DAILY LIFE INTEGRATION日常動作との連携:トレーニング以外で股関節を守る習慣
股関節に優しい歩き方・立ち方の3ポイント
| ポイント | 実践方法 | 理由 |
|---|---|---|
| ①つま先の方向を正す | 正面〜わずかに外向き(5〜10°)で歩く | 内股歩きは内旋を強制 痛みが出やすくなる |
| ②骨盤の左右傾斜を減らす | 「頭を水平に保つ」 イメージで体幹を安定 |
トレンデレンブルグ歩行 は中殿筋弱化のサイン |
| ③歩幅は痛みが出ない自然な範囲で | 無理に広げない 筋力が上がれば広がる |
過度な伸展はOAの 詰まり感を増す |
座り方・靴選びが股関節に与える影響
靴選び:かかとが高い靴は骨盤を前傾させ股関節前面の接触圧を高めます。かかと高さ2cm以内・ソールのクッション性が高いウォーキングシューズが推奨です。
体重1kgの減量で股関節負荷は何kg減るか
歩行時の股関節接触力は体重の約2.4倍です(Bergmann et al., 2001 / PMID:11410170)。体重が1kg減ると、歩行1歩あたりの負荷は約2.4kg軽くなります。この比率は体重に関係なく同じなので、体重別の表にはなりません。1日5,000歩なら約12,000kg分の負荷が減る計算ですが、累積の合計は体感と結びつきにくい数字です。実務で見るのは『月1kgのペースで落とす』ことと、落とした分だけ歩行時の痛みが軽くなるかどうかです。
【月2回更新・第1土曜と第3土曜】理想の体と健康を最短で手に入れる実践ノウハウをお届けする月額限定マガジンです。900記事以上の執筆実績とデータに基づき、ネットの一般論では成果が出なかった方へ「今日からマネできる具体的な食事・筋トレプラン」を配信します。
股関節の負荷を決めるのは体重と動作で、サプリメントはそこを動かしません。グルコサミンとコンドロイチンについては、股関節と膝の変形性関節症を対象にした10試験3,803名のネットワークメタ解析で、疼痛も関節間隙の狭小化も改善しなかったと報告されています(Wandel et al., 2010 / PMID:20847017)。先にやることは体重管理と運動です。そのうえで、タンパク質やコラーゲンの補給を食事の一部として足したい方向けに、成分別の3アイテムを挙げておきます。
よくある質問
股関節の状態に合わせた個別プログラムをサポートします
病態・フェーズ・年代に合わせた安全なプログラムを国領駅徒歩8分・完全個室・NESTA-PFT/SFT取得トレーナーがご提案します。
無料カウンセリングを予約する →調布まで通えない方へは、THE FITNESSのオンラインパーソナルトレーニングで、病態とフェーズに合わせた種目選択とフォーム確認を行っています。
まとめ|「股関節が痛いからやめる」ではなく「どう設計して続けるか」
「股関節が痛いからトレーニングをやめる」は、長期的には股関節の状態をさらに悪化させる選択です。重要なのは「やめる・やる」の二択ではなく、「どう設計して続けるか」です。
まず自分の病態(変形性/FAI/滑液包炎)とフェーズ(急性期/慢性安定期/改善期)を確認し、それぞれの基準内でトレーニングを設計することが大前提です。変形性股関節症であれば中殿筋・腸腰筋・大腿四頭筋の3筋を優先します。接触圧を何%下げられるかを示した確認できる研究はありませんが、体重を1kg落とすだけで歩行1歩あたり約2.4kgの負荷が減ることは体内計測で確かめられています(Bergmann et al., 2001 / PMID:11410170)。FAIであればワイドスタンス・つま先外向き・屈曲90°以内の調整でインピンジメントポジションを回避しながら継続できます。
今日からできる3アクション:
- ① SEC01のNRS判定フローで今日の自分のフェーズを確認する
- ② フェーズに合った今日できる種目を1種目だけ選んでやってみる
- ③ 日常の歩き方・座り方のポイント(SEC07)を今日から1つだけ変える
- 運動療法は疼痛と身体機能をわずかに改善するが、臨床的に意味のある水準には届かない。QOLへの効果は認められない(Hall et al., 2026 / PMID:42486497)
- 併用介入に運動を加えた比較では有害事象がわずかに減少(RR 0.75・同上)
- 歩行時の股関節接触力は体重の238%、階段を上るとき251%、下るとき260%。体内計測・患者4名(Bergmann et al., 2001 / PMID:11410170)
THE FITNESS|調布市のパーソナルジム
| 所在地 | 〒182-0022 東京都調布市国領町4-51-6 アムール国領 B1F |
|---|---|
| 最寄り駅 | 京王線 国領駅 徒歩8分 |
| 営業時間 | AM 9:00 ~ PM 23:00(不定休) |
| 電話 | 070-1460-0990 |
| 公式サイト | https://thefitness-personal.jp/ |
| @thefitness.chofu | |
| ご予約 | 無料カウンセリングのご予約はこちら |
| 料金 | 料金プランはこちら |
関連記事
参考文献・科学的根拠
- 1Hall M, Lawford BJ, Hinman RS, Dobson F, Spiers L, Kimp A, French HP, Reichenbach S, Hernandez-Molina G, Bennell KL. “Exercise for osteoarthritis of the hip.” Cochrane Database Syst Rev. 2026 Jul 23;7(7):CD007912. doi:10.1002/14651858.CD007912.pub3. 陸上での運動療法を対象としたコクランレビューの2026年改訂版(2009年初版・2014年前版の更新)。18研究1,368名。無治療・通常ケアとの比較で、疼痛は100点換算で平均7.19点(95%CI 3.68〜10.70)、身体機能は8.79点(5.41〜12.00)改善する(いずれも確実性 moderate)。ただし原著はこの改善幅が臨床的に意味のある水準には届かないと明記している。QOLへの効果は認められない(MD 2.31点・95%CI −1.15〜5.91・moderate)。注意対照・プラセボとの比較では疼痛への効果も認められない。一方、併用介入に運動を加えた比較では有害事象がわずかに減少している(RR 0.75・95%CI 0.58〜0.97・moderate)。本記事では『運動は痛みを増やさずに続けられる』根拠として引用しており、『運動で変形性股関節症が改善する』根拠としては引用していない。水中運動は本レビューの対象外(陸上運動のみ)。 PMID:42486497
- 2Bergmann G, Deuretzbacher G, Heller M, Graichen F, Rohlmann A, Strauss J, Duda GN. “Hip contact forces and gait patterns from routine activities.” J Biomech. 2001 Jul;34(7):859-71. doi:10.1016/s0021-9290(01)00040-9. 人工股関節に計測器を内蔵した患者4名で、日常動作中の股関節接触力を体内で直接測定した研究。平均値は歩行(時速約4km)が体重の238%、階段を上るとき251%、下るとき260%。片脚立位は歩行よりわずかに少ない。本記事では動作別の股関節負荷と、減量1kgあたりの負荷軽減量の根拠として引用。被験者が4名の人工股関節患者であること、走行や深いスクワットは測定されていないことが本研究の限界。 PMID:11410170
- 3Wandel S, Jüni P, Tendal B, Nüesch E, Villiger PM, Welton NJ, Reichenbach S, Trelle S. “Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis.” BMJ. 2010 Sep 16;341:c4675. doi:10.1136/bmj.c4675. 股関節または膝の変形性関節症を対象にした、200名超の大規模ランダム化比較試験10件・3,803名のネットワークメタ解析。10cmの視覚的アナログ尺度で、プラセボとの疼痛の差はグルコサミン −0.4cm(95%信用区間 −0.7〜−0.1)、コンドロイチン −0.3cm(−0.7〜0.0)、併用 −0.5cm(−0.9〜0.0)で、いずれも事前に設定した臨床的に意味のある差(−0.9cm)に達していない。関節間隙の最小幅の変化はすべて微小で、信用区間がゼロをまたぐ。企業資金の試験のほうが効果が大きく出ていた(交互作用 p=0.02)。本記事ではサプリメントの位置づけを示す根拠として引用。 PMID:20847017
THE FITNESSでは綺麗になりたい、産後太りをなんとかしたい、健康寿命を延ばしたい、昔の体型に戻りたいなど、様々なお悩みを解決いたします。
初めての方も大歓迎です。
自宅でお手軽オンラインパーソナルレッスンにも対応しています。
些細な事でもお気軽にお問い合わせください。
https://thefitness-personal.jp/contact/
070-1460-0990





